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第67話 空気漏れ
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ダレンとミカの目の前には、ジルテッドの所為で損傷した艦の姿があった。
25の艦がその忠誠を裏切りし者に運命を託してしまい、今やその裏切りの代償を破損という形で支払っていた。
調査の結果、深刻なダメージを受けていることが明らかになった。
そのうちの1艦は空気漏れと重力ジャンプが出来ないことを除き、重力ドライブて航行可能で武装もほぼ全て破損していた。
艦隊内ではなく、きちんとした工廠でなければ修理不可能だったので廃棄するはずを、棺艦として死者と運命を共にして貰うことになった。
トラブルがなければ数日以内に恒星に突入するだろう。
ダレンはジルテッドをその艦にいれて死者と共に旅立って欲しいのが本音だ。
しかしそのようなことは出来ないが、もしやろうとしたら止める者はいなかっただろう。
「中破を超える損傷だ…」技術担当官が苦渋の声を漏らした。
「13艦はもはや回復不能だ。遺棄せざるを得ない。司令に伝えねば」
その時の報告はダレンたちの心に冷たく突き刺さった。 10艦についてはどうにか戦列に復帰させることができないかという議論がなされた。
しかし、その見込みは薄くせいぜい通常の50%の戦闘能力しか期待できない状態だった。
「これらの艦船では、戦線維持さえ危うい。しかも、大きなリスクを伴う」
ダレンは深刻な表情で損傷についての報告書を眺めていた。 最後の2艦については、大型輸送船の中で修理を進行中であったが、技術者たちの間で一つの問題が浮上していた。
どうしても直せない空気漏れがあり、それが修理作業を大幅に遅らせていた。生命維持システムの完全な修復が不可能ならば、艦を宇宙の荒波に再び送り出すことは危険を伴うものだった。
「空気漏れは致命的だ。これ以上の時間を費やしても、解決策が見つからない可能性が高い」技術担当官は残念そうに報告した。
ダレンは艦隊全体を見渡しながら、遠い彼方の星々を背にして兵士たちに指示を下した。
「残りの艦はできる限りの修理を施す。しかし、無駄なリスクは避けろ。私たちは生存者であり、戦うためには生き残らなくてはならん。ジルテッドに続くことなく、彼の過ちは二度と繰り返さない。基本的に輸送艦の護衛艦にするしかない」
修理作業は難航したが、彼らにとって時間は無限にある一方、全く足りないと思えた。
戦況は刻一刻と悪化しており、こうした損傷した艦を再び戦場に送り出すことは勇気が要る決断だった。
だが、彼らは困難に立ち向かう覚悟の中で、星々の間の戦いに備え続けるのだった。
25の艦がその忠誠を裏切りし者に運命を託してしまい、今やその裏切りの代償を破損という形で支払っていた。
調査の結果、深刻なダメージを受けていることが明らかになった。
そのうちの1艦は空気漏れと重力ジャンプが出来ないことを除き、重力ドライブて航行可能で武装もほぼ全て破損していた。
艦隊内ではなく、きちんとした工廠でなければ修理不可能だったので廃棄するはずを、棺艦として死者と運命を共にして貰うことになった。
トラブルがなければ数日以内に恒星に突入するだろう。
ダレンはジルテッドをその艦にいれて死者と共に旅立って欲しいのが本音だ。
しかしそのようなことは出来ないが、もしやろうとしたら止める者はいなかっただろう。
「中破を超える損傷だ…」技術担当官が苦渋の声を漏らした。
「13艦はもはや回復不能だ。遺棄せざるを得ない。司令に伝えねば」
その時の報告はダレンたちの心に冷たく突き刺さった。 10艦についてはどうにか戦列に復帰させることができないかという議論がなされた。
しかし、その見込みは薄くせいぜい通常の50%の戦闘能力しか期待できない状態だった。
「これらの艦船では、戦線維持さえ危うい。しかも、大きなリスクを伴う」
ダレンは深刻な表情で損傷についての報告書を眺めていた。 最後の2艦については、大型輸送船の中で修理を進行中であったが、技術者たちの間で一つの問題が浮上していた。
どうしても直せない空気漏れがあり、それが修理作業を大幅に遅らせていた。生命維持システムの完全な修復が不可能ならば、艦を宇宙の荒波に再び送り出すことは危険を伴うものだった。
「空気漏れは致命的だ。これ以上の時間を費やしても、解決策が見つからない可能性が高い」技術担当官は残念そうに報告した。
ダレンは艦隊全体を見渡しながら、遠い彼方の星々を背にして兵士たちに指示を下した。
「残りの艦はできる限りの修理を施す。しかし、無駄なリスクは避けろ。私たちは生存者であり、戦うためには生き残らなくてはならん。ジルテッドに続くことなく、彼の過ちは二度と繰り返さない。基本的に輸送艦の護衛艦にするしかない」
修理作業は難航したが、彼らにとって時間は無限にある一方、全く足りないと思えた。
戦況は刻一刻と悪化しており、こうした損傷した艦を再び戦場に送り出すことは勇気が要る決断だった。
だが、彼らは困難に立ち向かう覚悟の中で、星々の間の戦いに備え続けるのだった。
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