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本編
30:魔術師失踪事件
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ヘンリー曰く、ここ5年ほど、毎年のようにこの時期になると魔術師が数名が姿を消すらしい。
その年により数は異なるものの、失踪者は皆、ある日突然何の前触れもなくいなくなるそうだ。
特別何かに悩んでいたということもなく、何か人生に絶望するような出来事があったわけでもなく…ある日突然消える魔術師たち。
その失踪者には3つの共通点があるらしく、ハディスは一本ずつ指を立てシャロンにその共通点を語った。
一つめは、ライセンスがC級の魔術師。
二つめは、年齢は30歳以下。
そして三つめは、血液型がA B型の魔術師。
「性別関係なく、全ての失踪者はこの条件に当てはまる。1つめと2つめの共通点だけ見れば偶然と言えなくもないが…」
狙ったように同じ血液型の人間がいなくなるのは、偶然にしては出来すぎている。ハディスはそう呟いた。
「そして先日、妻が王宮内で行方不明者の一人が倒れている姿を見たそうだ」
「妃殿下が?」
「ああ。王宮の一番東の区画の近くで見たらしい」
東の区画は建物の老朽化により5年ほど前から立ち入り禁止になっている区画で、妃はその近くで血が抜かれたように青白い顔をした女の魔術師を見たらしい。
お付きの侍女が確認したが、脈はなく息もしておらず、妃はそのお付きの侍女とともに急いで人を呼びに行ったそうだ。
「だが、戻った頃には魔術師の姿はなかったらしい」
ヘンリーの顔は一気に険しくなった。
この話を聞いた彼はすぐに王へと進言したが、結局死体は見つかっていないために『妃が幻覚でも見たのだろう』と素気無くあしらわれたそうだ。
「お付きの者もはっきりとその目で見たと言っている。その場に死体があったのは間違いないんだ。それに…あの日以来、妻はずっと誰かに見られている気がすると言っている」
ヘンリーの眉間の皺がぐっと深くなる。
「…それは、つまり」
「そう、誰かが妃殿下の命を狙っていると言うことだ」
「だから今日妃殿下はお越しになっていないのですね」
夜会の主催は王太子夫妻なのに、王太子妃は急遽欠席となっていたのはこのせいだったようだ。
どこに危険が潜んでいるかわからない今、彼女は体調不良のために静養するという名目で離宮に居を移しているらしい。
シャロンは精神的に参っている妃のそばにいなくて大丈夫なのかと思ったが、警備は腕の立つ近衛騎士で万全に固めているし、食事には細心の注意を払っているので今のところは問題ないヘンリーは話した。
「だがいつまでもこの状態が続くのは妻の心情を考えてもそうだが、何より国としても良いとは思えない。しかし何故か陛下から捜査の許可が降りなくてね。勝手に動けないんだよ」
本来、貴族や魔術師のような身分の人間の失踪や殺人などの事件は『特務警察隊』の管轄である。だが、許可が降りなければ彼らは調べることができない。
シャロンはなるほど、と呟いた。
「妃殿下が狙われている以上、事は一刻を争う。しかし、陛下の許可が降りないと大々的に操作ができない上に、魔術師失踪の件を公にもできない。この状況下で事件を解決に導くには信頼できる人間を集めて秘密裏に捜査本部を設置するしかない」
妹の指摘にハディスは無言で頷いた。
「だから気の置けない友人でもある騎士団長にも協力を仰ごうと言うわけですか?近衛騎士団なら殿下のそばにいても違和感ありませんものね」
「さすがだね。賢い女性、俺は好きだよ」
「ありがとうございます」
ヘンリーは感心したように眉尻を下げる。
まだまだ賢い女は厭われることも多い世の中でこの褒め言葉は貴重なので、シャロンは素直にそれを受け取った。
「さて、君はこの事件をどう考える?」
ヘンリーの問いかけにシャロンは人差し指を口元に当て、首を傾げて目を閉じた。
そして、うーんと数秒思考を巡らせる。
「この話だけではなんとも言えませんが…とりあえず衝動的な犯行でないのは確かですよね」
行方不明者に不自然な共通点があることを踏まえると、犯人は明らかにターゲットを事前に選んでいる。計画的な反抗だ。
「あとは、事件が王宮内で起きている可能性が高いという事。それと、同じ血液型の魔術師が狙われたということは少なくとも魔術師の血液型を知る事のできる人物は関与していると考えられますよね…」
普通の人間にとって、他人の血液型など興味がなければどうでも良い事だ。
知りたければ本人の口から聞けば良い話だが、犯人がわざわざ魔術師に聞いて周ってターゲットを選んでいると考えるには、やり方が非効率。
普通に考えても、名簿等の何かの資料を見てターゲットを決めたと仮定する方が正しいだろう。
だとするならば、事前にターゲットの個人情報を入手できる人物だ。
しかし国にとって魔術師は貴重な兵器であり、使い勝手の良い道具。そんな貴重な存在は、そのパーソナルデータさえも厳重に管理されている。閲覧するには申請する必要があるが、申請すれば足がつく。
そんな事もわからない人間が死体すら出ない事件を起こせるだろうか。
シャロンはぱちっと目を開けた。
「許可なく魔術師の個人情報が閲覧可能な人物ってどのくらいいますか?」
「申請が必要ない人物は大臣クラスの貴族、王族…それと…」
ヘンリーはそこまで言って、ハディスの方を見る。ハディスは気まずそうに目を伏せた。
「宮廷医師、ですわね?」
ヘンリーの言葉の続きを待たずに、シャロンは答えを当てる。
「だから私にも話しておくべきとおっしゃったのですね」
「そういうことだ。だが勘違いしないでくれ。俺は君の家族を疑っているわけじゃない」
ただ容疑者として外すわけにもいかない。
シャロンは「わかっているから大丈夫だ」と答えた。
「父は医師であることに誇りを持っています。人を殺めるなんてするはずがありませんわ」
「俺もそう思う」
宮廷の医師であるジルフォード侯爵にはよく世話になっているヘンリーは、彼がそんな人間でないことを知っている。
「事件はおそらく宮廷内で起きている。そして容疑者は高貴な身の上の者か、もしくは宮廷医師だ。そしてどういうわけか、捜査を拒んでいる陛下とその周辺」
どうにもきな臭いとヘンリーは困ったように笑った。
「シャロン。今後、公爵だけでなく君にも助言を乞うかもしれないが良いかな?」
ヘンリーは真剣な眼差しでシャロンを見た。
シャロンはスカートの裾を掴み、頭を下げる。
「仰せのままに」
その年により数は異なるものの、失踪者は皆、ある日突然何の前触れもなくいなくなるそうだ。
特別何かに悩んでいたということもなく、何か人生に絶望するような出来事があったわけでもなく…ある日突然消える魔術師たち。
その失踪者には3つの共通点があるらしく、ハディスは一本ずつ指を立てシャロンにその共通点を語った。
一つめは、ライセンスがC級の魔術師。
二つめは、年齢は30歳以下。
そして三つめは、血液型がA B型の魔術師。
「性別関係なく、全ての失踪者はこの条件に当てはまる。1つめと2つめの共通点だけ見れば偶然と言えなくもないが…」
狙ったように同じ血液型の人間がいなくなるのは、偶然にしては出来すぎている。ハディスはそう呟いた。
「そして先日、妻が王宮内で行方不明者の一人が倒れている姿を見たそうだ」
「妃殿下が?」
「ああ。王宮の一番東の区画の近くで見たらしい」
東の区画は建物の老朽化により5年ほど前から立ち入り禁止になっている区画で、妃はその近くで血が抜かれたように青白い顔をした女の魔術師を見たらしい。
お付きの侍女が確認したが、脈はなく息もしておらず、妃はそのお付きの侍女とともに急いで人を呼びに行ったそうだ。
「だが、戻った頃には魔術師の姿はなかったらしい」
ヘンリーの顔は一気に険しくなった。
この話を聞いた彼はすぐに王へと進言したが、結局死体は見つかっていないために『妃が幻覚でも見たのだろう』と素気無くあしらわれたそうだ。
「お付きの者もはっきりとその目で見たと言っている。その場に死体があったのは間違いないんだ。それに…あの日以来、妻はずっと誰かに見られている気がすると言っている」
ヘンリーの眉間の皺がぐっと深くなる。
「…それは、つまり」
「そう、誰かが妃殿下の命を狙っていると言うことだ」
「だから今日妃殿下はお越しになっていないのですね」
夜会の主催は王太子夫妻なのに、王太子妃は急遽欠席となっていたのはこのせいだったようだ。
どこに危険が潜んでいるかわからない今、彼女は体調不良のために静養するという名目で離宮に居を移しているらしい。
シャロンは精神的に参っている妃のそばにいなくて大丈夫なのかと思ったが、警備は腕の立つ近衛騎士で万全に固めているし、食事には細心の注意を払っているので今のところは問題ないヘンリーは話した。
「だがいつまでもこの状態が続くのは妻の心情を考えてもそうだが、何より国としても良いとは思えない。しかし何故か陛下から捜査の許可が降りなくてね。勝手に動けないんだよ」
本来、貴族や魔術師のような身分の人間の失踪や殺人などの事件は『特務警察隊』の管轄である。だが、許可が降りなければ彼らは調べることができない。
シャロンはなるほど、と呟いた。
「妃殿下が狙われている以上、事は一刻を争う。しかし、陛下の許可が降りないと大々的に操作ができない上に、魔術師失踪の件を公にもできない。この状況下で事件を解決に導くには信頼できる人間を集めて秘密裏に捜査本部を設置するしかない」
妹の指摘にハディスは無言で頷いた。
「だから気の置けない友人でもある騎士団長にも協力を仰ごうと言うわけですか?近衛騎士団なら殿下のそばにいても違和感ありませんものね」
「さすがだね。賢い女性、俺は好きだよ」
「ありがとうございます」
ヘンリーは感心したように眉尻を下げる。
まだまだ賢い女は厭われることも多い世の中でこの褒め言葉は貴重なので、シャロンは素直にそれを受け取った。
「さて、君はこの事件をどう考える?」
ヘンリーの問いかけにシャロンは人差し指を口元に当て、首を傾げて目を閉じた。
そして、うーんと数秒思考を巡らせる。
「この話だけではなんとも言えませんが…とりあえず衝動的な犯行でないのは確かですよね」
行方不明者に不自然な共通点があることを踏まえると、犯人は明らかにターゲットを事前に選んでいる。計画的な反抗だ。
「あとは、事件が王宮内で起きている可能性が高いという事。それと、同じ血液型の魔術師が狙われたということは少なくとも魔術師の血液型を知る事のできる人物は関与していると考えられますよね…」
普通の人間にとって、他人の血液型など興味がなければどうでも良い事だ。
知りたければ本人の口から聞けば良い話だが、犯人がわざわざ魔術師に聞いて周ってターゲットを選んでいると考えるには、やり方が非効率。
普通に考えても、名簿等の何かの資料を見てターゲットを決めたと仮定する方が正しいだろう。
だとするならば、事前にターゲットの個人情報を入手できる人物だ。
しかし国にとって魔術師は貴重な兵器であり、使い勝手の良い道具。そんな貴重な存在は、そのパーソナルデータさえも厳重に管理されている。閲覧するには申請する必要があるが、申請すれば足がつく。
そんな事もわからない人間が死体すら出ない事件を起こせるだろうか。
シャロンはぱちっと目を開けた。
「許可なく魔術師の個人情報が閲覧可能な人物ってどのくらいいますか?」
「申請が必要ない人物は大臣クラスの貴族、王族…それと…」
ヘンリーはそこまで言って、ハディスの方を見る。ハディスは気まずそうに目を伏せた。
「宮廷医師、ですわね?」
ヘンリーの言葉の続きを待たずに、シャロンは答えを当てる。
「だから私にも話しておくべきとおっしゃったのですね」
「そういうことだ。だが勘違いしないでくれ。俺は君の家族を疑っているわけじゃない」
ただ容疑者として外すわけにもいかない。
シャロンは「わかっているから大丈夫だ」と答えた。
「父は医師であることに誇りを持っています。人を殺めるなんてするはずがありませんわ」
「俺もそう思う」
宮廷の医師であるジルフォード侯爵にはよく世話になっているヘンリーは、彼がそんな人間でないことを知っている。
「事件はおそらく宮廷内で起きている。そして容疑者は高貴な身の上の者か、もしくは宮廷医師だ。そしてどういうわけか、捜査を拒んでいる陛下とその周辺」
どうにもきな臭いとヘンリーは困ったように笑った。
「シャロン。今後、公爵だけでなく君にも助言を乞うかもしれないが良いかな?」
ヘンリーは真剣な眼差しでシャロンを見た。
シャロンはスカートの裾を掴み、頭を下げる。
「仰せのままに」
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