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建国祭⑦
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「……公共の場で上半身裸って、セネーバ的には大丈夫なの? いや、全裸でも基本的に問題ない国だから、大丈夫なんだろうけど、人化してるからにはちゃんと服を着て欲しいよな」
「……エディ、まさか気づいてないのか」
「え? 何を」
「アレ、ヴィダルスだぞ」
…………言われて見れば、クソムカつく傲慢な顔をしてて、エレナ姫みたいな金髪碧眼の男女はべらせている時点で、ヴィダルス以外の何ものでもないですね。
人化しても、全く好感度上がらないってすげーな。想像以上のイケメンではあるのに。
「……アレは鼻はそこまででもないが、無駄に勘がいい。一緒にいるところを見られたら、厄介だ。少し距離を開けて、特設ステージで合流しよう」
「そうだな。この混雑じゃ、流れに逆らって移動するのも難しそうだし。……あ、そうだ。アスティ。念の為、頭の毛を一本ちょうだい」
「構わないが。どうするんだ?」
「毛があれば、一方的にではあるけど、魔法で俺からメッセージを送れるんだ。合流ができそうになかったら、連絡する」
転移魔法では人に座標を指定することはできないけど、声くらいなら個人宛でも送ることができる。
媒体として24時間以内に分離した相手の肉体の一部が必要なうえ、一方通行だから相手の反応はわからないし、残念ながら居場所も特定はできないのだが。……やはりスマホは偉大だ。この世界でも、誰か発明してくれねーかな。
アストルディアからもらった頭の毛(髪の毛とは言いにくい)を無くさないよう亜空間に収納して、一旦ここで別れることにする。
とりあえず俺は極力歩く人の邪魔にならない道の端の物陰で待機して、アストルディアに先に行ってもらった。
……そろそろすれ違うけど、気づいてはなさそうだな。
念の為、空間魔法と風魔法を複合した奴で、ヴィダルスの会話盗聴しとくか。魔法の臭いでバレたらまずいから、消臭魔法も一緒につけて、と。
『……ヴィダルス様。どうなさいました? せっかくの建国祭なのに、ずぅっと上の空じゃありませんか』
亜空間を通じて、風魔法ですぐ耳元まで運ばれてきた甘ったるい声に耳を澄ます。
……この声は、ヴィダルスにしなだれかかっている、狐耳のお姉さんかな。上半身裸のヴィダルスほどじゃないけど、バインバインのおっぱいが乳首ギリギリまで見えてて露出度が高い。
ぶっちゃけ眼福ではあるけど、裸上等の獣人にあのエロさは通じんのかなあ。
『僕知ってるよー。学校で理想のエレナ姫を見つけたのに、拒絶されたんでしょう? エレナ姫と同じ、人間の留学生。ヴィダルス様の求愛を断るなんて、見る目ないよねー』
そう言って笑う少年は……ゴールデンレトリバーか? 声の印象と違って、姿はまあまあデカいな。筋肉も結構ついてそう。
『おかわいそうな、ヴィダルス様』
『貴方ほど素晴らしい御方もいないのに』
『『だって貴方は、建国の英雄アルデフィア様の【黒狼】の称号を継ぐにふさわしい御方ですもの』』
金色の髪にまだら模様がついた……チーター? 豹? ジャガー? わからないけど、その辺りの男女の双子が顔を見合わせてくすくす笑う。一見華奢に見えるけど、しなやかな筋肉がついてるから恐らく結構強いな。
こん中では多分、バインバインの狐お姉さんが一番弱い。それなのにヴィダルスに一番ベタベタしてるから……あ、なんか嫌な予感がしてきた。
『……ひどいですわ。ヴィダルス様。去年は人化した私を見て、一番エレナ姫に近いと言ってくださったのに』
ウェーブがかった金色の髪に、空のような青い瞳。
そして何よりも、女性という性別が同じという点からして、取り巻きの中では狐お姉さんが一番エレナ姫に近いのは確かだ。
……いや、人間目線では全然似てないんだけど。エレナ姫、そんなセクシー顔じゃないし。髪がまだらでストレートじゃなければ、まだ双子の女の子の方が近い気もする。にしても、そこまで似てないけど。
『ヴィダルス様。去年同様、今夜は私を寝所に招いてくださいませ。きっときっと、貴方の求愛を断った無礼な人間のことを忘れさせてさしあげます。私こそが、貴方のエレナ姫であると、証明してみせますから』
ずっとつまらなそうに取り巻きの話を聞いていたヴィダルスは、そこで初めて笑った。
『ーーお前程度が、エドワードを忘れさせられるだって?』
「……エディ、まさか気づいてないのか」
「え? 何を」
「アレ、ヴィダルスだぞ」
…………言われて見れば、クソムカつく傲慢な顔をしてて、エレナ姫みたいな金髪碧眼の男女はべらせている時点で、ヴィダルス以外の何ものでもないですね。
人化しても、全く好感度上がらないってすげーな。想像以上のイケメンではあるのに。
「……アレは鼻はそこまででもないが、無駄に勘がいい。一緒にいるところを見られたら、厄介だ。少し距離を開けて、特設ステージで合流しよう」
「そうだな。この混雑じゃ、流れに逆らって移動するのも難しそうだし。……あ、そうだ。アスティ。念の為、頭の毛を一本ちょうだい」
「構わないが。どうするんだ?」
「毛があれば、一方的にではあるけど、魔法で俺からメッセージを送れるんだ。合流ができそうになかったら、連絡する」
転移魔法では人に座標を指定することはできないけど、声くらいなら個人宛でも送ることができる。
媒体として24時間以内に分離した相手の肉体の一部が必要なうえ、一方通行だから相手の反応はわからないし、残念ながら居場所も特定はできないのだが。……やはりスマホは偉大だ。この世界でも、誰か発明してくれねーかな。
アストルディアからもらった頭の毛(髪の毛とは言いにくい)を無くさないよう亜空間に収納して、一旦ここで別れることにする。
とりあえず俺は極力歩く人の邪魔にならない道の端の物陰で待機して、アストルディアに先に行ってもらった。
……そろそろすれ違うけど、気づいてはなさそうだな。
念の為、空間魔法と風魔法を複合した奴で、ヴィダルスの会話盗聴しとくか。魔法の臭いでバレたらまずいから、消臭魔法も一緒につけて、と。
『……ヴィダルス様。どうなさいました? せっかくの建国祭なのに、ずぅっと上の空じゃありませんか』
亜空間を通じて、風魔法ですぐ耳元まで運ばれてきた甘ったるい声に耳を澄ます。
……この声は、ヴィダルスにしなだれかかっている、狐耳のお姉さんかな。上半身裸のヴィダルスほどじゃないけど、バインバインのおっぱいが乳首ギリギリまで見えてて露出度が高い。
ぶっちゃけ眼福ではあるけど、裸上等の獣人にあのエロさは通じんのかなあ。
『僕知ってるよー。学校で理想のエレナ姫を見つけたのに、拒絶されたんでしょう? エレナ姫と同じ、人間の留学生。ヴィダルス様の求愛を断るなんて、見る目ないよねー』
そう言って笑う少年は……ゴールデンレトリバーか? 声の印象と違って、姿はまあまあデカいな。筋肉も結構ついてそう。
『おかわいそうな、ヴィダルス様』
『貴方ほど素晴らしい御方もいないのに』
『『だって貴方は、建国の英雄アルデフィア様の【黒狼】の称号を継ぐにふさわしい御方ですもの』』
金色の髪にまだら模様がついた……チーター? 豹? ジャガー? わからないけど、その辺りの男女の双子が顔を見合わせてくすくす笑う。一見華奢に見えるけど、しなやかな筋肉がついてるから恐らく結構強いな。
こん中では多分、バインバインの狐お姉さんが一番弱い。それなのにヴィダルスに一番ベタベタしてるから……あ、なんか嫌な予感がしてきた。
『……ひどいですわ。ヴィダルス様。去年は人化した私を見て、一番エレナ姫に近いと言ってくださったのに』
ウェーブがかった金色の髪に、空のような青い瞳。
そして何よりも、女性という性別が同じという点からして、取り巻きの中では狐お姉さんが一番エレナ姫に近いのは確かだ。
……いや、人間目線では全然似てないんだけど。エレナ姫、そんなセクシー顔じゃないし。髪がまだらでストレートじゃなければ、まだ双子の女の子の方が近い気もする。にしても、そこまで似てないけど。
『ヴィダルス様。去年同様、今夜は私を寝所に招いてくださいませ。きっときっと、貴方の求愛を断った無礼な人間のことを忘れさせてさしあげます。私こそが、貴方のエレナ姫であると、証明してみせますから』
ずっとつまらなそうに取り巻きの話を聞いていたヴィダルスは、そこで初めて笑った。
『ーーお前程度が、エドワードを忘れさせられるだって?』
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