141 / 221
141. 水着を注文する
しおりを挟む
なぜ? 商会の人は勧めてないよ?
「パール様には特別な、人とは違うモノが似合います」
侍女長!? そうきたか……
もう三人にお任せする。
できるだけ白い丈夫な革で作ってもらうことになった。
ソファの大きさもライたちがきてもみんなが座れるように大きく。
リビングにはよほど気の許した者しか入れないつもりでいるから、みんながくつろげるようにクッションなどもいくつか追加でお願いしておいた。
あとはプラムとシルエラにおまかせで……
二軒目の商会は、食器や花瓶などを扱っているところだった。
これにはわたし付きの侍女たちだけでなく、他の侍女たちもやってきて、すごくうれしそうになんだか吟味してくれていたよ。
自分たちが一番携わっているモノだからね……
侍女たちが思うわたし好みのモノと、お客様用の豪華なモノを選んでくれている。
あっ、そうだ!
無難でシンプルなポットにお茶を淹れてマジックバックにしまっておいたら、どこでもすぐ飲めるよね!
わたしも加わって、みんなでいろいろ選んでいった。
程よい疲れで、昼食になる。
ライたちと一緒に食べたので、ソードが一番に聞いてきた。
「気に入ったモノはありましたか?」
ソファを侍女たちの勧めで白色にしたことや、ポットを自分が持ち歩くように何個か家用とは別に買ったことなどを伝えるとガントが。
「白の革とは、珍しいな……おれっ、そこに座れるのか? 汚しちまいそうだな……」
「ガントは、立っていてください。わたしは座らせてもらいますよ。白とは粋な! さすがです」
ソードがそういって侍女長たちを褒め称えていた。
午後から来る最後の商会には、ライたちも参加するそうで、いままでよりも大きな客室に連れていかれる。
ここにはいくつ、部屋があるのだろう?
広い部屋なのに、座っているのはなぜかわたしとライだけ……
ライの後ろにガントとソード。
わたしの後ろに侍女のプラムとシルエラ。
少し離れた所にセバスチャンと侍女長が並んで立っている。
最後の商会はアクセサリー部門と服飾部門を展開している老舗の商会だった。
「ライ様、いつもご贔屓ありがとうございます。お嬢様、お初にお目にかかります。アビエス商会のわたくし宝飾担当のアベート。そして服飾担当のこちらが妹、タンネでございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。今回は初めてのお目通りですので、できる限り勉強させていただくつもりでおります」
「はい。よろしくお願いします……」
アクセサリーは兄で、服飾は妹。
落ち着いたシックな装いのおとなの二人だった。
わたしはもう別に宝石は、いらないんだけど……
侍女長が髪飾りを勧めてくれたので、見せてもらう。
なぜかライが張り切って、いろいろ商会のお兄さん、アベートさんに髪飾りをださせている。
わたしは後ろを向かされていた。
アベートさんがわたしのつけている髪飾りをみて、ステキだとほめてくれる。
ライがよろこんで、それ以上のモノはないかと聞いていた。
ある程度ライが満足したところで、わたしも見せてもらう。
ライが選んだ髪飾りはすごく豪華で、いつ付けるんだ? っと考えていると、ソードがみかねてアドバイスしていた。
「ライ。その髪飾りは豪華でステキですが、これをパールがいつどんなときに付けると思いますか? もっと毎日でも付けられるような髪飾りが、いまのパールにはよくないですか?」
「毎日……」
わかってくれたのか、選び直すみたいだ……
侍女たち二人とライがいつの間にか、一緒に髪飾りを選んでいる。
いくつ買うんだろう……
頭はひとつなんだけど……
横では商会の妹さんタンネさんが、紙の束を持って控えている。
次は服飾だよね……
作ってもらうモノって、あったかな?
あっ、そうだ! アレを作ってもらおー!!
次は服だけど、別になにも困ってないから……
ライは好きなだけ買ったら良いと言うけど、豪華な服はもったいないよ。
子どものわたしはすぐ着れなくなるし……
ここにもそんなにいないしね。
でも、ひとつだけほしいモノがあった!
タンネさんをみて告げる。
「水着がほしいです!」
「水着ですか? それは、どういうモノでしょう?」
えっ、ないの?
だって、ラメール王国には海があるから泳いでる人もいたよね?
「パール。もしかして、海で泳ぐのに着る服のことですか?」
ソードが尋ねてくる。
「そうだけど?」
「お嬢様。我が国には泳ぐときに着る、決まった服はございません。みなさん思い思いの服を着て海辺で少し遊ぶぐらいです」
「わかったぞ! パールおまえ、ゴタの海岸で泳いでいる人を見たんだろう? あれは、仕事で潜っている人たちだ!」
ガントが笑いながら教えてくれた。
「海で泳いじゃぁ、ダメなの?」
「ダメじゃないが、あまりそういう人を見ないな?」
なんだ、この世界は海で泳げないのかな?
前世の記憶と混ざってしまっていたようだ……
「いいえ、泳いではいけないと決まってはいませんし、現に仕事とはいえ泳いでいる人はいます。どのような……水着とは? それは、どのような服をご所望でしたのでしょうか? よろしければ教えてくださいますか?」
やっちゃった……しょうがないから生地から伝えてみた。
「えっと……速乾性が高く、耐久性にも優れている生地で、濡れても透けないモノ。これはぜったいね! あとは、できるだけからだにピタっとしていて、伸縮性があればうれしいかな?」
タンネさんは、ブツブツ言いながら持っていた紙になにかを描き始めて、あっという間に一枚の水着を描きあげた。
なかなかいいけど、まだ少しダボついているな。
ペンと紙をかりて、同じようにからだにピッタリの水着を描き上げて見せてみた。
「こんなに、ピッタリなのですか?」
みんなが絵を覗き込んで、これはちょっとピッタリすぎないかと聞いてくる。
「ダボつくと水の中では、泳ぎづらくて重いし溺れてしまう。わたしはまだ子どもだから安全第一! ピッタリでも大丈夫。でももし気になるようなら、少しフリルをつけてくれてもいいよ。できるだけ伸縮性のある泳ぎやすい、それでいて透けない丈夫な生地でお願いします。ここホントに、ぜったい大事です!」
「わかりました。少しお時間をいただけますでしょうか? やりがいのあるご注文で、腕がなりますわ!」
あとは侍女たちに任せて、わたしたちは部屋をでる。
ソードがあんな水着をどうして知っているのか聞いてきたので、どう答えようと考えていたらガントが向こうの世界で見たのか聞いてきた……
それに便乗して、うなずいておいた。
わたしはどうも人と違うところが多いから、言動には気をつけるようソードに注意される。
それっ、マークにもよく言われてたな……
なんだか、懐かしい。
ライの家に滞在するのも、あと一日。
もうすぐみんなに、会えるんだ……
「パール様には特別な、人とは違うモノが似合います」
侍女長!? そうきたか……
もう三人にお任せする。
できるだけ白い丈夫な革で作ってもらうことになった。
ソファの大きさもライたちがきてもみんなが座れるように大きく。
リビングにはよほど気の許した者しか入れないつもりでいるから、みんながくつろげるようにクッションなどもいくつか追加でお願いしておいた。
あとはプラムとシルエラにおまかせで……
二軒目の商会は、食器や花瓶などを扱っているところだった。
これにはわたし付きの侍女たちだけでなく、他の侍女たちもやってきて、すごくうれしそうになんだか吟味してくれていたよ。
自分たちが一番携わっているモノだからね……
侍女たちが思うわたし好みのモノと、お客様用の豪華なモノを選んでくれている。
あっ、そうだ!
無難でシンプルなポットにお茶を淹れてマジックバックにしまっておいたら、どこでもすぐ飲めるよね!
わたしも加わって、みんなでいろいろ選んでいった。
程よい疲れで、昼食になる。
ライたちと一緒に食べたので、ソードが一番に聞いてきた。
「気に入ったモノはありましたか?」
ソファを侍女たちの勧めで白色にしたことや、ポットを自分が持ち歩くように何個か家用とは別に買ったことなどを伝えるとガントが。
「白の革とは、珍しいな……おれっ、そこに座れるのか? 汚しちまいそうだな……」
「ガントは、立っていてください。わたしは座らせてもらいますよ。白とは粋な! さすがです」
ソードがそういって侍女長たちを褒め称えていた。
午後から来る最後の商会には、ライたちも参加するそうで、いままでよりも大きな客室に連れていかれる。
ここにはいくつ、部屋があるのだろう?
広い部屋なのに、座っているのはなぜかわたしとライだけ……
ライの後ろにガントとソード。
わたしの後ろに侍女のプラムとシルエラ。
少し離れた所にセバスチャンと侍女長が並んで立っている。
最後の商会はアクセサリー部門と服飾部門を展開している老舗の商会だった。
「ライ様、いつもご贔屓ありがとうございます。お嬢様、お初にお目にかかります。アビエス商会のわたくし宝飾担当のアベート。そして服飾担当のこちらが妹、タンネでございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。今回は初めてのお目通りですので、できる限り勉強させていただくつもりでおります」
「はい。よろしくお願いします……」
アクセサリーは兄で、服飾は妹。
落ち着いたシックな装いのおとなの二人だった。
わたしはもう別に宝石は、いらないんだけど……
侍女長が髪飾りを勧めてくれたので、見せてもらう。
なぜかライが張り切って、いろいろ商会のお兄さん、アベートさんに髪飾りをださせている。
わたしは後ろを向かされていた。
アベートさんがわたしのつけている髪飾りをみて、ステキだとほめてくれる。
ライがよろこんで、それ以上のモノはないかと聞いていた。
ある程度ライが満足したところで、わたしも見せてもらう。
ライが選んだ髪飾りはすごく豪華で、いつ付けるんだ? っと考えていると、ソードがみかねてアドバイスしていた。
「ライ。その髪飾りは豪華でステキですが、これをパールがいつどんなときに付けると思いますか? もっと毎日でも付けられるような髪飾りが、いまのパールにはよくないですか?」
「毎日……」
わかってくれたのか、選び直すみたいだ……
侍女たち二人とライがいつの間にか、一緒に髪飾りを選んでいる。
いくつ買うんだろう……
頭はひとつなんだけど……
横では商会の妹さんタンネさんが、紙の束を持って控えている。
次は服飾だよね……
作ってもらうモノって、あったかな?
あっ、そうだ! アレを作ってもらおー!!
次は服だけど、別になにも困ってないから……
ライは好きなだけ買ったら良いと言うけど、豪華な服はもったいないよ。
子どものわたしはすぐ着れなくなるし……
ここにもそんなにいないしね。
でも、ひとつだけほしいモノがあった!
タンネさんをみて告げる。
「水着がほしいです!」
「水着ですか? それは、どういうモノでしょう?」
えっ、ないの?
だって、ラメール王国には海があるから泳いでる人もいたよね?
「パール。もしかして、海で泳ぐのに着る服のことですか?」
ソードが尋ねてくる。
「そうだけど?」
「お嬢様。我が国には泳ぐときに着る、決まった服はございません。みなさん思い思いの服を着て海辺で少し遊ぶぐらいです」
「わかったぞ! パールおまえ、ゴタの海岸で泳いでいる人を見たんだろう? あれは、仕事で潜っている人たちだ!」
ガントが笑いながら教えてくれた。
「海で泳いじゃぁ、ダメなの?」
「ダメじゃないが、あまりそういう人を見ないな?」
なんだ、この世界は海で泳げないのかな?
前世の記憶と混ざってしまっていたようだ……
「いいえ、泳いではいけないと決まってはいませんし、現に仕事とはいえ泳いでいる人はいます。どのような……水着とは? それは、どのような服をご所望でしたのでしょうか? よろしければ教えてくださいますか?」
やっちゃった……しょうがないから生地から伝えてみた。
「えっと……速乾性が高く、耐久性にも優れている生地で、濡れても透けないモノ。これはぜったいね! あとは、できるだけからだにピタっとしていて、伸縮性があればうれしいかな?」
タンネさんは、ブツブツ言いながら持っていた紙になにかを描き始めて、あっという間に一枚の水着を描きあげた。
なかなかいいけど、まだ少しダボついているな。
ペンと紙をかりて、同じようにからだにピッタリの水着を描き上げて見せてみた。
「こんなに、ピッタリなのですか?」
みんなが絵を覗き込んで、これはちょっとピッタリすぎないかと聞いてくる。
「ダボつくと水の中では、泳ぎづらくて重いし溺れてしまう。わたしはまだ子どもだから安全第一! ピッタリでも大丈夫。でももし気になるようなら、少しフリルをつけてくれてもいいよ。できるだけ伸縮性のある泳ぎやすい、それでいて透けない丈夫な生地でお願いします。ここホントに、ぜったい大事です!」
「わかりました。少しお時間をいただけますでしょうか? やりがいのあるご注文で、腕がなりますわ!」
あとは侍女たちに任せて、わたしたちは部屋をでる。
ソードがあんな水着をどうして知っているのか聞いてきたので、どう答えようと考えていたらガントが向こうの世界で見たのか聞いてきた……
それに便乗して、うなずいておいた。
わたしはどうも人と違うところが多いから、言動には気をつけるようソードに注意される。
それっ、マークにもよく言われてたな……
なんだか、懐かしい。
ライの家に滞在するのも、あと一日。
もうすぐみんなに、会えるんだ……
61
あなたにおすすめの小説
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる