迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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215. ドラコの開店日

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 ドラコの開店の日がやってきた!

 なんだか、立派な木のドラセナ ドラコが彫られた看板ができている……

「すごく目立つね……」

「ああ」

 ライたちからのお祝いだそうで、いつの間に? っとおどろいたらトムが教えてくれた。

「ここにきてすぐかな? はやくにソードさんから申し出があったんだ。名前が決まったらすぐに教えてほしいと言われていたから伝えたんだが……すごく立派な看板がきたな……」

「ドラセナ ドラコの名前に負けてない、立派な看板でいいと思うよ! カッコイイね!」


 お店はお昼前から人が集まり出してきた……

 マークが冒険者ギルドに今日のことを宣伝したそうだ。
 オープン記念の三日間は、二種類だけで営業する。
 メニューは魔牛のステーキか魔牛のシチュー!

「昼のランチの値段じゃぜったい食べれないモノだから、たくさん人がくるぞ!」

 魔牛はオレフが焼いてトーマスがそれをサイコロ状に切って皿に分け提供するそうで、今から二人張り切っているとトムが教えてくれる。
 わたしにはテオを見ていてほしいとお願いされた。

 三日間、テオと一緒だ!

 シーナはテオに授乳だけしに何度かくるけど、あとは食堂を手伝うみたい。
 ドラセナのわたしの部屋にベビーベッドを出してふたりで遊ぶ。
 ブレンダはその横に机と椅子を出し、本を読んだり書きものをしたりしながらわたしたちを見守っていた。

 布のラトルもなんとかひとつ作って渡してある。
 テオのお気に入りのおもちゃだ。

 角ウサギかホワイトベアーのどちらにしようか悩んで男の子だから、ホワイトベアーにした。
 みんなに見せたら反応がまばらでなんとも言えない感じだったけど気にしない。

 テオはすごく気に入ってくれたみたいだからね!

「この、なんとも言えない形がよかったのかなぁ~? しゃべれたらテオに聞きたいよ」

 キレイな顔をして案外はっきりモノを言うエリオンが、わたしの作ったラトルで楽しそうに遊んでいるテオを見て不思議そうに話してきた。

「子どもの好むモノは、変わっているモノも多いからね……」

 あれっ? ブレンダもエリオンと一緒なの?

「あら、案外わたしはちょっと変わってて、かわいいと思うけど?」

「そうだよね! オリビア! かわいいよね!」

「振ったときになる音色も変わっている……」

 ボソッとオレフがいうと、つられるようにトーマスが話しだす。

「パールが作ったモノですからね! 普通じゃないでしょう!」

「はっ、はっ、は! そうだなトーマス! パールが作ったのなら、これが普通だろう!」

「もうっ! お父さん。パールが頑張って縫ってくれたのよ! それだけで十分よ」

「そうだぞ。シーナの言う通りだっ! パールが頑張って縫ってくれただけで、おれはうれしいよっ!」

 マークまで……

 わたしが作っただけで十分ということは、このラトルは不出来だとみんなは遠回しに言っているのか?

 なんだか腑に落ちないけど、お昼の休憩時間にみんな疲れたからだをテオで癒されにやってきたから許してあげよう!

 今日は初日。
 夜はお酒もよくでるから、もっとたいへんになるかも? っとみんなで話し合っているし……

 メニューもお昼とは、ぜんぜん違うそうだ。

 一応シチューはひとつだけ定番にして、安くておいしいモノにするらしいけど、あとのモノはそこそこの値段はするけどホントにおいしい料理を出すと教えてくれた。

 お肉もこれから夜に出す魔牛ステーキは、オープン記念用のモノじゃなく通常の状態で一枚ドンっと出すそうだ。
 あとクロコイリエも数量限定で出すみたい。
 品数は減らして、通常通りのモノにする。
 そして値段を三日間だけ半額にし、味を覚えてもらう。

 ホントにおいしいモノを作ろうと思ったら、手間や材料費はかかるからね。
 少し高くなるけどおいしいモノを出すお店だとみんなに知ってもらうことが大事だとトムが話してくれる。

 わたしがお肉を提供するから、それでも儲けが出るそうだ。
 まわりのお店にあまり影響しないよう、他の店とは方向性の違う少し高いお店にするらしい。

 質の良い料理を出すことで隣接している宿屋にくる客層も上がって、変なお客さんが来にくくなり宿屋の質も良くなっていく。
 
「じゃあ、宿屋も少し高いの?」

「まあ、安くはないな。そこそこだな?」

 そこそこ? なるほど、いろいろ考えているんだ……

 ドラセナの宿屋にはお貴族様も泊まれるお部屋が一応あるみたい。 
 お風呂付きの部屋が基本になっている。
 
 でもまずは、食堂ドラコだね!
 
 
 開店三日は、あっという間に過ぎていった。

 三日間ずっと通ってくれたお客さんもいたそうだ。
 魔牛の威力はすごいなぁ~。

 わたしも二日目で暇になってきて、テオを抱っこするときの抱っこ紐を即席で作ってしまった。

 お散歩したくてもわたしでは、そんなに長いあいだ抱っこしているのが難しいし……

 チェリーに聞くと前世の記憶から抱っこ紐なるモノを頭の中に映像でいくつも出してくれる。

 その中で比較的簡単な、抱っこするときの安全具。
 からだの小さなわたしでもずっとテオを抱いておけるように両肩と腰で支えるモノを、できるだけ柔らかい布を選んでブレンダをモデルにあれこれアレンジしてひとつ完成させた。

「まだまだ改良の余地はあるけど、及第点かな?」

「また、すごいモノを作ったね……変わっているけど、これで赤ん坊を抱いたらすごく楽だよ。まだ改良できるだろうけど、わたしは手があくから十分さ」

「これではまだダメ。ホントはもっと改良しないといけないけど、わたしにはいますぐ必要だからね。今日はこの抱っこ紐を使ってドラセナ ドラコの木をテオと見ながら散歩するよ」
 
 テオを抱っこ紐で抱いて、宿屋の横にそびえ立つドラセナ ドラコの木を見せてあげる。

「テオ、大きいねぇ~」

 そのまま裏庭からわたしの家へ行く。
 一階のリビングにベビーベッドを出してまた遊ぶ。

 今日で三日目。
 テオともたくさん遊んだなぁ……

「ブレンダ、いまのテオはかわいいけどやっぱりセルバに行くなら早い方がいいような気がする……なぜだろうね……」

「どういうことだい? すぐセルバに行きたいのかい?」

「わからないけど、行くならやっぱり早いほうが良いって思うようになってきたんだ」

「わかった……わたしはパールの護衛だからね、どこにでもついていくよ。ただ決まった理由がないなら、そうすぐじゃなくても良いだろう? いろいろ用意してからでもいいかい?」

「大丈夫だよ。わたしもそんなにすぐには無理だから……ただ、敷布団の件がうまくいって水着の帽子もある程度決まったら、他に用事を作らずセルバにいくことにするよ。マークたちも食堂が開店して安心だし、テオとも三日遊んでちょっと満足したのかな? へ、へっ」

 なんだかブレンダにセルバへいくとはっきり伝えて気分もスッキリ!

 そうだよ、もうセルバにいくっ!

 決めた!! 


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