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連載2
再会15
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それではだめだ。冷静に対峙することができなければ、その隙をつけ込まれる。
きっとルイス王もユーリアも、アシュリナにそうしたように、今度もまた私を偽聖女に仕立て上げるべく戦略を練っているはずだ。油断すれば、またあの日と同じ炎が私の身を焼くことになるだろう。
私はルシトリアの聖女として、常に毅然とした態度で振る舞い続けなければならない。言いがかりをつける隙も与えないくらい、完璧に。
大きく深呼吸して、目をつぶる。
目をつぶれば、瞼の裏にあの日の炎が浮かぶ。
肉が焦げる苦痛も、煤が喉につまり、熱風に肺を焼かれる痛みも、ありありと思い出せる。
けれども、私はもうアシュリナの最期の記憶に怯えたりはしない。
恐怖の記憶も理不尽に命を奪われたことへの悲しみも怒りも、全て【災厄の魔女】ユーリアを打ち倒す為の力に変えてみせる。
復讐を果たす為ではなく、大切な家族とともに「ディアナ」として生きて行くために。
兄様と共にマーナアルハの森の家族の家に帰る為に、今私は、セーヌヴェットの地にいるのだから。
御者台の方から兄様が怒鳴る声が聞こえてきた。続けてすぐ、楽しそうなシャルル王子の声も聞こえてきて、シャルル王子の言う「八つ当たり」を引き起こすことは成功できているらしい。
小さく笑って、少し仮眠を取るために目をつぶる。
そして次に目が覚めた時は、忌まわしくも懐かしいセーヌヴェットの王城が窓の向こうにそびえ立っていた。
「……あなたがルシトリアの聖女様? ずいぶんお若いのね。お会いできて嬉しいわ」
まるで妃のように、玉座の隣の席でふんぞり返っているユーリアが、歪んだ作り笑いを浮かべて私を見据える。けれどその目は、隠しきれない憎悪で燃え上がっている。
その隣ではルイス王が感情の読めない笑みを浮かべて、氷のように冷たい視線を向けていた。
アシュリナの記憶にある二人を思い出すと、二人には平等に二十年の歳月が流れているようだったが、明らかに女性としての魅力が衰えているユーリアと違い、40を超えたルイス王の姿が若い時分よりも華やかで美しくなっているのが意外だった。重ねた歳月が、より人間的な美しさを引き出すような二十年ではけしてなかっただろうに。
「……国王陛下。聖女様。お会いできて光栄です」
私が平民だという情報は既に入っているのは分かっていたが、敢えてセーヌヴェットの高位貴族の礼を取ってみせた。
案の定、ユーリアの顔は不愉快そうに歪み、その場に緊張感が走った。
きっとルイス王もユーリアも、アシュリナにそうしたように、今度もまた私を偽聖女に仕立て上げるべく戦略を練っているはずだ。油断すれば、またあの日と同じ炎が私の身を焼くことになるだろう。
私はルシトリアの聖女として、常に毅然とした態度で振る舞い続けなければならない。言いがかりをつける隙も与えないくらい、完璧に。
大きく深呼吸して、目をつぶる。
目をつぶれば、瞼の裏にあの日の炎が浮かぶ。
肉が焦げる苦痛も、煤が喉につまり、熱風に肺を焼かれる痛みも、ありありと思い出せる。
けれども、私はもうアシュリナの最期の記憶に怯えたりはしない。
恐怖の記憶も理不尽に命を奪われたことへの悲しみも怒りも、全て【災厄の魔女】ユーリアを打ち倒す為の力に変えてみせる。
復讐を果たす為ではなく、大切な家族とともに「ディアナ」として生きて行くために。
兄様と共にマーナアルハの森の家族の家に帰る為に、今私は、セーヌヴェットの地にいるのだから。
御者台の方から兄様が怒鳴る声が聞こえてきた。続けてすぐ、楽しそうなシャルル王子の声も聞こえてきて、シャルル王子の言う「八つ当たり」を引き起こすことは成功できているらしい。
小さく笑って、少し仮眠を取るために目をつぶる。
そして次に目が覚めた時は、忌まわしくも懐かしいセーヌヴェットの王城が窓の向こうにそびえ立っていた。
「……あなたがルシトリアの聖女様? ずいぶんお若いのね。お会いできて嬉しいわ」
まるで妃のように、玉座の隣の席でふんぞり返っているユーリアが、歪んだ作り笑いを浮かべて私を見据える。けれどその目は、隠しきれない憎悪で燃え上がっている。
その隣ではルイス王が感情の読めない笑みを浮かべて、氷のように冷たい視線を向けていた。
アシュリナの記憶にある二人を思い出すと、二人には平等に二十年の歳月が流れているようだったが、明らかに女性としての魅力が衰えているユーリアと違い、40を超えたルイス王の姿が若い時分よりも華やかで美しくなっているのが意外だった。重ねた歳月が、より人間的な美しさを引き出すような二十年ではけしてなかっただろうに。
「……国王陛下。聖女様。お会いできて光栄です」
私が平民だという情報は既に入っているのは分かっていたが、敢えてセーヌヴェットの高位貴族の礼を取ってみせた。
案の定、ユーリアの顔は不愉快そうに歪み、その場に緊張感が走った。
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