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211. リンゴのパイが必ずある家
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トムさんとトーマスがすごくよろこんでくれた。
「これで当分ペッパーには困らないよ! パールありがとう!」
「パール? こんなにもらって大丈夫か? まだ渡すところがあるだろう?」
「うん、大丈夫。ブレンダがね、トムさんとライのところには全体の四分の一ずつ渡したらどうだって、教えてくれたんだ。あとぜったい渡すのが、モナルダや親方にメリッサのところだからそんなに量は必要ないんだよ。一件ずつの量はもっと少なくていいからね。そうだ! じゃあもう少し渡すから、わたしの分もいろんなペッパーができたら、少し分けてくれる? 自分用にもストックしておくよ」
「ああ、いいぞ。こんなにあるんだもうこれ以上渡さんでいい。これで十分だぞ。自分用には少し、そのまま生で取っておけ。何で必要になるかわからんだろ? ペッパーがいろいろ出来上がったらパールにも少し渡すから、冒険したときに使うといい」
「ありがとう。また、欲しかったら採りにいくから遠慮なくいってね!」
「パール? もしかして、ライ様の料理長たちにも少しペッパーを分けてもらうんですか?」
「どうだろトーマス? もらっておこうか?」
「ああ、そうしてくれ! 出来上がりを比べたいからな!」
「わかったトムさん。分けてもらうよ」
やっとだ……
やっと、テオとラトルを使って遊べるぞ!
でもこの木のラトル……
テオにはこれでも、まだちょっと重いのか?
それに音がなるモノのほうが、こっちをもっと向いてくれてうれしいかも?
『すず 』をつけようか?
テオの表情がホントに豊かになってきた!
こうなったら人に説明すると長くなるから、自分でひとつぐらい布のラトルに小さなすずを入れてつくろうかな?
テオーっ!
あーーっ、かわいいなぁ!
「パール、そろそろライのところへ行くよ」
「えーーっ! もう?」
ブレンダに急かされて、ライのところへ帰っていく。
お土産のペッパーを渡すと料理長が喜んでくれて、さっそく緑のペッパーが料理に出てきた。
「このお肉の上に乗っているのは、生の緑のペッパーだよね。あっ! こっちのエビビのスープにも入ってる! プチッとした食感がいつもと違っておもしろい! 料理長いっぱい使ってくれたんだ……」
「よかったですね、パール。新鮮なペッパーですからね、料理長たちもすごくよろこんでいましたよ。数種類のペッパーができたら少し渡すといってました。楽しみにしていてください」
「うん、ありがとう!」
「しかし、パール。おまえ忙しいよな! 日帰りでよくあれだけのペッパーを取りに行くよ。すごい量を持って帰ってきただろ? それでよく一日で帰ってこれたよ! おれでも日帰りは無理だな」
「まあね、ガント。ボードは、はやくて便利だからね。あっ! そうだ、さっきテオと少し遊んできたんだけど、あの棒状の木のラトルまだ少し重いみたい。考えたんだけど、丸くなっている部分の内側をキノコのカサのように削ったらもう少し軽くなるかなぁって思ったんだけど、どう思う」
「そうですね、まだやりようによっては軽くできますね。それもガーベ商会に伝えましょう」
「ありがとうソード! テオの表情が豊かになってきて、かわいいんだ! ずっと側にいたいよ」
「パール! ホントにセルバ王国へ行くのか?」
「うん、ライそのつもりだけど。数年はいろいろまわってみたい……でも、ホント離れがたいんだよね」
「はっはは! いっそのこと、百年ぐらいはここにいたらどうだ!」
「ガントらしい考えだね。うーん。でも、やっぱりセルバにも興味があるから……よし! もう、すぐ行ってこようか!?」
「パール、しばらくは無理ですよ。ガーベ商会の敷布団もキチンと形にしてもらわないと」
「そうか……」
「パール、水着の帽子も改良するんだろ?」
「アッ! そうだったブレンダ! なんだかいろいろあるなぁ~」
「自業自得ですね」
「アハッ、そうかも。明日からはモナルダのところだから、グレコマに錬金術をもう少し教わりたいしね。まあしばらくは諦めるよ」
「でも、よくあの夫婦がパールを弟子にしてくれたよな? 弟子を取らないことで有名だったんだぞ」
「ふ~ん? そうなんだ、ガント。きっと、孫のメリッサが手紙に書いてくれたからだよ」
「まあ、パールですから、いろいろ例外もあったのでしょう」
ソードの言葉にみんながうなずいている……?
なんだかな……
♢♢♢
それから、ひと月があっという間に過ぎていく。
ゆりかごの敷布団の見本も五枚やってきた。
一枚は問題外。
ペラペラ、薄すぎる。
硬くてよいなら、薄くてもいいのでは?
そう思った人がいたらしく、 一枚薄い敷布団ができたそうだ。
「それは、ちょっと違う」
そう思うなら、自分で寝て確かめてみたらいいと言っておいた。
だれがその案を出したのか……
気になるところだけど……
そのまま一枚は、返してしまう。
四枚預かって、テオで試して見ることに。
ガーベ商会はライのところにわたしが来るタイミングで、必ず一度は会いにくる。
お嫁さんが張り切っているそうだ。
息子のフレーさんは、もう一ヵ月修行をすることに決まったみたい……
エミールさんが教えてくれる。
ラトルもすぐに改良して持ってきてくれた。
これはだいぶ軽くなっていておどろく。
「ラトルひとつにしても、創意工夫が大切なのだと勉強になりました。ありがとうございます」
エミールさんは、つくづく感じたようだった。
「パール様、敷布団の硬さも決まりそうです。今回調べてみて分かったことも多く、学ぶことがまだまだあるのだと職人たちと話しております」
ガーベ商会の先代とベルさんには名前で呼ぶことを許している。
息子のフレーさんはいろいろ修行中で、あれから会っていないからまだだけど……
「そうだよね! ましてや初めての赤ちゃんだと、どうしていいかわからないことも多いから、そうしたことにも詳しい先生のような人をお店に数人置いておけば、生まれる前から質問もできて、買う側も安心だし心強いよね。いままでの古い間違った習慣も正せて出来るだけ赤ちゃんが安全に成長できるようにお手伝いすることも大切だと思うよ」
「それは、素晴らしいアイデアです!」
それからもいろいろ話そうと思うと、ソードがわたしにおやつタイムを告げてくる。
ライの家には、必ずリンゴのパイがあるようだ……
いつソードがパイを注文してもサッとでてくるよ……
好きだけど……
不思議だな?
密かにグレコマのところで小さなすずも作った。
布はオレガノで分けてもらったし……
綿はベルさんに少し持ってきてもらった。
糸と針はピアンタで揃えてある。
あとは、すずを入れる箱……
そういうのは、親方だな!
ベビーベッドを取りにいくついでに聞いてみよう。
どんなベッドができているのか?
楽しみだなぁ~。
ふっふっ。
親方の傑作みたいだからねっ!
「これで当分ペッパーには困らないよ! パールありがとう!」
「パール? こんなにもらって大丈夫か? まだ渡すところがあるだろう?」
「うん、大丈夫。ブレンダがね、トムさんとライのところには全体の四分の一ずつ渡したらどうだって、教えてくれたんだ。あとぜったい渡すのが、モナルダや親方にメリッサのところだからそんなに量は必要ないんだよ。一件ずつの量はもっと少なくていいからね。そうだ! じゃあもう少し渡すから、わたしの分もいろんなペッパーができたら、少し分けてくれる? 自分用にもストックしておくよ」
「ああ、いいぞ。こんなにあるんだもうこれ以上渡さんでいい。これで十分だぞ。自分用には少し、そのまま生で取っておけ。何で必要になるかわからんだろ? ペッパーがいろいろ出来上がったらパールにも少し渡すから、冒険したときに使うといい」
「ありがとう。また、欲しかったら採りにいくから遠慮なくいってね!」
「パール? もしかして、ライ様の料理長たちにも少しペッパーを分けてもらうんですか?」
「どうだろトーマス? もらっておこうか?」
「ああ、そうしてくれ! 出来上がりを比べたいからな!」
「わかったトムさん。分けてもらうよ」
やっとだ……
やっと、テオとラトルを使って遊べるぞ!
でもこの木のラトル……
テオにはこれでも、まだちょっと重いのか?
それに音がなるモノのほうが、こっちをもっと向いてくれてうれしいかも?
『すず 』をつけようか?
テオの表情がホントに豊かになってきた!
こうなったら人に説明すると長くなるから、自分でひとつぐらい布のラトルに小さなすずを入れてつくろうかな?
テオーっ!
あーーっ、かわいいなぁ!
「パール、そろそろライのところへ行くよ」
「えーーっ! もう?」
ブレンダに急かされて、ライのところへ帰っていく。
お土産のペッパーを渡すと料理長が喜んでくれて、さっそく緑のペッパーが料理に出てきた。
「このお肉の上に乗っているのは、生の緑のペッパーだよね。あっ! こっちのエビビのスープにも入ってる! プチッとした食感がいつもと違っておもしろい! 料理長いっぱい使ってくれたんだ……」
「よかったですね、パール。新鮮なペッパーですからね、料理長たちもすごくよろこんでいましたよ。数種類のペッパーができたら少し渡すといってました。楽しみにしていてください」
「うん、ありがとう!」
「しかし、パール。おまえ忙しいよな! 日帰りでよくあれだけのペッパーを取りに行くよ。すごい量を持って帰ってきただろ? それでよく一日で帰ってこれたよ! おれでも日帰りは無理だな」
「まあね、ガント。ボードは、はやくて便利だからね。あっ! そうだ、さっきテオと少し遊んできたんだけど、あの棒状の木のラトルまだ少し重いみたい。考えたんだけど、丸くなっている部分の内側をキノコのカサのように削ったらもう少し軽くなるかなぁって思ったんだけど、どう思う」
「そうですね、まだやりようによっては軽くできますね。それもガーベ商会に伝えましょう」
「ありがとうソード! テオの表情が豊かになってきて、かわいいんだ! ずっと側にいたいよ」
「パール! ホントにセルバ王国へ行くのか?」
「うん、ライそのつもりだけど。数年はいろいろまわってみたい……でも、ホント離れがたいんだよね」
「はっはは! いっそのこと、百年ぐらいはここにいたらどうだ!」
「ガントらしい考えだね。うーん。でも、やっぱりセルバにも興味があるから……よし! もう、すぐ行ってこようか!?」
「パール、しばらくは無理ですよ。ガーベ商会の敷布団もキチンと形にしてもらわないと」
「そうか……」
「パール、水着の帽子も改良するんだろ?」
「アッ! そうだったブレンダ! なんだかいろいろあるなぁ~」
「自業自得ですね」
「アハッ、そうかも。明日からはモナルダのところだから、グレコマに錬金術をもう少し教わりたいしね。まあしばらくは諦めるよ」
「でも、よくあの夫婦がパールを弟子にしてくれたよな? 弟子を取らないことで有名だったんだぞ」
「ふ~ん? そうなんだ、ガント。きっと、孫のメリッサが手紙に書いてくれたからだよ」
「まあ、パールですから、いろいろ例外もあったのでしょう」
ソードの言葉にみんながうなずいている……?
なんだかな……
♢♢♢
それから、ひと月があっという間に過ぎていく。
ゆりかごの敷布団の見本も五枚やってきた。
一枚は問題外。
ペラペラ、薄すぎる。
硬くてよいなら、薄くてもいいのでは?
そう思った人がいたらしく、 一枚薄い敷布団ができたそうだ。
「それは、ちょっと違う」
そう思うなら、自分で寝て確かめてみたらいいと言っておいた。
だれがその案を出したのか……
気になるところだけど……
そのまま一枚は、返してしまう。
四枚預かって、テオで試して見ることに。
ガーベ商会はライのところにわたしが来るタイミングで、必ず一度は会いにくる。
お嫁さんが張り切っているそうだ。
息子のフレーさんは、もう一ヵ月修行をすることに決まったみたい……
エミールさんが教えてくれる。
ラトルもすぐに改良して持ってきてくれた。
これはだいぶ軽くなっていておどろく。
「ラトルひとつにしても、創意工夫が大切なのだと勉強になりました。ありがとうございます」
エミールさんは、つくづく感じたようだった。
「パール様、敷布団の硬さも決まりそうです。今回調べてみて分かったことも多く、学ぶことがまだまだあるのだと職人たちと話しております」
ガーベ商会の先代とベルさんには名前で呼ぶことを許している。
息子のフレーさんはいろいろ修行中で、あれから会っていないからまだだけど……
「そうだよね! ましてや初めての赤ちゃんだと、どうしていいかわからないことも多いから、そうしたことにも詳しい先生のような人をお店に数人置いておけば、生まれる前から質問もできて、買う側も安心だし心強いよね。いままでの古い間違った習慣も正せて出来るだけ赤ちゃんが安全に成長できるようにお手伝いすることも大切だと思うよ」
「それは、素晴らしいアイデアです!」
それからもいろいろ話そうと思うと、ソードがわたしにおやつタイムを告げてくる。
ライの家には、必ずリンゴのパイがあるようだ……
いつソードがパイを注文してもサッとでてくるよ……
好きだけど……
不思議だな?
密かにグレコマのところで小さなすずも作った。
布はオレガノで分けてもらったし……
綿はベルさんに少し持ってきてもらった。
糸と針はピアンタで揃えてある。
あとは、すずを入れる箱……
そういうのは、親方だな!
ベビーベッドを取りにいくついでに聞いてみよう。
どんなベッドができているのか?
楽しみだなぁ~。
ふっふっ。
親方の傑作みたいだからねっ!
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