怖いお話。短編集

赤羽こうじ

文字の大きさ
51 / 87

ドッペルゲンガー 変化

しおりを挟む

 その後その日の授業も終え、響香が帰りの支度をしていると淳士の方から声を掛けた。

「響香、今日何か予定ある?」

 予期していなかった淳士からの問い掛けに響香も少し戸惑いながら首を振った。

「えっ、無いよ。どうかした?」

「あ、いや、その、たまには帰り何処か寄らないかなって思って」

 少し照れながらそう言う淳士を見て、響香が破顔する。

「いいよ、たまには私が付き合ってあげよう」

 そう言って響香は元気に立ち上がると寄り添う様に淳士の横に立った。少しはにかみながら二人並んで歩いて行く。

「今日は雄一君良かったの?」

 街中を歩きながら響香が少し口角を上げて問い掛ける。微笑む響香の顔からはやや意地悪な印象も受けた。

「別に毎日一緒じゃなくていいだろ。それに雄一は今日バイトだし」

「ああなるほど。で、私を仕方なく誘った感じ?」

 言葉の端々に棘のような物を感じながら淳士が笑って首を振る。

「違うって。響香と二人で出かけた事ってあまりなかったからたまにはどうかと思って」

「へぇ、まぁいいけどさ」

 淳士の言う通り学校で仲良く話す二人だったが二人っきりで出かけた事はなかった。
 少しぎこちない淳士を嘲笑うかの様に響香が笑顔で明るく語り掛ける。

「ねぇせっかくだからちょっと行きたい所あるんだけどいいかな?」

「ああ勿論いいけど」

 響香は満面の笑みを見せると淳士を引き連れる様に先を歩き出し、街角にある小さな喫茶店へと辿り着いた。

「ここのカップル限定メニューのケーキ食べてみたかったんだよね」

 カップル限定――。

 その響きに淳士も思わず笑みがこぼれる。カップル限定とはいえ、男女のペアなら大丈夫だったが周りからはそう見られるかもと、思っただけで淳士は嬉しくなっていた。

 運ばれてきたケーキを目の前で美味しそうに頬張る響香を見て朗らかな気持ちになっていた時、ふと窓から外に目をやると雄一に似た人物が歩く姿が目に入った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

意味が分かると、分からないと怖い話【体験談+】

緑川
ホラー
ショートショートの寄せ集め。 幻想的から現実味溢れるものなど様々、存在。 出来の良し悪しについては格差あるので悪しからず。

本当にあった不思議なストーリー

AA.A
ホラー
筆者の実体験をまとめた、本当にあった不思議な話しです。筆者は幼い頃から様々な科学では説明のつかない経験をしてきました。当時はこのような事をお話ししても気持ちが悪い、変な子、と信じてもらえなかった事が多かったので、全て自分の中に封印してきた事柄です。この場をおかりして皆様にシェア出来る事を嬉しく思います。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

意味がわかると怖い話

井見虎和
ホラー
意味がわかると怖い話 答えは下の方にあります。 あくまで私が考えた答えで、別の考え方があれば感想でどうぞ。

処理中です...