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第2章
第160話 父達の苦行
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取り敢えず、別の場所に移動し話をする。
と言っても黒服さん達の詰め所だ。
校舎の屋上に作られているんだ。
元々増築をする為に4階建てを3階で建てたような作りで、まだ未完成扱いだった。
増築用の場所も、本来の姿なっただけだった。
何かの法に触れるのだけど、ラビリンス特別法というのがあり、斜線規制とか、諸々の建築基準法とは別の法に縛られ、それに則り作られていた。
3階というのは、当時の予算ではオーバーするも、将来に備える設計だった。
元の屋上は、3階と4階層の間のスラブとなる。
実は全国にあるラビリンス関連の学校は皆同じような作りで、モジュールを運んできて数日で作り上げたのが、黒服さん達が使う4階。
ギルドの本部施設を兼ねていた。
ギルドは数棟分のモジュールを持っており、緊急時に備えていた。
そして明日香さんから、あのレジスタンスの者達は0番隊を中心に組織され、地球から来てしまったり囚われていた者達だった。
エルフ達から逃げ出した者、囚われている者の情報を得て救出した者様々だった。
緊急でラビリンスを消した後、校庭に残っていたのは総勢59名だった。
中には元々戦えない者もいて、自衛隊員達がサバイバル技術を教えたり、戦い方を教えてきた。
それでもどうにもならない者は、後方支援をする者として、中には荷物持ちとか、衛生兵となったりと何かしらの役目を担っていた。
父さん達は、エルフがスタンピードを発生させる為の術に巻き込まれたようだ。
そのラビリンスに入っていた者達は、エルフの世界に突然いたそうだ。
瞬きをした次の瞬間景色が変わっていたと。
元々ラビリンスに異変が発生し、調査の為に300名ほどが入っていたそうだ。
向こうで戦闘になり、数が多過ぎてどうにもならず、半数以上が犠牲となり1点突破で何とか囲いを突破した。
その後は小隊単位で散り散りになって逃げたそうだ。
その後、敵の追撃から逃れつつ、仲間と合流した。
敵は気絶した者や怪我をした者を捕まえると、殺さずに何処かに連れて行ったそうだ。
その後何度か一般市民が捕まる様を見たそうだ。
スタンピードが発生した後、行方不明になる者が毎度いたのだが、人を捕らえて連れ帰るためだったようだ。
追跡し、収容所を見つけたりもし、幾度となく襲撃して救い出したのだそうだ。
数千人いたはずだが、過酷なサバイバル生活や医薬品のない中、病気が蔓延し、一般人の殆どは病で亡くなったそうだ。
自衛隊員もそうで、死亡者が出なかったのは0号隊のみだった。
そんな中、最先任士官だった捜索を指揮した大尉が亡くなり、その後に残された先任士官は同列の小隊長達がけだった。
必然的に小隊の番号が小さい隊に先任権があるものとされ、以降10年以上父が率いてきたそうだ。
そこからは助け出した一般人も訓練をし、潜伏先を探した。
また、斥候が得意な者がラビリンスについて調査し、今回の爆弾転移の情報を掴み、生き残った全員を率いたのが59人だった。
自衛隊員51人、一般人8人だ。
彼らの戦闘スタイルは誰かの為に自己犠牲になるなだった。
怪我をしたら見捨てる、動けない者は隠れ潜み、運よく発見されない事を祈るか、仲間のために殿として命を投げるかだった。
今、隊員が何をしているかと言うと、亡くなった方の名簿作りだ。
名前と生年月日だ。
これだけを手分けして記憶にとどめてきた。
紙やペンはない。
元々はあったが、捕らえられたり、逃走中に無くなったからだ。
ただ、半数も覚えてはいないだろうが、それでも行方不明者がエルフの世界に連れて行かれたのだと分かるだけでも、遺族の心情はかなり違う。
父と母の感動の再会の間、明日香さんが聞いた話を教えてもらっていた。
と言っても黒服さん達の詰め所だ。
校舎の屋上に作られているんだ。
元々増築をする為に4階建てを3階で建てたような作りで、まだ未完成扱いだった。
増築用の場所も、本来の姿なっただけだった。
何かの法に触れるのだけど、ラビリンス特別法というのがあり、斜線規制とか、諸々の建築基準法とは別の法に縛られ、それに則り作られていた。
3階というのは、当時の予算ではオーバーするも、将来に備える設計だった。
元の屋上は、3階と4階層の間のスラブとなる。
実は全国にあるラビリンス関連の学校は皆同じような作りで、モジュールを運んできて数日で作り上げたのが、黒服さん達が使う4階。
ギルドの本部施設を兼ねていた。
ギルドは数棟分のモジュールを持っており、緊急時に備えていた。
そして明日香さんから、あのレジスタンスの者達は0番隊を中心に組織され、地球から来てしまったり囚われていた者達だった。
エルフ達から逃げ出した者、囚われている者の情報を得て救出した者様々だった。
緊急でラビリンスを消した後、校庭に残っていたのは総勢59名だった。
中には元々戦えない者もいて、自衛隊員達がサバイバル技術を教えたり、戦い方を教えてきた。
それでもどうにもならない者は、後方支援をする者として、中には荷物持ちとか、衛生兵となったりと何かしらの役目を担っていた。
父さん達は、エルフがスタンピードを発生させる為の術に巻き込まれたようだ。
そのラビリンスに入っていた者達は、エルフの世界に突然いたそうだ。
瞬きをした次の瞬間景色が変わっていたと。
元々ラビリンスに異変が発生し、調査の為に300名ほどが入っていたそうだ。
向こうで戦闘になり、数が多過ぎてどうにもならず、半数以上が犠牲となり1点突破で何とか囲いを突破した。
その後は小隊単位で散り散りになって逃げたそうだ。
その後、敵の追撃から逃れつつ、仲間と合流した。
敵は気絶した者や怪我をした者を捕まえると、殺さずに何処かに連れて行ったそうだ。
その後何度か一般市民が捕まる様を見たそうだ。
スタンピードが発生した後、行方不明になる者が毎度いたのだが、人を捕らえて連れ帰るためだったようだ。
追跡し、収容所を見つけたりもし、幾度となく襲撃して救い出したのだそうだ。
数千人いたはずだが、過酷なサバイバル生活や医薬品のない中、病気が蔓延し、一般人の殆どは病で亡くなったそうだ。
自衛隊員もそうで、死亡者が出なかったのは0号隊のみだった。
そんな中、最先任士官だった捜索を指揮した大尉が亡くなり、その後に残された先任士官は同列の小隊長達がけだった。
必然的に小隊の番号が小さい隊に先任権があるものとされ、以降10年以上父が率いてきたそうだ。
そこからは助け出した一般人も訓練をし、潜伏先を探した。
また、斥候が得意な者がラビリンスについて調査し、今回の爆弾転移の情報を掴み、生き残った全員を率いたのが59人だった。
自衛隊員51人、一般人8人だ。
彼らの戦闘スタイルは誰かの為に自己犠牲になるなだった。
怪我をしたら見捨てる、動けない者は隠れ潜み、運よく発見されない事を祈るか、仲間のために殿として命を投げるかだった。
今、隊員が何をしているかと言うと、亡くなった方の名簿作りだ。
名前と生年月日だ。
これだけを手分けして記憶にとどめてきた。
紙やペンはない。
元々はあったが、捕らえられたり、逃走中に無くなったからだ。
ただ、半数も覚えてはいないだろうが、それでも行方不明者がエルフの世界に連れて行かれたのだと分かるだけでも、遺族の心情はかなり違う。
父と母の感動の再会の間、明日香さんが聞いた話を教えてもらっていた。
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