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忌まわしき過去
出生の秘密
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休日、父と一緒にショップで新しいスマホを購入した。
「ありがとうございます。この連絡先は母に教えるつもりはありません。」
「そうだな、教えたらまた元の生活に戻ってしまうかもしれないからな」
オレにとって父は救世主のような存在だった。
母親の淫らな行為に付き合わされて、暗く沈んでいたオレに手を差しのべてくれた恩人だ。
母は父に何度も連絡し、亮輔を返してほしいと言ってるらしいが、冗談じゃない!
あんな所へは二度と戻らない。
父もそれに応じるつもりは無い。
「しつこいっ!亮輔は私が預かる。お前なんかに会わせるつもりは無い!」
父が電話口で一喝していたのを横で聞いていた。
それにしてもしつこい。
数日後、入学式を迎えた。式には父が来てくれて嬉しかった。
その夜、父から出生の秘密を聞かされた。
母は父と同じ会社に勤務し、秘書をやっていた。
そして父と付き合い、結婚した。
翌年に兄の達也が誕生した。
母はしばらくの間、子育てに専念していたが、結婚前から社長の秘書兼愛人という関係は続いていたらしい。
勿論父には内緒で。
兄が3才の時、母はオレを身ごもった。
父は兄の子育てが忙しいと思い、夫婦生活を遠慮していた。
それなのに母は妊娠した。
父は誰の子供なのか、と問い詰めた。
母は口を割らなかったが、相手は社長だという事が解った。
それを知った父は兄を引き連れ家を出ていった。
母は社長には内緒でオレを生んだ。
だが、生まれたばかりのオレを預けるところも無く、一人でオレを育てたが、生活が苦しくなり、夜間の託児所にオレを預けて水商売へ身を投じた。
オレのホントの父親である社長は母親の居場所を見つけ出し、影で母親の援助をしていた。
社長は子宝に恵まれず、妻にも先立たれた。
その社長も数年後にガンでこの世を去った。
社長の遺産を受け継いだ母は商売の才能があったのか、スナックやバーを何店舗も経営する程までになったという事だ。
父は興信所に依頼して調査したと言う。
オレが幼い頃、男を取っ替え引っ替えアパートに連れ込んだのは、社長は高齢で男としての機能がダメになり、性欲の強い母は店の客と情事に耽っていたんだろうな、と今にして思えば合点がいく。
「お前も高校生になったからこれだけは伝えておこうと思ってな。この話を聞くのは辛いと思うが、これがお前の生まれてきた経緯なんだ」
父もこの事を話すのを躊躇ったが、いずれは話す時が来るという事で、オレが高校生になったのを機に話してくれた。
オレは驚く事も無く、あのオンナならばやりかねないと思っていた。
そんな事よりも、今日からオレは高校生になった。
これからは楽しい高校生活が待っている、とウキウキしていた。
「ありがとうございます。この連絡先は母に教えるつもりはありません。」
「そうだな、教えたらまた元の生活に戻ってしまうかもしれないからな」
オレにとって父は救世主のような存在だった。
母親の淫らな行為に付き合わされて、暗く沈んでいたオレに手を差しのべてくれた恩人だ。
母は父に何度も連絡し、亮輔を返してほしいと言ってるらしいが、冗談じゃない!
あんな所へは二度と戻らない。
父もそれに応じるつもりは無い。
「しつこいっ!亮輔は私が預かる。お前なんかに会わせるつもりは無い!」
父が電話口で一喝していたのを横で聞いていた。
それにしてもしつこい。
数日後、入学式を迎えた。式には父が来てくれて嬉しかった。
その夜、父から出生の秘密を聞かされた。
母は父と同じ会社に勤務し、秘書をやっていた。
そして父と付き合い、結婚した。
翌年に兄の達也が誕生した。
母はしばらくの間、子育てに専念していたが、結婚前から社長の秘書兼愛人という関係は続いていたらしい。
勿論父には内緒で。
兄が3才の時、母はオレを身ごもった。
父は兄の子育てが忙しいと思い、夫婦生活を遠慮していた。
それなのに母は妊娠した。
父は誰の子供なのか、と問い詰めた。
母は口を割らなかったが、相手は社長だという事が解った。
それを知った父は兄を引き連れ家を出ていった。
母は社長には内緒でオレを生んだ。
だが、生まれたばかりのオレを預けるところも無く、一人でオレを育てたが、生活が苦しくなり、夜間の託児所にオレを預けて水商売へ身を投じた。
オレのホントの父親である社長は母親の居場所を見つけ出し、影で母親の援助をしていた。
社長は子宝に恵まれず、妻にも先立たれた。
その社長も数年後にガンでこの世を去った。
社長の遺産を受け継いだ母は商売の才能があったのか、スナックやバーを何店舗も経営する程までになったという事だ。
父は興信所に依頼して調査したと言う。
オレが幼い頃、男を取っ替え引っ替えアパートに連れ込んだのは、社長は高齢で男としての機能がダメになり、性欲の強い母は店の客と情事に耽っていたんだろうな、と今にして思えば合点がいく。
「お前も高校生になったからこれだけは伝えておこうと思ってな。この話を聞くのは辛いと思うが、これがお前の生まれてきた経緯なんだ」
父もこの事を話すのを躊躇ったが、いずれは話す時が来るという事で、オレが高校生になったのを機に話してくれた。
オレは驚く事も無く、あのオンナならばやりかねないと思っていた。
そんな事よりも、今日からオレは高校生になった。
これからは楽しい高校生活が待っている、とウキウキしていた。
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