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第66話 空想世界の住人
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ダレンがジルテッドの目を見るが、彼は壊れていた。
目が虚ろで自分は悪くないと、あんなところに敵が待ち伏せているのはありえないとぶつぶつ言っているそうだ。
自分の行動に責任を取ろうとしなかった。いや、取りようがない壊れかたをしていた。
自分の裏切りに対する罪悪感や後悔を感じなかったのだ。
現実逃避をし、空想世界の住人になっていた。
ダレンとミカはジルテッドの前に立ったが、はジルテッドの姿に驚いた。
彼はかつての仲間とは別人のように見え、ダレンとミカの顔を見ても何の反応も示さなかった。
「ジルテッド、俺と話そう。なぜこんなことをしたんだ?なぜ艦隊をを裏切るような真似をしたんだ?」
ダレンはジルテッドの目を見つめて問いかけたが、それはジルテッドの心の奥に、何かの光が残っていることを願ってだ。
「ダレン?ダレンって誰だ?俺は…ジルテッドじゃない。俺はヴァイスだ。ヴァイス・ヴァン・ヴァルトだ」
ジルテッドはダレンに今艦隊で流行っている小説に出てくる登場人物の名を口にした。しかし、ダレンの質問に無関心だった。
「ヴァイス?ヴァイス・ヴァン・ヴァルト?それはどういうことだ?」
ダレンはジルテッドの言葉に戸惑った。ジルテッドが名乗った名前に驚いた。
彼に何か秘密があるということに気づいた。
「俺はヴァイス・ヴァン・ヴァルトだ。つまりヴァルト王国の王子だ。俺は敵のスパイだ。俺は確かにあなたたちを裏切った。それに恨みはないがあなたたちを殺すつもりだった」
ジルテッドはダレンに殺すつもりだったと告白し、自分の正体を明かして目的を語ったがその罪を誇った。
「何?!」
ダレンとミカはジルテッドの言葉に衝撃を受けた。
ジルテッドが語る正体を信じられなかった。ある意味ジルテッドの発する目的に恐れを感じつつ、ジルテッドの罪に怒りを覚えた。
狂信者と。
「ジルテッド?それは本当なのか?お前は本当にヴァルト王国の王子であり敵のスパイなのか?ジルテッド仮の姿はだとでも言うのか?」
ダレンはジルテッドに迫った。
それは真実を確かめたかったからに他ならない。
今のジルテッドの感情を探りたかった。
「そうだ。俺はジルテッドに扮した。良く見抜いたな。ああ、あなたの言うことは全て本当だ。俺はあなたたちを騙したり利用した。あなたたちを裏切った訳ではない。最初から敵だった」
ジルテッドはダレンの質問に冷たく無慈悲に答えた。
「なぜだ?なぜ、そんなことをしたんだ?なぜ私たちを裏切ったんだ?」
ダレンはジルテッドに向かって叫んだ。ジルテッドの行動に悲しみと怒りの感情を抱いた。
「なぜだって?それは当然のことだ。俺はヴァルト王国の王子でありこの艦隊の敵側のスパイだ。俺はあなたたちを裏切り殺すのが目的だった。」
ジルテッドはダレンに答えたが、ダレンが感じたであろう苦しみや恐怖に快楽や満足を覚えた。
「ジルテッド、お前は本当にそう思っているのか?お前は本当に私たちに何の感情もないのか?お前は、お前は…」
その後ジルテッドはほんの少しの間だけやや正気に戻るも、あんなところに敵がいるのはおかしいとぼやくだけだった。
予め伝えられていた尋問結果とおりで、どう見ても自我が崩壊しており、会話が成立しなかった。
同じ艦にいた者の報告だと恐怖から失禁までしていたと聞くが、流石にそれはと思っていた。嫌っていた者が話を少し盛ったのだろうと程度の認識だったが現実のジルテッドを見てダレンは考えを改め、黙って首を振りつつ夢の住人となったジルテッドをそのままにしてその場を離れた・・・
目が虚ろで自分は悪くないと、あんなところに敵が待ち伏せているのはありえないとぶつぶつ言っているそうだ。
自分の行動に責任を取ろうとしなかった。いや、取りようがない壊れかたをしていた。
自分の裏切りに対する罪悪感や後悔を感じなかったのだ。
現実逃避をし、空想世界の住人になっていた。
ダレンとミカはジルテッドの前に立ったが、はジルテッドの姿に驚いた。
彼はかつての仲間とは別人のように見え、ダレンとミカの顔を見ても何の反応も示さなかった。
「ジルテッド、俺と話そう。なぜこんなことをしたんだ?なぜ艦隊をを裏切るような真似をしたんだ?」
ダレンはジルテッドの目を見つめて問いかけたが、それはジルテッドの心の奥に、何かの光が残っていることを願ってだ。
「ダレン?ダレンって誰だ?俺は…ジルテッドじゃない。俺はヴァイスだ。ヴァイス・ヴァン・ヴァルトだ」
ジルテッドはダレンに今艦隊で流行っている小説に出てくる登場人物の名を口にした。しかし、ダレンの質問に無関心だった。
「ヴァイス?ヴァイス・ヴァン・ヴァルト?それはどういうことだ?」
ダレンはジルテッドの言葉に戸惑った。ジルテッドが名乗った名前に驚いた。
彼に何か秘密があるということに気づいた。
「俺はヴァイス・ヴァン・ヴァルトだ。つまりヴァルト王国の王子だ。俺は敵のスパイだ。俺は確かにあなたたちを裏切った。それに恨みはないがあなたたちを殺すつもりだった」
ジルテッドはダレンに殺すつもりだったと告白し、自分の正体を明かして目的を語ったがその罪を誇った。
「何?!」
ダレンとミカはジルテッドの言葉に衝撃を受けた。
ジルテッドが語る正体を信じられなかった。ある意味ジルテッドの発する目的に恐れを感じつつ、ジルテッドの罪に怒りを覚えた。
狂信者と。
「ジルテッド?それは本当なのか?お前は本当にヴァルト王国の王子であり敵のスパイなのか?ジルテッド仮の姿はだとでも言うのか?」
ダレンはジルテッドに迫った。
それは真実を確かめたかったからに他ならない。
今のジルテッドの感情を探りたかった。
「そうだ。俺はジルテッドに扮した。良く見抜いたな。ああ、あなたの言うことは全て本当だ。俺はあなたたちを騙したり利用した。あなたたちを裏切った訳ではない。最初から敵だった」
ジルテッドはダレンの質問に冷たく無慈悲に答えた。
「なぜだ?なぜ、そんなことをしたんだ?なぜ私たちを裏切ったんだ?」
ダレンはジルテッドに向かって叫んだ。ジルテッドの行動に悲しみと怒りの感情を抱いた。
「なぜだって?それは当然のことだ。俺はヴァルト王国の王子でありこの艦隊の敵側のスパイだ。俺はあなたたちを裏切り殺すのが目的だった。」
ジルテッドはダレンに答えたが、ダレンが感じたであろう苦しみや恐怖に快楽や満足を覚えた。
「ジルテッド、お前は本当にそう思っているのか?お前は本当に私たちに何の感情もないのか?お前は、お前は…」
その後ジルテッドはほんの少しの間だけやや正気に戻るも、あんなところに敵がいるのはおかしいとぼやくだけだった。
予め伝えられていた尋問結果とおりで、どう見ても自我が崩壊しており、会話が成立しなかった。
同じ艦にいた者の報告だと恐怖から失禁までしていたと聞くが、流石にそれはと思っていた。嫌っていた者が話を少し盛ったのだろうと程度の認識だったが現実のジルテッドを見てダレンは考えを改め、黙って首を振りつつ夢の住人となったジルテッドをそのままにしてその場を離れた・・・
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