快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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流浪の如く

いきなりマンションかよ?

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昨日は早く帰れたのに、今日は渋滞もあってか、少し遅くなった。

帰りにコンビニに寄ろうとして財布の中を見たら2500円しか無かった…
アイツは、いつになったら金出すつもりだ?

コンビニは止めて、スーパーで味噌と玉子と豆腐を買った。

卵焼きと豆腐の味噌汁で何とか給料日までしのいでいくしかない。

しかし、思った程給料も貰えない。
生活はギリギリだし、夜の仕事でもやろうか…
日給も良いし。

給料日まで逆算して、一日に使える金は約300円…

今更悔やんでもどうしようもないのだが、十代の頃、大金を手にした事があったが、何故貯金しなかったのだろうか。


そんな事を思い、トボトボと歩き家に着き、米を研いだ。

するとナツから電話がかかってきた。

「はい」

【あ、こんばんは。さっきはゴメンね仕事中に】

「んー、まぁ大丈夫だけど、何かあったのか?何度も電話してくるってのは」

【古賀くんてLINEやらないの?】

そんな相手なんかいない。

「LINE?やんないよ、やる相手もいないし」

【ねぇ、今度からLINEで連絡しようよ】

「…考えとくよ。で、用件は何?」

【私の思い過ごしならいいんだけど、古賀くんて、何か私と同じような目をしてるんだよね。もしかして、過去にイヤな出来事とか無かった?】

…ナツはそれに気づいていたのか。

「目?目がどうしたって?」

【…うーん、電話じゃ何だし、今度の休みに時間とれないかな?】

「とれないかなって、仕事は?夜からだろ?」

【ちょっと今、休みもらってるから大丈夫】

「休み?」

【そう。私、昼間も仕事してるから】

掛け持ちで仕事してんかよ。
でも、店じゃ常に上位にランクインしてる程の指名でも食っていけないだろうか?
それとも、借金でもしてるんだろうか。

「構わないけど、そんなに働いて、寝る時間あるのかよ?」

【うん、今、夜の方はお休みしてるから大丈夫】

「オレ、週末じゃないと…あっ」

そうだ!今月は残り2500円しか無いんだ…

【えっ、どうしたの?】

「いや、やっぱ無理だ」

【えぇ、何で何で~?】

まさか残金2500円なんて、恥ずかしくて言えないよな…

「とにかくちょっと無理だな。来月なら大丈夫そうだけど」

【古賀くん、お金無いからでしょ?】

…何故、それを知ってる?

【お金の事なら心配しないで。私がご馳走するから】

女に恵んでもらうのかよ…

「いいって、そんな事しなくて」

【いいの!っていうか、どうしても話したい事があるから】

「だったら、今話せばいいじゃん」

【違うの、会って話をしたいの】

どうする?金無いし、しかも女から奢ってもらえるって。

【じゃ、こうしよっ。今回は私が払うから次は古賀くんが払って。それならいいでしょ?】

次って、何だ?…次も会うつもりでいるのか?

「じゃあ、ファミレスのドリンクコーナーにしよう。それなら割り勘できるし」

【いいってば、古賀くんを誘うから、私が払うの】

「…」

【ねっ、いいでしょ?】

何の話か知らないが、所詮はコイツの気まぐれだろうな。

仕方ない。

「わかった。じゃ、待ち合わせ場所はファミレスにしよう」

【…いや、ちょっと人のいる所は…】

何なんだ、一体?

「なら、何処がいいんだよ?」

【…】

まさか、ラブホとか言うんじゃないだろうな?

【古賀くんの家じゃダメ?】

無理だな。なんせ、あのバカが寝てるし、おちおち話も出来ない。

「そりゃ、絶対に無理!」

【えぇ、じゃあとにかく個室になるような場所じゃないと】

…ラブホしかねえじゃねえか!

「分かったよ、場所は任せるよ」

【じゃあ週末の午後に会おう】

「…はい」

というワケで、ナツと会う事になったのだが…

待ち合わせ場所に、ナツはキャバクラの時とは違って、ナチュラルメイクに地味な服装という格好で現れた。

「古賀くん」

「ほい」

「…私のマンションに行かない?」

「いきなりかよ?」

…ナツのマンションに行く事になった。
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