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レンタルボーイ、金持ちの玩具
大物有名司会者
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「瓜田くん、彼を送ってあげてちょうだい」
「はい、かしこまりました」
何処へ連れていかれるのだろうか?
「ちょっと待ってください」
行く前にオレはどうしても連絡しなきゃならない所がある。
「どうしたの?まさか怖じ気づいたワケじゃないでしょうね?」
オーナーは妖しげな視線を向けた。
この目付き、正しく母だ。
顔も少し似てるし、まさか親戚とかじゃないよな?
「いえ、今まで勤めていた会社に連絡するんです。この仕事をするからには、今勤めてる所を辞めなきゃならないので。
だから連絡だけしてもいいですか?」
「あら、そんなの無視しておけばいいのに」
「そうはいかないです。周りの人達は良い人ばかりでお世話になったんですから、せめて連絡だけでもしたいんです、いいですか?」
「若いのにちゃんとシッカリしてるのね。フフッいいわ、連絡してあげなさい」
「はい、すいません」
オレはあの会社に骨を埋めるつもりで働いていたが、それも叶わなくなった。
皆、良い人達ばかりで、オレは目をかけてもらった。
そんな人達を裏切るような形で辞めるのはオレにとってはかなり辛い。
だが、これも母の治療費の為だ、仕方ない。
オレは会社に連絡した。
「もしもし、古賀です。あの…急に申し訳ありませんが、辞めさせてください。ホントにお世話なって大変有り難かったのですが…
はい、すいません。どうしても金が必要なんです…
そうです、母の治療費です。
今の仕事じゃとても払えないし、生活出来ないので…
ホントにすいませんでした。
はい、…お世話になりました…
では、失礼します」
寂しそうな社長の声だった。
こんな形で仕事を辞めるなんて…
何でいつもこうなるんだ。
オレは呪われているのか。
だが、あの会社には申し訳ないが、治療費を捻出するにはこれしかなかった。
「終わりました」
「貴方、中々律儀な子ね。益々気に入ったわ。じゃ瓜田くん、後は頼んだわよ」
「はい、お任せください」
「亮輔くん」
「はい…」
「頑張ってね。どんな事があっても一週間、お客様の側にいるのよ、いい?」
「はい…」
すると、オーナーはキスをしてきた。
突然の事なので、些か面食らった。
柔らかい唇だった…やっぱり母親と一緒だ。
「いい、必ず一日一回は連絡するのよ」
「はい、分かりました…」
「では行きましょう。オーナー、言って参ります」
瓜田は頭を下げて、一緒に部屋を出た。
これがオレの初仕事か。
どんな相手なんだろう。
マンションの地下は駐車場になっており、黒の国産高級車の後部座席に座った。
瓜田という男はオレたちレンタル商品を送迎する役目なのだろうか。
車内では瓜田が何一つ言わず、ハンドルを握っている。
嫌な沈黙だ。
この沈黙に耐えきれず、オレは瓜田に声をかけた。
「あの、相手というのはどんな人なんですか?」
オレはどんな人物と一緒に暮らすのか全く聞いていなかった。
瓜田はバックミラー越しにオレの顔を見ながら、相変わらず爽やかな笑顔を浮かべている。
「申し訳ありません、お客様とお会いするまでは一切の情報をお教えする事は出来ませんので、どうかご了承ください」
オーナーのいない時にこっそり教えてくれてもいいじゃないかと思ったんだが…
ますます不安になる。
どんな相手なのだろうか。
大企業の社長婦人とか、そういう類いのオバチャンなのだろう。「」
いや、もしかしたらお婆ちゃんぐらいの年齢かもしれない。
いずれにせよ、若い女ではないという事は覚悟しておくしかない。
車は30分程の距離にある、大きな建物の地下駐車場に入り、指定の車庫に車を停めた。
瓜田は腕時計を見て、ドアから降りた。
「亮輔さん、もうすぐお客様が来る予定です」
「あの、ここは一体何処ですか?」
場所ぐらいは教えてもいいだろう。
「テレビ局の地下駐車場です。ここでお客様と待ち合わせになっていますので、もう少しお待ちください」
テレビ局?それじゃ、芸能人相手なのか?
少しワクワクした。
芸能界には全く興味はないが、相手が芸能人となると話は別だ。
女優なのか、アイドルなのか、もしかして女子アナって線もあるかもな。
「あ、来ましたよ」
オレは後部座席から身を乗りだし、どんな相手なのか前を見た。
しかし、歩いているのは男性で、相手の女性は姿を現さない。
「どこにいるんですか?」
オレは瓜田に何処に客がいるのか聞いてみた。
「あの前から歩いてくる男性です」
「えっ?」
思わず声を上げた。
男…?相手は男なのか?
その男は車に近づくと、瓜田は後ろのドアを開けた。
「あっ!」
相手の男は、大物有名司会者で、テレビに出ない日は無いという程の知名度がダントツで、好感度ランキングでも常に上位になる程の有名人だ。
まさかこの人がオレの客…?
頭の中が真っ白になった。
ゲイ…?
この二文字が頭をよぎった…
「はい、かしこまりました」
何処へ連れていかれるのだろうか?
「ちょっと待ってください」
行く前にオレはどうしても連絡しなきゃならない所がある。
「どうしたの?まさか怖じ気づいたワケじゃないでしょうね?」
オーナーは妖しげな視線を向けた。
この目付き、正しく母だ。
顔も少し似てるし、まさか親戚とかじゃないよな?
「いえ、今まで勤めていた会社に連絡するんです。この仕事をするからには、今勤めてる所を辞めなきゃならないので。
だから連絡だけしてもいいですか?」
「あら、そんなの無視しておけばいいのに」
「そうはいかないです。周りの人達は良い人ばかりでお世話になったんですから、せめて連絡だけでもしたいんです、いいですか?」
「若いのにちゃんとシッカリしてるのね。フフッいいわ、連絡してあげなさい」
「はい、すいません」
オレはあの会社に骨を埋めるつもりで働いていたが、それも叶わなくなった。
皆、良い人達ばかりで、オレは目をかけてもらった。
そんな人達を裏切るような形で辞めるのはオレにとってはかなり辛い。
だが、これも母の治療費の為だ、仕方ない。
オレは会社に連絡した。
「もしもし、古賀です。あの…急に申し訳ありませんが、辞めさせてください。ホントにお世話なって大変有り難かったのですが…
はい、すいません。どうしても金が必要なんです…
そうです、母の治療費です。
今の仕事じゃとても払えないし、生活出来ないので…
ホントにすいませんでした。
はい、…お世話になりました…
では、失礼します」
寂しそうな社長の声だった。
こんな形で仕事を辞めるなんて…
何でいつもこうなるんだ。
オレは呪われているのか。
だが、あの会社には申し訳ないが、治療費を捻出するにはこれしかなかった。
「終わりました」
「貴方、中々律儀な子ね。益々気に入ったわ。じゃ瓜田くん、後は頼んだわよ」
「はい、お任せください」
「亮輔くん」
「はい…」
「頑張ってね。どんな事があっても一週間、お客様の側にいるのよ、いい?」
「はい…」
すると、オーナーはキスをしてきた。
突然の事なので、些か面食らった。
柔らかい唇だった…やっぱり母親と一緒だ。
「いい、必ず一日一回は連絡するのよ」
「はい、分かりました…」
「では行きましょう。オーナー、言って参ります」
瓜田は頭を下げて、一緒に部屋を出た。
これがオレの初仕事か。
どんな相手なんだろう。
マンションの地下は駐車場になっており、黒の国産高級車の後部座席に座った。
瓜田という男はオレたちレンタル商品を送迎する役目なのだろうか。
車内では瓜田が何一つ言わず、ハンドルを握っている。
嫌な沈黙だ。
この沈黙に耐えきれず、オレは瓜田に声をかけた。
「あの、相手というのはどんな人なんですか?」
オレはどんな人物と一緒に暮らすのか全く聞いていなかった。
瓜田はバックミラー越しにオレの顔を見ながら、相変わらず爽やかな笑顔を浮かべている。
「申し訳ありません、お客様とお会いするまでは一切の情報をお教えする事は出来ませんので、どうかご了承ください」
オーナーのいない時にこっそり教えてくれてもいいじゃないかと思ったんだが…
ますます不安になる。
どんな相手なのだろうか。
大企業の社長婦人とか、そういう類いのオバチャンなのだろう。「」
いや、もしかしたらお婆ちゃんぐらいの年齢かもしれない。
いずれにせよ、若い女ではないという事は覚悟しておくしかない。
車は30分程の距離にある、大きな建物の地下駐車場に入り、指定の車庫に車を停めた。
瓜田は腕時計を見て、ドアから降りた。
「亮輔さん、もうすぐお客様が来る予定です」
「あの、ここは一体何処ですか?」
場所ぐらいは教えてもいいだろう。
「テレビ局の地下駐車場です。ここでお客様と待ち合わせになっていますので、もう少しお待ちください」
テレビ局?それじゃ、芸能人相手なのか?
少しワクワクした。
芸能界には全く興味はないが、相手が芸能人となると話は別だ。
女優なのか、アイドルなのか、もしかして女子アナって線もあるかもな。
「あ、来ましたよ」
オレは後部座席から身を乗りだし、どんな相手なのか前を見た。
しかし、歩いているのは男性で、相手の女性は姿を現さない。
「どこにいるんですか?」
オレは瓜田に何処に客がいるのか聞いてみた。
「あの前から歩いてくる男性です」
「えっ?」
思わず声を上げた。
男…?相手は男なのか?
その男は車に近づくと、瓜田は後ろのドアを開けた。
「あっ!」
相手の男は、大物有名司会者で、テレビに出ない日は無いという程の知名度がダントツで、好感度ランキングでも常に上位になる程の有名人だ。
まさかこの人がオレの客…?
頭の中が真っ白になった。
ゲイ…?
この二文字が頭をよぎった…
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