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渇望の墓標①
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絶対絶命の状況が、タンクの言葉で一転。より安全に城を脱出する手段を得ることができた。
この展開を引き出してくれたタンクには感謝してもしきれない……のだが、素直に感極まるには、俺の脳内のイマジナリーポンダーが「ぞいづど、どういう関係ぇなのぉー」と血涙で叫んで邪魔する。いや、そんなこと考えてる状況じゃないって、わかってはいるんですが。
「あ、でも今からニルカグル様の離宮行くなら、獣化状態じゃない方が、狭い裏道とか通れていいよね。俺ってすぐにバレないように、せっかくだから人化しとこうかな」
「……エドワード様を背負ってる時点で、あんま人化で見た目誤魔化す意味ねぇけどな。そもそもお前、予備の服あるのか? どうせまた獣化の時、破ったんだろ」
「全裸じゃ駄目です? やっぱ」
「王城を獣化なしで全裸で走り回る馬鹿が、どこにいる。特に人化状態だと、肌が柔いぞ。仕方ねぇ。借りパクされたことにするから、俺の足に括ってるポーチから予備の着替え持ってけ」
「え、くれるの?」
「貸すだけだ、アホ。洗って返せよ。生きて戻ってな」
何と言うか、ただの先輩後輩にしては近過ぎるというか……ライラスさんが、タンクに向ける目がすげー優しくて甘いんだよな。
こ、恋人同士なのか? 失恋したのか。ポンダー。
「それじゃあ行くよー。エド様」
「あ、ああ」
一度俺を降ろして人化してから、服を着替えたタンクは以前同様イケメンで、だからこそよけいに色々生々しい。ライラスさんの服が大柄なタンクよりさらに一回り回り大きくて、彼シャツ状態なのがよけいに。
タンクにおんぶされてライラスさんに一礼し、ニルカグルの離宮を目指して、手入れされていない道なき道を進みながら、思いきって尋ねてみる。
「その……タンクとライラスさんってどういう関係なんだ?」
「え、同じ部隊の先輩と後輩だけど」
「こ、恋人同士じゃないのか?」
「まっさか~。魔力相性も悪いし、ないない! ライラスさん、草食獣人なのにめちゃくちゃモテるし。後輩としてかわいがってはもらってるけど、カバの俺とどうにかなりたいとか思うわけないって」
……良かった。瀕死状態の俺のイマジナリーポンダーが、息を吹き返した。
少なくとも、タンクはライラスさんをそう言う風に思ってないみたいだな。……確実に、ライラスさんはタンクを憎からず思ってそうだが。
「そ、それに……俺、ポンダーと婚約してるようなもんだし……本当、俺を嫁にしたいなんて、物好きだよなぁ」
ポッと頬を赤くしながら、照れたように言うタンクは、人化状態なだけによけい可愛らしい。男前なのに、可愛らしい。イマジナリーポンダーが、煩悩退散する為に腹筋はじめたぞ。良かったな。今の所、お前が一番みたいだ。
「……と、こんなことを話してるうちに、目的地に到着ー! ええと、綿あめの木を探せばいいんだっけ?」
「ワタヌミスの木、な。大丈夫。ネーバ山にも生えてたから、どの木かはすぐわかる。洞があるらしいしな」
目的の木は、すぐに見つかった。
俺とタンクを探す追っ手の声が迫ってくるのを聞きながら、大柄なタンクが俺をおんぶしながら入るには狭い洞の中に、無理やり二人で押し入る。
中には、以前リシス王国王都の博物館で見たことがある、古いタイプの転移魔道具が設置されていた。
「……良かった。魔力をこっちが流さなくても、勝手に吸収してくれるタイプの魔道具だ。これなら、俺の魔力で発動できる」
前時代の魔道具は燃費が悪く、かなり魔力を吸収する為、タンクに起動させたくないと思っていたから、ちょうどいい。
ようやく役立たずの俺の魔力を活用できる。
「タンク、俺の手をそこの宝石に掲げてくれ」
「こう?」
「っ……ああ。これでいい」
一気に半分くらいの魔力を持ってかれ、一瞬目眩がした。
魔力量が多い俺でこれなのだから、この魔道具の存在を知っていたとしても、実際に起動できるものは僅かだろう。ニルカグル当人と、王族くらいか。
途端に周囲の景色が歪み、転移特有の浮遊感が発生する。
……さあて。どこに出るかな。
「ーーお墓?」
この展開を引き出してくれたタンクには感謝してもしきれない……のだが、素直に感極まるには、俺の脳内のイマジナリーポンダーが「ぞいづど、どういう関係ぇなのぉー」と血涙で叫んで邪魔する。いや、そんなこと考えてる状況じゃないって、わかってはいるんですが。
「あ、でも今からニルカグル様の離宮行くなら、獣化状態じゃない方が、狭い裏道とか通れていいよね。俺ってすぐにバレないように、せっかくだから人化しとこうかな」
「……エドワード様を背負ってる時点で、あんま人化で見た目誤魔化す意味ねぇけどな。そもそもお前、予備の服あるのか? どうせまた獣化の時、破ったんだろ」
「全裸じゃ駄目です? やっぱ」
「王城を獣化なしで全裸で走り回る馬鹿が、どこにいる。特に人化状態だと、肌が柔いぞ。仕方ねぇ。借りパクされたことにするから、俺の足に括ってるポーチから予備の着替え持ってけ」
「え、くれるの?」
「貸すだけだ、アホ。洗って返せよ。生きて戻ってな」
何と言うか、ただの先輩後輩にしては近過ぎるというか……ライラスさんが、タンクに向ける目がすげー優しくて甘いんだよな。
こ、恋人同士なのか? 失恋したのか。ポンダー。
「それじゃあ行くよー。エド様」
「あ、ああ」
一度俺を降ろして人化してから、服を着替えたタンクは以前同様イケメンで、だからこそよけいに色々生々しい。ライラスさんの服が大柄なタンクよりさらに一回り回り大きくて、彼シャツ状態なのがよけいに。
タンクにおんぶされてライラスさんに一礼し、ニルカグルの離宮を目指して、手入れされていない道なき道を進みながら、思いきって尋ねてみる。
「その……タンクとライラスさんってどういう関係なんだ?」
「え、同じ部隊の先輩と後輩だけど」
「こ、恋人同士じゃないのか?」
「まっさか~。魔力相性も悪いし、ないない! ライラスさん、草食獣人なのにめちゃくちゃモテるし。後輩としてかわいがってはもらってるけど、カバの俺とどうにかなりたいとか思うわけないって」
……良かった。瀕死状態の俺のイマジナリーポンダーが、息を吹き返した。
少なくとも、タンクはライラスさんをそう言う風に思ってないみたいだな。……確実に、ライラスさんはタンクを憎からず思ってそうだが。
「そ、それに……俺、ポンダーと婚約してるようなもんだし……本当、俺を嫁にしたいなんて、物好きだよなぁ」
ポッと頬を赤くしながら、照れたように言うタンクは、人化状態なだけによけい可愛らしい。男前なのに、可愛らしい。イマジナリーポンダーが、煩悩退散する為に腹筋はじめたぞ。良かったな。今の所、お前が一番みたいだ。
「……と、こんなことを話してるうちに、目的地に到着ー! ええと、綿あめの木を探せばいいんだっけ?」
「ワタヌミスの木、な。大丈夫。ネーバ山にも生えてたから、どの木かはすぐわかる。洞があるらしいしな」
目的の木は、すぐに見つかった。
俺とタンクを探す追っ手の声が迫ってくるのを聞きながら、大柄なタンクが俺をおんぶしながら入るには狭い洞の中に、無理やり二人で押し入る。
中には、以前リシス王国王都の博物館で見たことがある、古いタイプの転移魔道具が設置されていた。
「……良かった。魔力をこっちが流さなくても、勝手に吸収してくれるタイプの魔道具だ。これなら、俺の魔力で発動できる」
前時代の魔道具は燃費が悪く、かなり魔力を吸収する為、タンクに起動させたくないと思っていたから、ちょうどいい。
ようやく役立たずの俺の魔力を活用できる。
「タンク、俺の手をそこの宝石に掲げてくれ」
「こう?」
「っ……ああ。これでいい」
一気に半分くらいの魔力を持ってかれ、一瞬目眩がした。
魔力量が多い俺でこれなのだから、この魔道具の存在を知っていたとしても、実際に起動できるものは僅かだろう。ニルカグル当人と、王族くらいか。
途端に周囲の景色が歪み、転移特有の浮遊感が発生する。
……さあて。どこに出るかな。
「ーーお墓?」
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