処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ

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連載2

対決7

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 自らの手で愛するものの命を奪ったエイドリーは、とても後悔したのかもしれない。
 主であるルイス王に絶対の忠誠を誓っているエイドリーが、生涯で唯一愛した相手。それがどんな人かはわからないけど、きっととても素敵な人だったのだろう。
 ルイス王には変わらぬ忠誠を捧げ続けながらも、その遺灰をこうしてペンダントに入れて身につけ、自らの命を引き換えにしても守るくらいに大切にし続けたのだとすると、今までのエイドリーのイメージが揺らぐ。
 ルイス王の為ならどんなことでもする、狂戦士のような人だと思っていたのに。彼は私やアシュリナが想像していたよりもずっと、人間らしい人だったのかもしれない。
 だからと言って、私が彼の死を惜しむことなんてけしてないのだけれども。
 それでも遺灰をかき抱いて事切れたエイドリーの死体を見ると、思うところはある。

「……エイドリーは死後の世界で、愛する人と再会することはできるのかな」

 アシュリナの死後から、ディアナとして物心がつくまでの間の記憶を私は持っていない。だから死後の世界がどんなものであるのか、私にはわからない。
 私がアシュリナからディアナに転生するまでの期間の短さを考えると、そもそも死後の世界自体存在しなくて、すぐに輪廻の輪に移るのかもしれない。
 けれど、もし死後の世界があるのだとしたら。エイドリーが愛した相手が、彼を待っているといいなとは少しだけ思った。
 エイドリーはアシュリナを殺した憎い敵ではあるけど、これほどまでに一途に人を愛し続けた姿を見ると、死後の幸福くらいは祈ってもいいように思えた。

「……再会できるはずがないだろ」

 兄様が吐き捨てるように言って、首を横に振る。

「エイドリーは間違いなく地獄行きだが、奴が愛した相手に罪はない。天国に行って……きっと今ごろ優しい家族のもとで幸福に暮らしているさ。死後の世界があったとしても再会できるはずがない」

 そう言って兄様は、エイドリーの体に突き刺したままだった【黎明】を引き抜いた。
 特殊な魔術がかけられている刃は、エイドリーの血や脂を吸い込んだかのように落として、鈍く光った。

「……だいたい、どれほど一途に誰かを愛していようが、相手も同じだけの想いを抱いてくれるとはかぎら……」

「っきゃあ!」

「っ!? ディアナ!!」
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