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ifの世界線のお話
20:ハディスの言い分(2)
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「狭っ…」
寝巻きに着替えたハディスは2人の待つベッドに潜り込んだ。
それなりに大きなベッドでも、大の大人が3人横に並べば流石に窮屈だ。
そして何より、サイモン・ハディス・シャロンの並びで布団に入ったことに対し、ハディスは違和感しかない。
「なあ、本当に俺が真ん中でいいのか?」
「いいんです。逆にハディス様が真ん中にいてくれないとお嬢に手を出しそうなんで」
「おい、今なんて言った」
「だから、お嬢に手を出しそうに…」
「貴様、開き直ったな!?シャロンも照れるな!このおバカどもが!」
「開き直るしかないでしょう。お嬢に好きとか言われたら拒否できない。逆にすぐに手を出さなかった俺を褒めて欲しいくらいです。俺の強靭な理性に感謝してください」
「誇らしげに言うな。そこは頑張って拒否してほしかった…。どうするつもりなんだよ、お前ら」
ハディスは天井を眺めながら、深く長いため息をついた。
烏公爵に嫁いで早々に離婚し、その後すぐに平民の薬師と結ばれたなど、どう考えても社交界で面白おかしく噂されること間違いなしだ。
シャロンは貴族籍を捨てるつもりなのかもしれないが、ハディスや長兄のユアン、それに彼らの母親はまだ社交界で渡り歩いていかねばならない。
シャロンの醜聞はジルフォード家の醜聞である以上、そう簡単に2人の関係を認めるわけにはいかないのだ。
「父上は何も言わないだろうが、母上や兄上はいい顔をしないと思うぞ。いくら信頼しているサイモンであったとしても、そのような醜聞でジルフォードの名を汚すことなど…」
「ところがどっこい。奥方様もユアン様も『いいじゃーん!おめでとー!』って言ってましたね」
「すごく軽ーく、私たちが結ばれたことを喜んでいらっしゃいました」
まさかの展開だ。予想外の2人の言葉に、ハディスは思わず飛び起きた。
そして叫ぶ。
「嘘だろ!?まじで言ってるのか!?」
「はい」
「あの人たち、もしかして馬鹿なのか!?」
思いの外、ハディス以外の家族は2人の関係をすんなりと受け入れたらしい。
それによる風評について何も考えていないのか。それともただの天然なのか。やはり変人の巣窟ジルフォード家の人間だ。
「あとはハディス様の許可を取るだけなんですよね」
「いや、許可って言われても…。お前らこれからどうするつもりなんだ?」
「…色々考えてたんですが、これもまさかの展開になりまして」
「え、なに?怖い話?」
「実は、奥方様から婿入りして領地管理をしてみないかと言われちゃいましたね」
「はぁ!?」
天井を見上げ、申し訳なさそうにそう言うサイモン。彼は申し訳なさすぎて、ハディスの方を見れない。
サイモンとしては、ジルフォードの家を出て街で薬屋を開業し、事業が軌道に乗ったらシャロンに求婚しにくるつもりだったらしい。
だが、奥方が『どうして平民になろうとするの?婿入りすればいい話じゃない』と簡単にそう言ってのけたそうだ。
ハディスは『意味わからん』と嘆くように呟いて、頭を掻きむしる。
彼が知る限り、領地に関しては長兄であるユアンが引き継ぐ予定だったはず。
「兄上は何て言ってるんだ?」
「『僕はそんなに器用な方じゃないから、宮廷医師に集中できるならむしろそのほうが有難い』とおっしゃっていました」
「確かに兄上はあんまり領地経営とか向いてないけども!」
「そういう経緯もあってユアン兄様は、あとはハディス次第だとおっしゃっていました」
「俺次第かぁ…。確かに俺も領地を継ぐ余裕はないけど…」
ユアンが管理できないのなら、ハディスが継ぐのが普通だが、正直は彼には王太子の下僕としての任務で手一杯だ。領地管理はシャロンとその夫に任せるのも一つの手である。
「ちなみに今は、領地にいらっしゃるお祖父様からの返事待ちだけど、お母様曰く『引退したがっていたから問題ないわ』とのこのです」
「何でみんな、そんな適当なの…」
「社交界での評判とか、お母様もユアン兄様も気にしてないのらしいです」
シャロンの母はもともと孤高の一匹狼タイプなので、誰にどう思われようがどうでも良いという人だ。
そしてユアンの想い人は娼館にいる女王様なので、社交界でモテずとも特に問題ない。
「なんだ、それ…。兄上は結婚する気がないのか?」
「どうなんでしょうね。ユアン様の場合、女王様気質の気が強めの女性が現れたらすぐにでも結婚しそう」
「確かに…。よし、適当に女王様っぽい女性を用意するか」
「兄様、先に言っておきますけど、私の友人は紹介できませんからね」
「なに言ってんだ?お前友達いないだろ?あれか?イマジナリーフレンドってやつか……って嘘!嘘です!ごめんなさい!痛い痛い痛い!」
失言してしまったハディスは、布団の中で手をつねられて叫んだ。爪を立てて拗ねるなど、悪意しかない。
「話が逸れてますよ、兄様」
「わかってるよ。はぁ…」
「正直、当主であるユアン兄様の許可を得ているので、わざわざハディス兄様の許可を取らなくてもいいんですけどね。一応家族なので認めて貰いたいです」
「一応じゃなくて正真正銘の家族だからね?」
「認めてくれますか?」
「なんかもう、『好きにすれば?』と言いたいところだが、素直にそう言いたくはない気もする…」
「理由は?」
そう問われて、ハディスはまた仰向けに寝転がった。そして『うーん』と唸るような声を出しつつ悩む。
シャロンの言う通り、当主が許可している関係を今更否定する権利など彼にはない。
しかし、彼にはどうしても譲れないものがあった。
寝巻きに着替えたハディスは2人の待つベッドに潜り込んだ。
それなりに大きなベッドでも、大の大人が3人横に並べば流石に窮屈だ。
そして何より、サイモン・ハディス・シャロンの並びで布団に入ったことに対し、ハディスは違和感しかない。
「なあ、本当に俺が真ん中でいいのか?」
「いいんです。逆にハディス様が真ん中にいてくれないとお嬢に手を出しそうなんで」
「おい、今なんて言った」
「だから、お嬢に手を出しそうに…」
「貴様、開き直ったな!?シャロンも照れるな!このおバカどもが!」
「開き直るしかないでしょう。お嬢に好きとか言われたら拒否できない。逆にすぐに手を出さなかった俺を褒めて欲しいくらいです。俺の強靭な理性に感謝してください」
「誇らしげに言うな。そこは頑張って拒否してほしかった…。どうするつもりなんだよ、お前ら」
ハディスは天井を眺めながら、深く長いため息をついた。
烏公爵に嫁いで早々に離婚し、その後すぐに平民の薬師と結ばれたなど、どう考えても社交界で面白おかしく噂されること間違いなしだ。
シャロンは貴族籍を捨てるつもりなのかもしれないが、ハディスや長兄のユアン、それに彼らの母親はまだ社交界で渡り歩いていかねばならない。
シャロンの醜聞はジルフォード家の醜聞である以上、そう簡単に2人の関係を認めるわけにはいかないのだ。
「父上は何も言わないだろうが、母上や兄上はいい顔をしないと思うぞ。いくら信頼しているサイモンであったとしても、そのような醜聞でジルフォードの名を汚すことなど…」
「ところがどっこい。奥方様もユアン様も『いいじゃーん!おめでとー!』って言ってましたね」
「すごく軽ーく、私たちが結ばれたことを喜んでいらっしゃいました」
まさかの展開だ。予想外の2人の言葉に、ハディスは思わず飛び起きた。
そして叫ぶ。
「嘘だろ!?まじで言ってるのか!?」
「はい」
「あの人たち、もしかして馬鹿なのか!?」
思いの外、ハディス以外の家族は2人の関係をすんなりと受け入れたらしい。
それによる風評について何も考えていないのか。それともただの天然なのか。やはり変人の巣窟ジルフォード家の人間だ。
「あとはハディス様の許可を取るだけなんですよね」
「いや、許可って言われても…。お前らこれからどうするつもりなんだ?」
「…色々考えてたんですが、これもまさかの展開になりまして」
「え、なに?怖い話?」
「実は、奥方様から婿入りして領地管理をしてみないかと言われちゃいましたね」
「はぁ!?」
天井を見上げ、申し訳なさそうにそう言うサイモン。彼は申し訳なさすぎて、ハディスの方を見れない。
サイモンとしては、ジルフォードの家を出て街で薬屋を開業し、事業が軌道に乗ったらシャロンに求婚しにくるつもりだったらしい。
だが、奥方が『どうして平民になろうとするの?婿入りすればいい話じゃない』と簡単にそう言ってのけたそうだ。
ハディスは『意味わからん』と嘆くように呟いて、頭を掻きむしる。
彼が知る限り、領地に関しては長兄であるユアンが引き継ぐ予定だったはず。
「兄上は何て言ってるんだ?」
「『僕はそんなに器用な方じゃないから、宮廷医師に集中できるならむしろそのほうが有難い』とおっしゃっていました」
「確かに兄上はあんまり領地経営とか向いてないけども!」
「そういう経緯もあってユアン兄様は、あとはハディス次第だとおっしゃっていました」
「俺次第かぁ…。確かに俺も領地を継ぐ余裕はないけど…」
ユアンが管理できないのなら、ハディスが継ぐのが普通だが、正直は彼には王太子の下僕としての任務で手一杯だ。領地管理はシャロンとその夫に任せるのも一つの手である。
「ちなみに今は、領地にいらっしゃるお祖父様からの返事待ちだけど、お母様曰く『引退したがっていたから問題ないわ』とのこのです」
「何でみんな、そんな適当なの…」
「社交界での評判とか、お母様もユアン兄様も気にしてないのらしいです」
シャロンの母はもともと孤高の一匹狼タイプなので、誰にどう思われようがどうでも良いという人だ。
そしてユアンの想い人は娼館にいる女王様なので、社交界でモテずとも特に問題ない。
「なんだ、それ…。兄上は結婚する気がないのか?」
「どうなんでしょうね。ユアン様の場合、女王様気質の気が強めの女性が現れたらすぐにでも結婚しそう」
「確かに…。よし、適当に女王様っぽい女性を用意するか」
「兄様、先に言っておきますけど、私の友人は紹介できませんからね」
「なに言ってんだ?お前友達いないだろ?あれか?イマジナリーフレンドってやつか……って嘘!嘘です!ごめんなさい!痛い痛い痛い!」
失言してしまったハディスは、布団の中で手をつねられて叫んだ。爪を立てて拗ねるなど、悪意しかない。
「話が逸れてますよ、兄様」
「わかってるよ。はぁ…」
「正直、当主であるユアン兄様の許可を得ているので、わざわざハディス兄様の許可を取らなくてもいいんですけどね。一応家族なので認めて貰いたいです」
「一応じゃなくて正真正銘の家族だからね?」
「認めてくれますか?」
「なんかもう、『好きにすれば?』と言いたいところだが、素直にそう言いたくはない気もする…」
「理由は?」
そう問われて、ハディスはまた仰向けに寝転がった。そして『うーん』と唸るような声を出しつつ悩む。
シャロンの言う通り、当主が許可している関係を今更否定する権利など彼にはない。
しかし、彼にはどうしても譲れないものがあった。
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