処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ

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連載2

対決3

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 何か兄様の手助けできるようなものはないか。携帯した護符を取り出して、必死でめくる。
 騎士同士の一騎打ちに割り込むのは、騎士道に反する無礼な行為とされているけど、こんなことはどうでもよかった。
 たとえ、世界中の人が私を批判しようと、私は兄様が助かるから何だってする。

 だって兄様は私にとって、世界で一番大切な人だから。

「……ユーリアの離宮にこれだけ近いのだから、案内された部屋同様、護符の結界効果は期待できないと思った方がいい……護符を使えるチャンスは、多分一回だけだ。不意打ちじゃなければ、きっとエイドリーには通用しない……一体どの護符を使ったら……」

 普段ほとんど使っていない効果の護符を見つけ、手を止める。

 ……これなら、エイドリーにも効くかもしれない。

 その護符だけを残して他の護符を胸元にしまい、手の中で護符を折り込んだ。



 小さい頃、兄様にやり方を教わりながら、紙を折って、色々なものを形作って遊んだことがあった。

『見てみろ。ディアナ。ワイバーンだ!』

『ワイバーン? うそだ。ぜんぜんにてないよ!』

『見かけはあんまり似てないけどな。見てろ。すぐこれがワイバーンに見えてくるから』

 そう言って兄様は、折った紙を風に乗せて飛ばした。

『すごい、とんだ! あんなにとおくまで!』

『どうだ? 本物のワイバーンみたいだろ?』

『うん! ねえ、にいさま。さっきのワイバーンのおりかたおしえて』

『ああ、いいぞ。まずはこの端を……』


「……できた」

 折ったのは、あの時と同じワイバーン。
 これなら少し離れた所にいる私でも、エイドリーに対して護符を発動させることができる。

「くっ……」

「兄様!」

「心配するな、ディアナ! かすり傷だ!」

 エイドリーの大太刀の先が擦って頬から滴り落ちた血を片手で拭いながら、兄様はエイドリーを睨めつける。

「……この世に存在すべきじゃないのは、お前の方だ。エイドリー・ノットン」

 そう言って兄様は、挑発するように笑った。

「本物の聖女と偽聖女の区別もつかないボンクラが、よくも一国の王の護衛騎士を務められるものだな!」

「黙れ。真の聖女は、ユーリア様ただ一人。それ以外は全て国を害する偽聖女だ」

「そのユーリアのせいで、一体どれだけの民が死んだ? どれだけ国が荒廃した? 何十年もルイス王に付き従い、王の傍らで全てを見ていてなお、何故あの女の正体に気付かない!?」
 
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