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第一章 冒険者編
第30話 役割分担
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昨日に引き続きロイ、ソニア、リラ、リックガンド、コナリスは一切れのスライムの身を頬張った。
口々にうまいだの、癖になるだのとご満悦だった。
リラとソニアはリラの家で食べ、ロイはリックガンド魔法道具店に集まり、まず切り身を食べた。
リラはギルドに出勤だったが、店の近くでリラとすれ違ったが、家が近いのかな?と朝の挨拶と、つやつやな肌に頷いた。
コナリスは、師であるリックガンドのもとで修行を積む弟子であり、常に彼を「師匠」と呼んで敬意を表していた。
リラより一つ年上で、ロイより二つ年上の彼女は、姉のような存在であるが、どこか頼りなさも感じさせる。かつてはオタク女子の雰囲気を漂わせる不健康そうな外見だったが、スライムの美容効果を試した後、彼女の肌は輝きを増し、健康的な美しさへと変貌を遂げた。
「師匠、ご覧くださいです!私のお肌、こんなにも変わりましたですぅ!」
コナリスは頬を撫でながら興奮して言った。
リックガンドは彼女の変化に目を細めた。
「確かに。コナリス、この効果は驚異的ですね。しかし、スライムをそのまま食べるのは一般の人々には受け入れがたいものです。商品として開発して市場に出す必要がある・・・」
色々考えを巡らせ始めた。
リラと解体場長を含む6人の仲間たちは、毎日スライムを食べてその効能を検証することになった。また、毒性や中毒性(美容的な中毒ではなく、麻薬的な)の検証も一ヶ月間続けることが決定された。ポーション作成、販路拡大、スライムの身を商品化するための開発など、多岐にわたる計画が立てられた。
第三者で人体実験をする訳にもいかず、なし崩し的に巻き込まれたコナリスとリックガンドも被験者としてスライムの身を食して検証する。
そうそう、解体場長ガレスも自ら被験者として名乗り出た。
とはいえ、ガレスは害はないと確信しており、協力という名の下に健康食品にありつきたいだけだった。
彼はお通じが良くなり、痔が治ったらしい・・・聞きたくなかったとロイは唸っていたが、お通じの話も立派な効能ですぅ!と、コナリスはメモを取りながらロイに怒ったが、迫力はまるでない。
ただ、初日で既に良好な結果が出ている。
今日はまず何を確かめるか話し合った。
・食するのを止めた時に禁断症状がでるか?
・長期に渡り服用して健康に問題はないか?
・長期に渡り服用して、その効能が落ちないか?
・一度の適切な服用量
・大量摂取した場合の影響
リーダーとして選ばれたのは、発起人であり、準男爵の貴族の子息であるロイだった。彼はこの新しい挑戦に対する期待と責任を胸に、チームを率いていくことになった。
「皆の者、このプロジェクトは我々全員の努力が必要だ。一丸となって取り組もう」
ロイは力強く言ったが、皆から笑われた。
威厳がないので、よし、みんな稼ぐチャンスだから頑張ろう!で良かったのだ。
そして彼らは意見を出し合うために集まった。トップでリックガンドが提案した。
「まずは、スライムの安全性を確認することから始めよう。その後、効果の持続性や使用感についてのフィードバックを集めよう。」
ソニアは続けた。
「そして、我々はその効能、他の作り方で別の何かを作り出し、その中から女性の役に立つ物が出る努力をし、スライムから作った美容薬をどの層にアピールするか、どのようにして注意を引くかを検討する必要がある!」
コナリスは加えた。
「ギルド職員を活用するのも良いだろう。特に美容と健康に関心のある者たちには、このスライムの効果は大きな話題となるはず!リラさんに頼めば受付嬢が協力するはず!」
皆最初のロイの口調をなぞって笑い合いながら話した。
「そうだね。試すことは多いよ。切り身を天日干しにしたり、煮たり、何かを加えたり、蒸したり、燻製にしたりと試すことは多い。それと収納から出したスライムが時間経過とともにどうなるか、どれくらい保存できるか知らなきゃだ。だから分担して確かめたい」
こうして話し合いが行われ、決められた担当訳はこうだ。
コナリスが回復ポーション作り、スライムの身を色々加工したりの実験。
リックガンドは回復ポーション作り、材料(触媒)仕入れ、ポーション販売。
ロイとソニアはスライムの仕入れと、回復ポーション用の体液の小分け。
また、荷馬車を借りて、一度も収納にしまわず持ち帰った場合等、魔石を入れてから収納に入れたのとでの違いも検証する必要がある。
そしてロイは顔繋もあり、リックガントがバーモント商会に回復ポーションを卸に行くのに付き合ったりする。バーモント商会といっても、商会ギルド所属商会のことだ。
魔法道具店以外にも回復ポーションを取り扱う店は多く、基本的に上級回復ポーションは商会直営店でしか見かけない。
高価なのもあり、それなりにしっかりしたところでないと、襲われたり、盗みに入られるからだ。
中級回復ポーションは需要と供給のバランスは悪く、入荷すれば数日以内に売り切れるので、契約数以上の持ち込みも歓迎されていた。
リックガンド店は自ら中級回復ポーションを売っているので、滅多に商会に卸さない。また、上級回復ポーションは怖くて扱えないと言っていた。
価格は決まっている。
中級回復ポーション一本の市場価格は10万リュピス。
材料代、薬草又はスライムの体液が5千~2万リュピス。
一次処理後の薬液の取引価格は15000リュピス。
触媒 20000リュピス。
光熱費や鍋などの道具を考慮すると5千リュピス見ないといけない。
つまり、一本作るのに四万リュピスほどかかるのだ。
もちろん失敗もあるので、前後する。
材料が有っても魔力は有限なので、一人の薬師が一日に作成できる中級回復ポーションの数は20本が限界だ。
次に上級回復ポーションは、触媒が異様に高く、一本分20万もする。
なので、リックガンドは二本分の触媒しか買えなかった。
市場価格50万リュピス、商会の買い取り価格40万リュピスだ。
口々にうまいだの、癖になるだのとご満悦だった。
リラとソニアはリラの家で食べ、ロイはリックガンド魔法道具店に集まり、まず切り身を食べた。
リラはギルドに出勤だったが、店の近くでリラとすれ違ったが、家が近いのかな?と朝の挨拶と、つやつやな肌に頷いた。
コナリスは、師であるリックガンドのもとで修行を積む弟子であり、常に彼を「師匠」と呼んで敬意を表していた。
リラより一つ年上で、ロイより二つ年上の彼女は、姉のような存在であるが、どこか頼りなさも感じさせる。かつてはオタク女子の雰囲気を漂わせる不健康そうな外見だったが、スライムの美容効果を試した後、彼女の肌は輝きを増し、健康的な美しさへと変貌を遂げた。
「師匠、ご覧くださいです!私のお肌、こんなにも変わりましたですぅ!」
コナリスは頬を撫でながら興奮して言った。
リックガンドは彼女の変化に目を細めた。
「確かに。コナリス、この効果は驚異的ですね。しかし、スライムをそのまま食べるのは一般の人々には受け入れがたいものです。商品として開発して市場に出す必要がある・・・」
色々考えを巡らせ始めた。
リラと解体場長を含む6人の仲間たちは、毎日スライムを食べてその効能を検証することになった。また、毒性や中毒性(美容的な中毒ではなく、麻薬的な)の検証も一ヶ月間続けることが決定された。ポーション作成、販路拡大、スライムの身を商品化するための開発など、多岐にわたる計画が立てられた。
第三者で人体実験をする訳にもいかず、なし崩し的に巻き込まれたコナリスとリックガンドも被験者としてスライムの身を食して検証する。
そうそう、解体場長ガレスも自ら被験者として名乗り出た。
とはいえ、ガレスは害はないと確信しており、協力という名の下に健康食品にありつきたいだけだった。
彼はお通じが良くなり、痔が治ったらしい・・・聞きたくなかったとロイは唸っていたが、お通じの話も立派な効能ですぅ!と、コナリスはメモを取りながらロイに怒ったが、迫力はまるでない。
ただ、初日で既に良好な結果が出ている。
今日はまず何を確かめるか話し合った。
・食するのを止めた時に禁断症状がでるか?
・長期に渡り服用して健康に問題はないか?
・長期に渡り服用して、その効能が落ちないか?
・一度の適切な服用量
・大量摂取した場合の影響
リーダーとして選ばれたのは、発起人であり、準男爵の貴族の子息であるロイだった。彼はこの新しい挑戦に対する期待と責任を胸に、チームを率いていくことになった。
「皆の者、このプロジェクトは我々全員の努力が必要だ。一丸となって取り組もう」
ロイは力強く言ったが、皆から笑われた。
威厳がないので、よし、みんな稼ぐチャンスだから頑張ろう!で良かったのだ。
そして彼らは意見を出し合うために集まった。トップでリックガンドが提案した。
「まずは、スライムの安全性を確認することから始めよう。その後、効果の持続性や使用感についてのフィードバックを集めよう。」
ソニアは続けた。
「そして、我々はその効能、他の作り方で別の何かを作り出し、その中から女性の役に立つ物が出る努力をし、スライムから作った美容薬をどの層にアピールするか、どのようにして注意を引くかを検討する必要がある!」
コナリスは加えた。
「ギルド職員を活用するのも良いだろう。特に美容と健康に関心のある者たちには、このスライムの効果は大きな話題となるはず!リラさんに頼めば受付嬢が協力するはず!」
皆最初のロイの口調をなぞって笑い合いながら話した。
「そうだね。試すことは多いよ。切り身を天日干しにしたり、煮たり、何かを加えたり、蒸したり、燻製にしたりと試すことは多い。それと収納から出したスライムが時間経過とともにどうなるか、どれくらい保存できるか知らなきゃだ。だから分担して確かめたい」
こうして話し合いが行われ、決められた担当訳はこうだ。
コナリスが回復ポーション作り、スライムの身を色々加工したりの実験。
リックガンドは回復ポーション作り、材料(触媒)仕入れ、ポーション販売。
ロイとソニアはスライムの仕入れと、回復ポーション用の体液の小分け。
また、荷馬車を借りて、一度も収納にしまわず持ち帰った場合等、魔石を入れてから収納に入れたのとでの違いも検証する必要がある。
そしてロイは顔繋もあり、リックガントがバーモント商会に回復ポーションを卸に行くのに付き合ったりする。バーモント商会といっても、商会ギルド所属商会のことだ。
魔法道具店以外にも回復ポーションを取り扱う店は多く、基本的に上級回復ポーションは商会直営店でしか見かけない。
高価なのもあり、それなりにしっかりしたところでないと、襲われたり、盗みに入られるからだ。
中級回復ポーションは需要と供給のバランスは悪く、入荷すれば数日以内に売り切れるので、契約数以上の持ち込みも歓迎されていた。
リックガンド店は自ら中級回復ポーションを売っているので、滅多に商会に卸さない。また、上級回復ポーションは怖くて扱えないと言っていた。
価格は決まっている。
中級回復ポーション一本の市場価格は10万リュピス。
材料代、薬草又はスライムの体液が5千~2万リュピス。
一次処理後の薬液の取引価格は15000リュピス。
触媒 20000リュピス。
光熱費や鍋などの道具を考慮すると5千リュピス見ないといけない。
つまり、一本作るのに四万リュピスほどかかるのだ。
もちろん失敗もあるので、前後する。
材料が有っても魔力は有限なので、一人の薬師が一日に作成できる中級回復ポーションの数は20本が限界だ。
次に上級回復ポーションは、触媒が異様に高く、一本分20万もする。
なので、リックガンドは二本分の触媒しか買えなかった。
市場価格50万リュピス、商会の買い取り価格40万リュピスだ。
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