87 / 149
第三章 アッシュフォード男爵夫人
6:突然の訪問者(2)
しおりを挟む
まるでティアラのように器用に編み込まれた錫色の髪と、ブルースターの髪飾りに、控えめだが顔色が明るく見えるメイク。
そしてイアンから送られた、胸元を華やかに飾る上品な金糸の刺繍と肩のレースが特徴的な濃紺のドレス。
彼の独占欲がむき出しなそのドレスに身を包んだアイシャは愛らしさの中にも大人の色気が溢れ出しており、ランは満足げに鼻を鳴らしつつ、サロンの扉を開けた。
「ようこそお越しくださいました。伯爵様」
この屋敷の女主人らしく挨拶をするアイシャ。母親より母親らしかったエレノア子爵夫人仕込みのカーテシーを披露した。
(一体、何をしにきたんだろう)
確かに招待状は送ったが、まさかこうして突然会いに来るとは思わなかった。
アイシャは相手の様子を伺うように、ゆっくりと顔を上げる。
すると尊大な態度でソファにふんぞり返っていた父も、出された紅茶にら文句を言っていた母も、そして体が弱いからという理由でアッシュフォード行きがなくなったはずのベアトリーチェも、全員がポカンと口を開けてこちらを見ていた。
「……どうかなさいましたか?」
あまりに間抜けな顔をするものだから、アイシャも何だか拍子抜けだ。
キョトンとするアイシャを呆然と見つめながら、ベアトリーチェはボソッと呟いた。
「お姉様、なの?」
ベアトリーチェの知るアイシャはこんなに美しい姉ではなかった。こんな風に自信満々に微笑む姉ではなかった。
彼女の中のアイシャはいつも自信がなく、俯いてばかりの地味な人だった。大人しく聞き分けが良く、優しいだけが取り柄の、そんな人だったはずだ。
それなのに……。
「随分と変わってしまったのですね」
まるで、変わってしまったことを残念がるような言い方だ。自分より下だと思っていた人間が、実はそうではないのだと知ってしまったかのように、激しく困惑するベアトリーチェ。
アイシャは彼女が何故、そこまで動揺しているのか理解できず、首を傾げた。
「この装いは令嬢のお好みではありませんでしたか?気に障ってしまったのなら謝ります」
「い、いいえ。そんなこと……」
「そんなことないわよ、アイシャ!とてもよく似合っているわ。さすがは私の娘ね!」
ベアトリーチェの答えを遮り、夫人がアイシャを褒める。予想だにしていなかったその行動に、アイシャは目を丸くした。
この人は一度だって、ベアトリーチェの前でアイシャを褒めたことなどなかったのに。
「……えーっと、夫人?」
「嫌だわ、アイシャ。親子でしょう?そんな他人行儀な呼び方はやめて?」
「そうだぞ、アイシャ。私たちは親子ではないか。私たちの可愛い娘よ」
夫人の言葉に同意するように、伯爵もうんうんと頷く。
わざとらしいくらいの擦り寄りだ。
何か裏があるのはわかりきっているのに、それでも情けないことに、アイシャの心は少しばかり揺れてしまう。
『私たちの子』、だなんて言われた記憶がないから、馬鹿だと思いながらも期待してしまう。
血の呪いとはとても恐ろしいものだ。ありえないと分かりながらも、愛情を求めてしまうのだから。
「お、お父様、お母様……。私……」
声が震える。恥ずかしい。情けない。
アイシャは顔を伏せ、彼ら前に座った。
「あの、お母様……」
「アイシャ、いいのよ。家を出る時のことは、私たちも悪かったと思っているの。突然のことで私たちも混乱してしまって……。でも今思うと、あなたの気持ちをもう少し汲んであげるべきだったと反省しているのよ。だからあなたの態度を責めるつもりはないわ。お互いに悪かったのだから、謝らないで?」
「……そう、ですか」
「それに、ベティもあなたとあんな風に別れてしまったことをとても後悔していたのよ。ねえ、ベティ?」
「は、はい……。あの、お姉様……」
話を振られたベアトリーチェは、可愛らしいピンクのドレスをキュッと握りしめ、上目遣いでアイシャを見た。
その透き通った碧の瞳は少し潤んでいて、きっと男ならば彼女にこんな風に見つめられただけで全てがどうでも良くなってしまうのだろう。
不安げにこちらを見つめる妹の様子に、アイシャは少しだけ罪悪感を感じた。ブランチェットの屋敷出る際に辛く当たってしまったことを思い出したのだ。
だから昔のように優しく「なあに?」と返した。
すると、ベアトリーチェの表情はパァッと明るくなった。
「お姉様、あのね。私はあの時、お姉様にああ言われてとても傷つきました。けれど、お姉様も混乱していただけだったのですよね」
「……そうね。混乱は、していたかもしれないわ」
「きっと突然の結婚話で心が少しばかり荒んでしまっていただけだと思うのです」
「まあ、荒んではいたかもしれないわ」
「そうですよね!?だから私、お姉様のことを許します!ですからお姉様、仲直りをしませんか?」
ベアトリーチェはピンと肘を伸ばして、アイシャに握手を求めた。
きっと彼女も夫人も、自分がものすごく上から目線で発言していることに気づいていないのだろう。
どこまでもアイシャを見下している。それも無意識に、だ。一番タチが悪い。
彼女たちとアイシャの関係性を知るランは衝動的に言葉を発しないよう、必死に唇を噛み締めた。
少し、血の味がする。テオドールはそんな彼女の手を握ってやった。
「ラン、耐えなさい」
「……」
貴族の会話に割って入る権利などランにはない。小声でそう諭されたランは小さく頷いた。
声を出しては考え得る限りの罵詈雑言が全部口から溢れて出てしまいそうだから。
すると、アイシャは貴婦人らしく扇を広げ、口元を隠した。
そしてフッと笑みをこぼす。どこか小馬鹿にしたような嘲りが垣間見える笑みだ。
「……そうですね、私もお二人を許します。ここに送ってくださったお二人には感謝していますから」
目には目を、歯には歯を、上から目線には上から目線を。
尊大な態度でそう返したアイシャに、夫人もベアトリーチェも不快そうに眉を顰めた。
アイシャが『許してくださってありがとうございます』と頭を下げることを期待していたのだろう。アイシャはそれを望まれていることを知りながらも、彼女たちの望み通りにはしなかった。
揺れた気持ちを、やはり勘違いだと思わせてくれた二人には感謝だ。
そしてイアンから送られた、胸元を華やかに飾る上品な金糸の刺繍と肩のレースが特徴的な濃紺のドレス。
彼の独占欲がむき出しなそのドレスに身を包んだアイシャは愛らしさの中にも大人の色気が溢れ出しており、ランは満足げに鼻を鳴らしつつ、サロンの扉を開けた。
「ようこそお越しくださいました。伯爵様」
この屋敷の女主人らしく挨拶をするアイシャ。母親より母親らしかったエレノア子爵夫人仕込みのカーテシーを披露した。
(一体、何をしにきたんだろう)
確かに招待状は送ったが、まさかこうして突然会いに来るとは思わなかった。
アイシャは相手の様子を伺うように、ゆっくりと顔を上げる。
すると尊大な態度でソファにふんぞり返っていた父も、出された紅茶にら文句を言っていた母も、そして体が弱いからという理由でアッシュフォード行きがなくなったはずのベアトリーチェも、全員がポカンと口を開けてこちらを見ていた。
「……どうかなさいましたか?」
あまりに間抜けな顔をするものだから、アイシャも何だか拍子抜けだ。
キョトンとするアイシャを呆然と見つめながら、ベアトリーチェはボソッと呟いた。
「お姉様、なの?」
ベアトリーチェの知るアイシャはこんなに美しい姉ではなかった。こんな風に自信満々に微笑む姉ではなかった。
彼女の中のアイシャはいつも自信がなく、俯いてばかりの地味な人だった。大人しく聞き分けが良く、優しいだけが取り柄の、そんな人だったはずだ。
それなのに……。
「随分と変わってしまったのですね」
まるで、変わってしまったことを残念がるような言い方だ。自分より下だと思っていた人間が、実はそうではないのだと知ってしまったかのように、激しく困惑するベアトリーチェ。
アイシャは彼女が何故、そこまで動揺しているのか理解できず、首を傾げた。
「この装いは令嬢のお好みではありませんでしたか?気に障ってしまったのなら謝ります」
「い、いいえ。そんなこと……」
「そんなことないわよ、アイシャ!とてもよく似合っているわ。さすがは私の娘ね!」
ベアトリーチェの答えを遮り、夫人がアイシャを褒める。予想だにしていなかったその行動に、アイシャは目を丸くした。
この人は一度だって、ベアトリーチェの前でアイシャを褒めたことなどなかったのに。
「……えーっと、夫人?」
「嫌だわ、アイシャ。親子でしょう?そんな他人行儀な呼び方はやめて?」
「そうだぞ、アイシャ。私たちは親子ではないか。私たちの可愛い娘よ」
夫人の言葉に同意するように、伯爵もうんうんと頷く。
わざとらしいくらいの擦り寄りだ。
何か裏があるのはわかりきっているのに、それでも情けないことに、アイシャの心は少しばかり揺れてしまう。
『私たちの子』、だなんて言われた記憶がないから、馬鹿だと思いながらも期待してしまう。
血の呪いとはとても恐ろしいものだ。ありえないと分かりながらも、愛情を求めてしまうのだから。
「お、お父様、お母様……。私……」
声が震える。恥ずかしい。情けない。
アイシャは顔を伏せ、彼ら前に座った。
「あの、お母様……」
「アイシャ、いいのよ。家を出る時のことは、私たちも悪かったと思っているの。突然のことで私たちも混乱してしまって……。でも今思うと、あなたの気持ちをもう少し汲んであげるべきだったと反省しているのよ。だからあなたの態度を責めるつもりはないわ。お互いに悪かったのだから、謝らないで?」
「……そう、ですか」
「それに、ベティもあなたとあんな風に別れてしまったことをとても後悔していたのよ。ねえ、ベティ?」
「は、はい……。あの、お姉様……」
話を振られたベアトリーチェは、可愛らしいピンクのドレスをキュッと握りしめ、上目遣いでアイシャを見た。
その透き通った碧の瞳は少し潤んでいて、きっと男ならば彼女にこんな風に見つめられただけで全てがどうでも良くなってしまうのだろう。
不安げにこちらを見つめる妹の様子に、アイシャは少しだけ罪悪感を感じた。ブランチェットの屋敷出る際に辛く当たってしまったことを思い出したのだ。
だから昔のように優しく「なあに?」と返した。
すると、ベアトリーチェの表情はパァッと明るくなった。
「お姉様、あのね。私はあの時、お姉様にああ言われてとても傷つきました。けれど、お姉様も混乱していただけだったのですよね」
「……そうね。混乱は、していたかもしれないわ」
「きっと突然の結婚話で心が少しばかり荒んでしまっていただけだと思うのです」
「まあ、荒んではいたかもしれないわ」
「そうですよね!?だから私、お姉様のことを許します!ですからお姉様、仲直りをしませんか?」
ベアトリーチェはピンと肘を伸ばして、アイシャに握手を求めた。
きっと彼女も夫人も、自分がものすごく上から目線で発言していることに気づいていないのだろう。
どこまでもアイシャを見下している。それも無意識に、だ。一番タチが悪い。
彼女たちとアイシャの関係性を知るランは衝動的に言葉を発しないよう、必死に唇を噛み締めた。
少し、血の味がする。テオドールはそんな彼女の手を握ってやった。
「ラン、耐えなさい」
「……」
貴族の会話に割って入る権利などランにはない。小声でそう諭されたランは小さく頷いた。
声を出しては考え得る限りの罵詈雑言が全部口から溢れて出てしまいそうだから。
すると、アイシャは貴婦人らしく扇を広げ、口元を隠した。
そしてフッと笑みをこぼす。どこか小馬鹿にしたような嘲りが垣間見える笑みだ。
「……そうですね、私もお二人を許します。ここに送ってくださったお二人には感謝していますから」
目には目を、歯には歯を、上から目線には上から目線を。
尊大な態度でそう返したアイシャに、夫人もベアトリーチェも不快そうに眉を顰めた。
アイシャが『許してくださってありがとうございます』と頭を下げることを期待していたのだろう。アイシャはそれを望まれていることを知りながらも、彼女たちの望み通りにはしなかった。
揺れた気持ちを、やはり勘違いだと思わせてくれた二人には感謝だ。
92
あなたにおすすめの小説
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
婚約白紙?上等です!ローゼリアはみんなが思うほど弱くない!
志波 連
恋愛
伯爵令嬢として生まれたローゼリア・ワンドは婚約者であり同じ家で暮らしてきたひとつ年上のアランと隣国から留学してきた王女が恋をしていることを知る。信じ切っていたアランとの未来に決別したローゼリアは、友人たちの支えによって、自分の道をみつけて自立していくのだった。
親たちが子供のためを思い敷いた人生のレールは、子供の自由を奪い苦しめてしまうこともあります。自分を見つめ直し、悩み傷つきながらも自らの手で人生を切り開いていく少女の成長物語です。
本作は小説家になろう及びツギクルにも投稿しています。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
政略結婚した旦那様に「貴女を愛することはない」と言われたけど、猫がいるから全然平気
ハルイロ
恋愛
皇帝陛下の命令で、唐突に決まった私の結婚。しかし、それは、幸せとは程遠いものだった。
夫には顧みられず、使用人からも邪険に扱われた私は、与えられた粗末な家に引きこもって泣き暮らしていた。そんな時、出会ったのは、1匹の猫。その猫との出会いが私の運命を変えた。
猫達とより良い暮らしを送るために、夫なんて邪魔なだけ。それに気付いた私は、さっさと婚家を脱出。それから数年、私は、猫と好きなことをして幸せに過ごしていた。
それなのに、なぜか態度を急変させた夫が、私にグイグイ迫ってきた。
「イヤイヤ、私には猫がいればいいので、旦那様は今まで通り不要なんです!」
勘違いで妻を遠ざけていた夫と猫をこよなく愛する妻のちょっとずれた愛溢れるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる