快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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忌まわしき過去

真相

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鴨志田という、実の母親を失うと同時に生活も苦しくなってきた。

ファストフード店のバイトだけでは食っていけない為、やむ無く辞めた。

定時制高校も辞めようと考えたが、せめて高校だけは出て欲しいという、鴨志田との約束を思いだし、続ける事にした。

亮輔は再び職探しをする日を送った。

なるべく、賃金の高い所を探したが、肉体労働ぐらいしかない。

しかし、選り好みしている場合ではない。

以前、アテもなくフラフラと歩いていた際に見掛けた舗装工事の募集の貼り紙の事を思いだし、電話をかけてみた。

翌日、亮輔は履歴書を持参し、事務所へ訪問した。

面接の相手は社長で、いかにも土建屋という、短髪に強面のガッチリとした中年の男だ。

社長は履歴書を見て、定時制高校に通っているという事が引っ掛かった。

仕事内容は、都内近郊の現場で舗装工事をするが、工期が間に合わない場合は残業もあるという。

「定時制高校ってのがなぁ。ウチは年齢や学歴は問わないけど、たまには遠い現場もあるんだ。そうなったら学校には通えないだろう。
まぁ、学校辞めてウチで働くっていうなら雇ってもいいんだが、これじゃあ難しいな」

「学校は何としてでも卒業したいんです。母との約束でもありますから」

亮輔は鴨志田の事を母と呼んだ。

せめて、亡くなる前に母と呼びたかった。

「そうか、オフクロさんとの約束か。まぁ、仕方ないな。じゃ、いつからここに来れるんだ?」

とりあえず雇ってみよう、社長は思った。まだ15才だが、ギラギラとした目付きに何かを感じたのだろう。
ヤル気も感じられた。

「明日からでもお願いします!」

亮輔は力強く答えた。

「よし、じゃあ明日から来い!言っとくが、仕事はかなりキツいぞ!それでもいいのか?」

「はいっ!大丈夫です」

「よし、じゃあ明日から頑張れよ!」

社長は亮輔の肩をバンと叩いて笑みを浮かべた。

これで仕事は決まった。
とにかく今は生活していく事だけを考えよう。

そしていつか、達也に復讐してやる。
亮輔を目標は兄を地獄に落とす事、ただそれだけだ。



一方、達也は邪魔者の鴨志田を消し、ますます勢いに乗る。

達也の大胆かつ巧妙な手腕で、会社は千尋が経営していた時よりも、更に拡大していった。

同時に、達也の態度にも変化が表れた。
今までは沢渡をはじめとする役員に対し、物腰の柔らかい好青年だったが、徐々に本性を表し、傲慢な態度で、役員連中を叱責し、誰も逆らう者はいなくなる程で、副社長である沢渡の意見にも耳を貸さず、ワンマンな経営者に変わっていった。

ほとんどの社員が達也より年上だが、お構い無しに怒鳴り散らし、物を投げつけ、ヤル気が無いと判断したら、即刻解雇にする。

あまりの酷さに、労働基準監督署や、弁護士の事務所に駆け込み、パワハラを訴える社員もいたが、裏工作で揉み消され、泣き寝入りをするだけしかなかった。



鴨志田は達也に利用されるだけ利用され、用済みとなって消された。

達也の手段は、売上の芳しくないキャバクラをソープに変え、鴨志田を送り込んだ。
全ての儲けは鴨志田が手にするという謳い文句で、店を任せた。

キャバクラ激戦区と言われた場所にソープランドが出来たとなれば、今までキャバクラに行ってた客はソープへ足を運ぶ。


鴨志田に任せた店は成功するだろうと思っていた。
案の定、人気店として雑誌にも取り上げられる程の店となったのを機に、達也は裏で、嫌がらせや難癖をつける客を送り込み、ネット掲示板では、あの店の評判の悪さを何度も書き込み、その影響からか、瞬く間に最悪な店という評判になり、人気ナンバーワンのソープ嬢を他のソープ店へ引き抜き工作を行う。

契約書の内容も、鴨志田が何度も目を通して、トラップが無いかどうかを確認してからサインしたが、鴨志田が分からないように、ある項目だけ二枚重ねになっており、その部分をめくると、別の項目が記載されているという、見た目には分からないような細工を施した。

極めつけは、鴨志田が運転する車のブレーキオイルが漏れるようにし、その事を知らぬ鴨志田は車を運転し、ブレーキが効かずにトラックと正面衝突して車は大破、鴨志田は非業の死を遂げた。


多額の借金を抱えた鴨志田は当初、自殺の疑いもあったが、遺書も見つかっておらず、調査の結果、自殺の可能性は少なく、事故死として処理された。

これで達也の邪魔をする者がいなくなり、全ての資産を独り占め出来るようになった。
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