迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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216. 『きっと』はまだ決定じゃない?

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 セルバ王国へ行くと決めてしまえばもうスッキリ!

 これからの予定をブレンダと話し合う。

 セルバ王国までどうにか一度行ってしまえば、行ったところはワープできるからすぐ帰って来れるけど、今回はいろいろ見てまわりたい。

 しばらくどこにも戻らないとブレンダに伝えておく。

「そうだね、ライたちにもまだワープのことを詳しく話していないからね」

「モナルダと親方のところへはたまに行くつもりでいるけど、いまの家を順番のようにまわる習慣は解消したいんだ……ペッパー採取のときもホントは一泊したかったでしょ? でも心配されるから断念したし」

「そうかい。じゃあ、そのつもりで準備しようかね」

「うん……ライたちにはよくしてもらっているから申し訳ないんだけど……やっぱり自由がもう少しほしいと感じているのかも? 前はひとりで冒険していたから。冒険するにはもうちょっと自分を自由にしないと……」

 あとはセルバへ向かうときのボードのワープ。
 これは一度行ったところじゃないと使えないから、まずはボードでしっかり飛んで行く必要がある。
 なので普通に時間がかかると伝えておく。

 ブレンダもセルバには行ったことがないそうだ。

「あそこの国はダンジョンがなかったからねっ」

 なるほど……

「どの道で行くかも、決めないと……」

「どの道ってどういうことだい? 一ヶ所しか道はないだろ?」

「実はね……」

「ちょっと、待ちな! これ以上の話は一応テントにいくよ」

 ブレンダがわたしとの相談や決め事は、テント内でできるだけ行うと決めていた。
 ぜったい人に聞かれないですむからね。
 いまは安全でもこれからのことを考えて、クセ付けるよう教えられている。

 チェリーに方向のチェックをしてもらってわかったこと……
 まだチェリーのことはブレンダにもナイショで話す。

「ボードに乗って、少し調べてみてわかったことだけどね。樹海からどうもセルバへ行けるみたいなんだよ?」

「樹海? あのピアンタへ行く途中にある樹海のことかい?」

「うん。そうだけど、樹海は思っている以上に大きくて、このメルの町からも空からなら樹海を通って行けるんだよ」

「それはまた……大胆な行き方だね……」

「あはっ……まあね。樹海を真っ直ぐ進むから、たぶん魔物もそれなりにすごいことになってくると思う」

「そうなるだろうね……」

「わたしが行ってみたいのは、資料で見たセルバ王国のダンジョン跡と樹海の奥なんだ。なんだか楽しそうでしょう? でっ、セルバ王国のダンジョン跡は北の端。ピアンタでいうとリエール領にあたる場所だから、これで大陸一周だよ!」

「大陸一周? またおもしろいことを……それを他の人にも話したのかい?」

「ブレンダが初めてかな?」

「これはいろいろ……しばらくのあいだ秘密だね。でも、パール? もしかして、ひとりですべて冒険する気でいたのかい?」

「そうだけど……」

「それは……ちょっと……無謀だね。護衛になれてよかったよ」

「ありがとう……護衛を引き受けてくれて」

「パール。でも今回は樹海じゃなく普通の道でいくよ。パールはまだ十歳でピアンタにいくときも、いつも魔力がギリギリだろ? もし間違えて樹海の真ん中に行ってしまって、強い魔獣に出会ってどうしようもないとき、ワープの距離が足りないとそこも危険でたいへんだからね。まずは安全第一だよ」

「そうか。まずは普通に行ってからの方が危険を回避できる場所が増えて安全なんだ」

「普通っていっても、ボードだろ? これも普通じゃないからね」

 もっと、ちゃんと考えないと……

 まずは、やり残している敷布団や水着の帽子の件を片付けてしまうことにする。


 食堂ドラコは怒涛の開店三日間が終わり、お客さんの数は減ったけど、おおむね繁盛しているお店になっていた。

 やっぱり味がおいしいから人は来る。
 トムもトーマスも楽しそうだ。
 
 それからまたひと月が経ち、お客さんの要望が多く宿屋ドラセナの方もバタバタと開店することになった。
 いろいろあったけど敷布団と水着の帽子の件も順調だ。

 このあたりでライたちにも冒険へいくと伝えることにした。


「なんだって!? パール? セルバ王国へ行くと決めたのか?」

「うん、ライ。いままでありがとう! もう少し準備が整ったら今回は長く冒険するつもりだからもうこっちへは帰ってくることはないと思う」

「それはどういうことですか? パール?」

「ソード、これからしばらくいろいろ冒険してまわることにしたんだよ。そのあとは、自分の家に住むからここへは戻らない」

「なんだよ、パール? ここにもう帰ってこないのか?」

「うん、ガントそうなるね。自分の家もできたし、冒険は最低でも一年以上旅するつもりでいるからね。テオが赤ちゃんのあいだにいろいろまわって来るつもりだよ」

「どうして、ここに帰ってこないんだ……」

「ライ? だってここはわたしの家じゃないよ。わたしの家は別にちゃんとあるからね。いままでありがとう」

「しかし、突然ですね……」

「そうでもないと思うけど? みんなに甘えて少し長くここにいすぎたくらいだよ。居心地が良かったからね。でも、それじゃぁダメだから……」

「どうしてダメなんだ? おれのそばにいたらいいだろう?」

「えっ?! どうして、ライのそばにいるの? それは、ちょっと変だよ。わたしはガントやソードみたいにライのところで働いているわけでも、家族でもないんだから、もともとそう長くは一緒にいられないし出ていくのは当たり前。いい機会だと思う」

「いや、ダメだ! パール出ていくな!」

「さっきからどうしたの? ライおかしいよ?」

「おかしいか? おかしくても、いいさ……いくなパール! おまえは……きっと……おれのツガイなんだ!」

「へっ?! ライのツガイ?」

 まわりを見ると、みんながとうとう言ってしまったか? っと言うような、ちょっと残念な子を見る目でライとわたしを見ていた……

 なに、これ?

「ソードはなんとなくライの考えていることがわかっていても不思議じゃないけど、ガントやブレンダまで……そんなことをライが考えていたと知っていたの?」

「おれはソードから聞いた」

 なるほど……

「わたしはライを見ていてなんとなくだね……でも、まだはっきりしていないんだよ……ライも自分で言っていただろう?」

「きっと、おれのツガイ……」

「そう……まだ、決め手に欠けるのさっ」

 なんということだ……
 ライのツガイ……
 そんなことになったら、次期王妃じゃないか……

 あっ?!

 だから、王妃様がわたしなんかとお茶をしたのか!

 冷静によく考えて。

 きっと、だから……
 まだ決定じゃない?

 竜人の血を継いでいるライにはツガイがすべてのはず……

 じゃあ、普通もっとしっかりわかるよね?

 きっと……あっ!?

 アリオさん…… 

 そうなのか?

 えーーっ?! 

 もしかして、一緒なの?


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