快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

父親の世話になる

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父の家に着いた。時刻は22:00を過ぎたばかりだ。


外壁はオフホワイトの比較的新しい建物のマンションで、間取りは2LDKで、男の一人暮らしの割りには綺麗に片付いており、父の几帳面さがうかがえる。

「今日からお世話になります。よろしくお願いいたします」

「そんなことより飯は食ったのか?」

そう言えば、朝から何も食べてない。

「カレーが残ってるんだ。よかったら食べないか?」

「あ、はい。いただきます」

「亮輔、ここはもうお前の家なんだぞ。そんな他人行儀な話し方はよせ」

【お前の家なんだ】その言葉が暖かく、包み込むようだった。
こんな事なら、もっと少し早く会えば良かったな、と。

父は温め直したカレーをテーブルに置いた。

「美味いかどうかはわからんが、とりあえず食ってみろ」

「はい、いただきます」

父の作ったカレーは辛口で、茄子やズッキーニ、パプリカ、玉ねぎ等、たくさんの野菜が入っている。

「どうだ、肉は入ってないけど美味いだろ?」

お世辞抜きに美味かった。
朝から何も食べてないせいもあるのだが、それだけじゃない。
野菜だけのカレーがこんなに美味しかったとは。

「あの、その…」

「ん、何だ?言いたい事があったらはっきり言いなさい」

「あ、…学費は自分がバイトして出します…それと、家事も自分がやりますので、これからよろしくお願いいたします」

そう言って頭を下げた。


父はテーブルの向かいで、スコッチを飲んでいる。

「何バカな事言ってんだ。お前はオレの息子だぞ!学費の事は私に任せろ。お前は余計な心配するな」

頼もしい父だ。オレは感謝しかない。

「あ、ありがとうございます!それともう一つなんですが…」

「ん?何だ?」

「今持ってるスマホは母の名義でもう使うことはないと思います。だから新たに父さん名義でスマホを持ちたいのですが」

このスマホは処分したい。

「うーん、そうか。よしわかった!今度の休みにショップで新しいのを買おう」

「ありがとうございます」


ここなら、楽しい高校生活を送れそうだ。


「この部屋を使ってくれ。この前まで達也が使ってたが、悪くはないだろ」

アニキの部屋か。
中に入ってみた。

ほのかに柑橘系の香りが漂う。

窓際にはベッド、壁にはギターとサーフィンの板が立て掛けてあり、エスニック風の雑貨物が所狭しと置いてあるが、乱雑には見えない。


枕元の本棚にはマンガの単行本でビッシリと埋め尽くされていた。

今日からここがオレの部屋になるのか。
しかもアニキの名残りがある部屋…
アニキはどんな人なんだろうか。


会ってみたいな…



フカフカの心地よいベッドに寝転がり、いつの間にか寝てしまった。
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