快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

兄の策略

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兄はその後も何度か家を訪ね、母も交えて三人で食事をして親睦を深めた。
オレも兄の家を訪ね、色んな話をした。

兄の住まいは、新築のワンルームマンションで、オーナーは母だという事を後から聞かされた。

母はクラブやバー経営の利益で土地を購入し、マンションを建てたという。



そしてオレは相変わらず、退屈な毎日を過ごしていた。
SNSで何度も話し合える仲間を探したが、中々相手が見つからない。



兄にどうやったら友達が出来るのか、という悩みを打ち明けた。

「そう焦るな、仲間ってのは自然と出来るようになるんだ。お前にもきっといい友人が見つかるって」

兄はオレを時には励ましたり、諭すような口調で色々とオレの愚痴を聞いてくれた。
兄は頼り甲斐があって優しいオレの理解者だった。

オレと違って、社交的で色々な場所へ連れてってくれた。


そんなある日、テレビを観ていると兄から連絡がきた。
オレに会わせたい人がいるらしく、今から来ないか?と言われ、兄の家へ向かった。

玄関のドアが開くと、満面の笑みを浮かべた兄がオレを招き入れた。

部屋には兄と同じようなチャラい格好のイケメンがソファーに座っていた。

「紹介するよ、大学の友達で小島。で、コイツは弟の亮輔だ、ヨロシクな」


「小島です、ヨロシク」男は爽やかに挨拶した。

「はじめまして、弟の亮輔です。兄がいつもお世話になってます」

兄の友達か。いいなぁ、友達がいて。
兄が羨ましい。


「亮輔、小島は色々と遊びを知ってるんだ。お前の事を話したら、是非会ってみたいというから連絡したんだよ」

「亮輔くん、オレでよければ色々と遊びに連れてってあげるよ」

そんな事を言う人は今まで一人もいなかった。

ようやく仲間が出来るかもしれない、そんな気分で心が踊っていた。

「じゃあ、早速出掛けようぜ」

兄が運転する中古のワゴン車に乗って出掛けた。
何処へ行くんだろう。
しかも車で出掛けるなんて、ワクワクしてきた。

「小島、ボーリングやろうぜ!」

「いいねぇ、行こう行こう」


兄の提案でボーリングをやる事になった。

ボーリングなんてほとんどやった事がないけど…

「亮輔くん、スコアはどのくらい?」

小島が助手席から後ろを振り向いた。

「えーっと、あんまりやったことないんで、100いくかどうかです…」

「そうか、じゃあ今日はストライクの取り方を教えるよ」

「あ、はい」

気さくな人だな。もしかしたら仲良くなれるかも、オレはウキウキした。

「小島はボーリングがスゲー上手いんだぜ。お前も教えてもらえよ、絶対上達するよ」

車で30分程の場所にアミューズメントパークはあった。


広大な敷地内にボーリング場の他に、バスケのコートやカート場、カラオケボックスにバッティングセンターにゲームセンターと多目的に遊べる施設だ。


ボーリング場は平日の昼間にも関わらず、多くの人で賑わっていた。


小島はオレと同じ左利きで、ボールの起動がピンの手前で急激に曲がり、ストライクを連発した。

「スゴい!どうやったら、あんなに曲がるんだろう?」

オレは驚くばかりだ。

対照的に兄は速いボールを投げ、一直線にピンをなぎ倒す。

小島ほどでは無いが、ストライクやスペアを連発した。

「ヤバいな、オレだけストライクを出てないよ」

オレの投げるボールは狙ったコースから逸れてガーターになってしまう。

「亮輔、お前投げ方おかしいんじゃないのか?」

「えっ?」

投げ方って言われても、オレには分からない。

オレだけ下手くそで恥ずかしいな…


「亮輔くん、真ん中よりちょい左で転がす様に投げてみてごらん」

転がすようにか…言われた通り少し左寄りに立ち、転がすように投げた。

ボールの軌道は逸れる事無く、バコーン!という音を立て、全てのピンを倒した。

「やった!ストライクだっ!」

初めてストライクを取れた。

「ほら、こうやって投げるとストライクになるんだよ」

ホントだ。

「亮輔やったな!」

兄と笑顔でハイタッチをした。

何かいいな、こういう雰囲気。
仲間と遊ぶのがこんなにも楽しいなんて…

自然と笑顔になる。

ストライクを取れた事よりも、兄と小島が喜んでくれたのが嬉しかった。


小島が教えてくれたせいか、スコアは初めて100を越えた。

その後はカラオケボックスで歌い、あっという間に楽しい時間は過ぎた。

小島を家の近くまで送って、別れ際に連絡先を交換した。

帰りの車の中、兄は「アイツどうだった?」
と聞いてきた。

「スゴく良い人だし、また一緒に遊びたいよ」

初めて友達が出来て、オレはサイコーの気分だった。


その後も兄はオレを誘って、小島と三人で遊ぶ機会が増えた。

オレの嬉しそうな様子を見て、母も満足していた。

友達が出来たせいか、セックスの内容がより一層濃厚になったと、母は喜んでいた。





そして母は兄を仕事に連れて行く機会が多くなった。

母に付いて、関係者にこの子が将来、跡を継ぐのでよろしくお願いします、と挨拶回りをした。

その為には今のうちに仕事を覚えて欲しいと言われ、母の会社でバイトを始めた。

一方のオレは小島という友人を得て楽しく過ごしている。

年上で、兄と同じ社交的な小島は、オレを色々な場所に連れてってくれ、その都度、大学の仲間を紹介してもらい、人と接する機会が増えてきた。

そのせいか、毎日が楽しい。

次第に夜の繁華街へと繰り出し、昼夜逆転する生活を送り、母とはスレ違いになる事が多かった。

その隙に兄は母と一緒にいる合間を縫って、鴨志田のいる店へ足繁く通い、会社を乗っ取る話を持ちかけていた。
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