9 / 15
9
しおりを挟む
家に帰り着いた時、俺は心身ともに完全に疲弊していた。
ヒナは泣き疲れて、俺の腕の中で眠ってしまっている。
その寝顔は安らかだったが、俺の心は激しい嵐が吹き荒れるようだった。
ヒナをそっとベッドに寝かせ、俺はリビングで充電中のジカンの前に仁王立ちになった。
「説明しろ、ジカン」
俺は感情を押し殺し、静かに言った。
「桜木さんが、そうなのか。俺の、未来の妻なのか」
ジカンは数秒の沈黙の後、いつもと変わらない平坦な声で答えた。
「その問いに対して、肯定も否定もできません」
「ふざけるな!」
俺は、抑えていた感情を爆発させた。
「あんたは全部知ってるんだろ!彼女の夫は、どうなるんだ!俺は人の家庭を壊して、幸せになるような未来を望んでなんかない!」
俺の怒声にも、ジカンは全く動じなかった。
「未来は、未確定です。相生健人、あなたの選択が未来を形成します」
「選択だと?俺に、何を選べって言うんだ!」
「情報の過剰な開示は、あなたの自由意志を阻害し最良の未来から遠ざける可能性があります。それが、私の回答です」
暖簾に腕押し。
この機械仕掛けのぬいぐるみには、俺の焦りも苦しみも何も届かない。
俺は無力感に打ちひしがれ、その場に崩れるように座り込んだ。
もう、何もかもが分からない。
どうすれば、誰も不幸にならない未来にたどり着けるんだ。
俺が頭を抱えていた、その時だった。
ジカンの目が、再び淡い光を放った。
「ミッション遂行の膠着状態を打破するため、新たな参考情報を提示します。これはあなたが誤った選択をした場合に発生しうる、可能性の一つです」
目の前の空間が、陽炎のように揺らめく。
そしてそこに映し出されたのは、見慣れた、しかし荒れ果てた俺の部屋だった。
未来の、あの孤独な部屋だ。
観葉植物は枯れ果て、床には埃が積もっている。
だが今回は、何かが違った。
カメラは部屋に置かれたカレンダーを、ゆっくりと映し出す。
日付は、今から十年以上も先を示していた。
そして、次の瞬間。
カメラは、雨に濡れる窓の外に向けられた。
そこにはトレンチコートを着た女性の後ろ姿が、映っていた。
傘も差さずに雨の中を、ゆっくりと遠ざかっていく。
顔は、見えない。
だがそのトレンチコートの形には、見覚えがあった。
今日、桜木さんが着ていたものとよく似ていた。
映像は、そこでぷつりと途切れた。
俺は、息を飲む。
あれは、桜木さんなのか。
彼女が、俺の元から去っていく未来。
それとも、あれは全く別の誰かなのか。
あまりにも曖昧で、残酷な断片。
それは俺の混乱を、さらに加速させるだけだった。
俺は、震える手で顔を覆った。
もう、考えるのが怖かった。
一歩、足を踏み出すのが怖かった。
俺が絶望の淵で動けなくなっていると、不意に玄関のチャイムが鳴った。
こんな時間に、誰だ。
恐る恐るドアスコープを覗くと、そこに立っていたのは隣の部屋の老婦人だった。
俺は今の自分の顔を誰にも見られたくなかったが、無視するわけにもいかずドアを開けた。
「こんばんは。さっき、お嬢さんと帰ってこられた時なんだか、とても辛そうな顔をなさっていたから。心配になってしまって」
老婦人は優しい目で、俺の顔を覗き込んだ。
「……すみません。何でも、ないです」
「そう。それなら、いいのだけれど」
彼女は、それ以上は何も聞いてこなかった。
ただ静かに、こう続けた。
「子育てっていうのはね、先のことを考えすぎると動けなくなってしまうものよ。明日のご飯のこと、来年の誕生日のこと、十年後の進路のこと。考え始めたら、きりがないわ」
老婦人は自分の皺の刻まれた手を見つめながら、穏やかに言った。
「でもね子供は、未来のために生きてるんじゃない。今、この瞬間のために生きてるのよ」
彼女の言葉が俺の心の、固く凍りついた部分にじんわりと染み込んでいくようだった。
「だからねお父さんは、難しい顔して未来を憂うより、目の前の笑顔をただ見てあげていればいいの。今日の楽しかったことは何だったのか。今は、何をして遊びたいのか。その一つ一つに応えてあげることだけがきっと、一番正しい未来に繋がっていくんだと私は思うわ」
老婦人はにっこりと笑うと「お節介、焼きましたね」と言って、自分の部屋に戻っていった。
俺は閉まったドアの前で、しばらく立ち尽くした。
目の前の、笑顔。
俺ははっとして、リビングにいるヒナの元へ向かった。
ヒナはいつの間にか目を覚まし、床に広げたスケッチブックに何かを描いていた。
俺がそっと後ろから覗き込むと、そこには拙い線で描かれた四人の人物がいた。
俺と、ヒナ。
そして、桜木さんと湊くん。
四人がテーブルを囲んで、ニコニコ笑いながらハンバーグを食べている絵だった。
その絵には何の曇りも、悲しみも、複雑な未来への不安もなかった。
ただ、今日少しだけ一緒に遊んだ新しい友達とまた遊びたい、という純粋な願いだけがそこにあった。
それを見た瞬間、俺の中で何かがすとんと腑に落ちた。
そうだ。
俺は、何て馬鹿だったんだ。
未来の謎を解くことが、俺の仕事じゃない。
ジカンが見せる断片に、怯えることでもない。
俺の仕事は、この絵を守ることだ。
ヒナのこの純粋な願いを、叶えてやることだ。
たとえその先に、どんな未来が待っていようとも。
人との繋がりを恐れて、ヒナから笑顔を奪うことだけは絶対にしてはいけない。
それが、未来の孤独な俺を作らない唯一の方法なんだ。
俺は床に膝をつき、ヒナの隣に座った。
「ヒナ、上手だな。これ、またみんなで食べに行きたいのか?」
俺が尋ねると、ヒナはこくこくと力強く頷いた。
「うん!みなとくんと、またブロックやりたい!ハンバーグも、たべたい!」
その笑顔は、俺が進むべき道をはっきりと照らし出していた。
俺は、クレヨンを一本手に取った。
そしてヒナの描いた絵の背景に、大きな青い空を描き足してやった。
「よし。じゃあ今度、パパがもっと美味しいハンバーグ、作ってやるよ」
「ほんと!?」
「ああ。それから桜木さんにも、ちゃんと謝らないとな。今日の、お礼も言わなきゃ」
俺は自分の口から、自然とそんな言葉が出てくることに少しだけ驚いていた。
もう、迷わない。
俺は、繋がりを選ぶ。
たとえそれが、不確定な未来への入り口だとしても。
この小さな手を、離さないこと。
目の前の笑顔を、信じること。
それが俺が見つけ出した、たった一つのシンプルな答えだった。
俺はヒナの柔らかな髪を撫でながら、心の中でそっと決意を固めていた。
ヒナは泣き疲れて、俺の腕の中で眠ってしまっている。
その寝顔は安らかだったが、俺の心は激しい嵐が吹き荒れるようだった。
ヒナをそっとベッドに寝かせ、俺はリビングで充電中のジカンの前に仁王立ちになった。
「説明しろ、ジカン」
俺は感情を押し殺し、静かに言った。
「桜木さんが、そうなのか。俺の、未来の妻なのか」
ジカンは数秒の沈黙の後、いつもと変わらない平坦な声で答えた。
「その問いに対して、肯定も否定もできません」
「ふざけるな!」
俺は、抑えていた感情を爆発させた。
「あんたは全部知ってるんだろ!彼女の夫は、どうなるんだ!俺は人の家庭を壊して、幸せになるような未来を望んでなんかない!」
俺の怒声にも、ジカンは全く動じなかった。
「未来は、未確定です。相生健人、あなたの選択が未来を形成します」
「選択だと?俺に、何を選べって言うんだ!」
「情報の過剰な開示は、あなたの自由意志を阻害し最良の未来から遠ざける可能性があります。それが、私の回答です」
暖簾に腕押し。
この機械仕掛けのぬいぐるみには、俺の焦りも苦しみも何も届かない。
俺は無力感に打ちひしがれ、その場に崩れるように座り込んだ。
もう、何もかもが分からない。
どうすれば、誰も不幸にならない未来にたどり着けるんだ。
俺が頭を抱えていた、その時だった。
ジカンの目が、再び淡い光を放った。
「ミッション遂行の膠着状態を打破するため、新たな参考情報を提示します。これはあなたが誤った選択をした場合に発生しうる、可能性の一つです」
目の前の空間が、陽炎のように揺らめく。
そしてそこに映し出されたのは、見慣れた、しかし荒れ果てた俺の部屋だった。
未来の、あの孤独な部屋だ。
観葉植物は枯れ果て、床には埃が積もっている。
だが今回は、何かが違った。
カメラは部屋に置かれたカレンダーを、ゆっくりと映し出す。
日付は、今から十年以上も先を示していた。
そして、次の瞬間。
カメラは、雨に濡れる窓の外に向けられた。
そこにはトレンチコートを着た女性の後ろ姿が、映っていた。
傘も差さずに雨の中を、ゆっくりと遠ざかっていく。
顔は、見えない。
だがそのトレンチコートの形には、見覚えがあった。
今日、桜木さんが着ていたものとよく似ていた。
映像は、そこでぷつりと途切れた。
俺は、息を飲む。
あれは、桜木さんなのか。
彼女が、俺の元から去っていく未来。
それとも、あれは全く別の誰かなのか。
あまりにも曖昧で、残酷な断片。
それは俺の混乱を、さらに加速させるだけだった。
俺は、震える手で顔を覆った。
もう、考えるのが怖かった。
一歩、足を踏み出すのが怖かった。
俺が絶望の淵で動けなくなっていると、不意に玄関のチャイムが鳴った。
こんな時間に、誰だ。
恐る恐るドアスコープを覗くと、そこに立っていたのは隣の部屋の老婦人だった。
俺は今の自分の顔を誰にも見られたくなかったが、無視するわけにもいかずドアを開けた。
「こんばんは。さっき、お嬢さんと帰ってこられた時なんだか、とても辛そうな顔をなさっていたから。心配になってしまって」
老婦人は優しい目で、俺の顔を覗き込んだ。
「……すみません。何でも、ないです」
「そう。それなら、いいのだけれど」
彼女は、それ以上は何も聞いてこなかった。
ただ静かに、こう続けた。
「子育てっていうのはね、先のことを考えすぎると動けなくなってしまうものよ。明日のご飯のこと、来年の誕生日のこと、十年後の進路のこと。考え始めたら、きりがないわ」
老婦人は自分の皺の刻まれた手を見つめながら、穏やかに言った。
「でもね子供は、未来のために生きてるんじゃない。今、この瞬間のために生きてるのよ」
彼女の言葉が俺の心の、固く凍りついた部分にじんわりと染み込んでいくようだった。
「だからねお父さんは、難しい顔して未来を憂うより、目の前の笑顔をただ見てあげていればいいの。今日の楽しかったことは何だったのか。今は、何をして遊びたいのか。その一つ一つに応えてあげることだけがきっと、一番正しい未来に繋がっていくんだと私は思うわ」
老婦人はにっこりと笑うと「お節介、焼きましたね」と言って、自分の部屋に戻っていった。
俺は閉まったドアの前で、しばらく立ち尽くした。
目の前の、笑顔。
俺ははっとして、リビングにいるヒナの元へ向かった。
ヒナはいつの間にか目を覚まし、床に広げたスケッチブックに何かを描いていた。
俺がそっと後ろから覗き込むと、そこには拙い線で描かれた四人の人物がいた。
俺と、ヒナ。
そして、桜木さんと湊くん。
四人がテーブルを囲んで、ニコニコ笑いながらハンバーグを食べている絵だった。
その絵には何の曇りも、悲しみも、複雑な未来への不安もなかった。
ただ、今日少しだけ一緒に遊んだ新しい友達とまた遊びたい、という純粋な願いだけがそこにあった。
それを見た瞬間、俺の中で何かがすとんと腑に落ちた。
そうだ。
俺は、何て馬鹿だったんだ。
未来の謎を解くことが、俺の仕事じゃない。
ジカンが見せる断片に、怯えることでもない。
俺の仕事は、この絵を守ることだ。
ヒナのこの純粋な願いを、叶えてやることだ。
たとえその先に、どんな未来が待っていようとも。
人との繋がりを恐れて、ヒナから笑顔を奪うことだけは絶対にしてはいけない。
それが、未来の孤独な俺を作らない唯一の方法なんだ。
俺は床に膝をつき、ヒナの隣に座った。
「ヒナ、上手だな。これ、またみんなで食べに行きたいのか?」
俺が尋ねると、ヒナはこくこくと力強く頷いた。
「うん!みなとくんと、またブロックやりたい!ハンバーグも、たべたい!」
その笑顔は、俺が進むべき道をはっきりと照らし出していた。
俺は、クレヨンを一本手に取った。
そしてヒナの描いた絵の背景に、大きな青い空を描き足してやった。
「よし。じゃあ今度、パパがもっと美味しいハンバーグ、作ってやるよ」
「ほんと!?」
「ああ。それから桜木さんにも、ちゃんと謝らないとな。今日の、お礼も言わなきゃ」
俺は自分の口から、自然とそんな言葉が出てくることに少しだけ驚いていた。
もう、迷わない。
俺は、繋がりを選ぶ。
たとえそれが、不確定な未来への入り口だとしても。
この小さな手を、離さないこと。
目の前の笑顔を、信じること。
それが俺が見つけ出した、たった一つのシンプルな答えだった。
俺はヒナの柔らかな髪を撫でながら、心の中でそっと決意を固めていた。
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯
☆ほしい
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。
でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。
今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。
なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。
今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。
絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。
それが、いまのレナの“最強スタイル”。
誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。
そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
元商社マンの俺、異世界と日本を行き来できるチートをゲットしたので、のんびり貿易商でも始めます~現代の便利グッズは異世界では最強でした~
黒崎隼人
ファンタジー
「もう限界だ……」
過労で商社を辞めた俺、白石悠斗(28)が次に目覚めた場所は、魔物が闊歩する異世界だった!?
絶体絶命のピンチに発現したのは、現代日本と異世界を自由に行き来できる【往還の門】と、なんでも収納できる【次元倉庫】というとんでもないチートスキル!
「これ、最強すぎないか?」
試しにコンビニのレトルトカレーを村人に振る舞えば「神の食べ物!」と崇められ、百均のカッターナイフが高級品として売れる始末。
元商社マンの知識と現代日本の物資を武器に、俺は異世界で商売を始めることを決意する。
食文化、技術、物流――全てが未発達なこの世界で、現代知識は無双の力を発揮する!
辺境の村から成り上がり、やがては世界経済を、そして二つの世界の運命をも動かしていく。
元サラリーマンの、異世界成り上がり交易ファンタジー、ここに開店!
【完結】『左遷女官は風花の離宮で自分らしく咲く』 〜田舎育ちのおっとり女官は、氷の貴公子の心を溶かす〜
天音蝶子(あまねちょうこ)
キャラ文芸
宮中の桜が散るころ、梓乃は“帝に媚びた”という濡れ衣を着せられ、都を追われた。
行き先は、誰も訪れぬ〈風花の離宮〉。
けれど梓乃は、静かな時間の中で花を愛で、香を焚き、己の心を見つめなおしていく。
そんなある日、離宮の監察(監視)を命じられた、冷徹な青年・宗雅が現れる。
氷のように無表情な彼に、梓乃はいつも通りの微笑みを向けた。
「茶をお持ちいたしましょう」
それは、春の陽だまりのように柔らかい誘いだった——。
冷たい孤独を抱く男と、誰よりも穏やかに生きる女。
遠ざけられた地で、ふたりの心は少しずつ寄り添いはじめる。
そして、帝をめぐる陰謀の影がふたたび都から伸びてきたとき、
梓乃は自分の選んだ“幸せの形”を見つけることになる——。
香と花が彩る、しっとりとした雅な恋愛譚。
濡れ衣で左遷された女官の、静かで強い再生の物語。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる