処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ

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連載2

感謝と謝罪1

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 トリアスの力で転移した時も。
 予言者の力で転移した時も。
 失神して目を覚ましたら、全然別の場所にいた。

 だから、今回もまた【人を作った神】によって、どこかに転移させられたのだろうと思って、目を覚ましたのだけど。

「……ここは?」

 目を覚ました時に私がいたのは、真っ白な何もない空間だった。

「……もしかして、ここはトリアスが作りだした亜空間みたいな場所だったり……?」

「ーー違うわ。ここは夢よ」

 不意に目の前から、私そっくりな声がした。
 驚いて声の方を見ると、白い空間から不意に一人の女の人が現れた。

「私?」

 ……違う。
 まるで鏡を見ているみたいにそっくりだけど、ところどころ違うところがある。
 年齢も、目の前の彼女の方が少し上のように見える。

「もしかしてあなたが、初代聖女なの?」

 私の問いかけに、彼女は微笑みで肯定した。

「……本当はね。前世の人格が、今の人格に話しかけることは許されてないのよ。魂が変質してしまう恐れがあるから。けれどね。夢の中でならという条件で、【人を作った神】が、少しだけあなたと話すことができる時間をくれたの」

「【人を作った神】が? 一体、何の為に?」

「わからないわ。多分、ただの気まぐれなんじゃないかしら? ……でも、ただの気まぐれだとしてもありがたい話だわ。私、ずっとあなたには謝罪とお礼をしないといけないと思っていたの」

 そう言って、初代聖女は私に向かって深々と頭を下げた。

「……私が聖女という役割を受け入れたせいで、来世のあなたまで巻き込むことになってしまってごめんなさい。それから……本当にありがとう。ディアナ。あなたが聖女の役割を立派に果たしてくれたおかげで、ようやく皆、聖女の使命から解放されることができたわ」

「皆?」

「そう。聖女を経験した皆よ。みんな、あなたにお礼を言いたがってるの」

 初代聖女がそう言った途端、何もない空間の中から次々に女の人が現れた。
 年齢も容姿も皆バラバラだったけど、不思議と初めて会った気はしない人ばかりだった。中には、以前訪れた聖堂にあった像と、よく似た女の人の姿もあった。
 現れた女の人は、皆口々に感謝の言葉を口にしては、再び白い空間に溶けるようにして消えていった。
 私はなんて言葉を返せばいいのかわからないまま、繰り返される感謝の言葉を黙って聞いていた。

「本当は皆、ゆっくりあなたと話したいのだけど、時間がないの。【人を作った神】がくれた時間は、すごくすごく短いから。だから感謝の言葉を告げる以外の時間は、みんなあの子にあげることにしたのよ。あの子が誰よりあなたと話したがっていたから」
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