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シャンデリアの無数の水晶が放つ光が、磨き上げられた大理石の床に乱反射している。ここは王立アカデミーの卒業記念パーティーが開かれる大ホール。きらびやかなドレスを纏った令嬢たちと、真新しい礼装に身を包んだ貴公子たちが、楽しげに談笑し、優雅に踊る。その華やかな喧騒の片隅で、私は息を潜めるように壁の花を演じていた。
私の名前はエリアーナ・フォン・ヴァイスランド。国土の北端、魔境と隣接する厳しい土地を守る辺境伯家の長女。そして、この国の次代の王、ジュリアス・レオン・クライン陛下の、ただ一人の婚約者。
本来であれば、私が彼の隣に立つべきなのだろう。幼い頃から、その一点のためだけに教育を受け、感情を殺し、全てを捧げてきたのだから。けれど、今の彼の隣には、私ではない別の女性が寄り添っている。
桜色の髪をふわりと揺らし、庇護欲を掻き立てる大きな瞳を潤ませる彼女。半年前、突如として異世界から召喚された「聖女」ユナ様だ。その圧倒的な美貌と、人々を癒やすという聖なる御業で、彼女は瞬く間に王宮の人々の心を掴んでしまった。王太子であるジュリアス殿下も、その例外ではなかった。むしろ、誰よりも深く、彼女に心酔しているように見えた。
二人の姿は、まるで物語の一場面のようだ。輝くばかりの美男美女が寄り添い、周囲の誰もが祝福の眼差しを向けている。私は遠巻きにその光景を眺めながら、心の内で静かに息を吐いた。悲しみも、嫉妬も、とうの昔に通り過ぎて、今はただ諦めにも似た静寂が心を支配していた。
「エリアーナ・フォン・ヴァイスランド!」
凛とした、しかし怒りに満ちた声がホールに響き渡った。音楽が止み、全ての会話が途切れる。全ての視線が、まるで鋭い槍のように、ホールの隅に立つ私に突き刺さった。声の主は、私の婚約者であるジュリアス殿下。彼は聖女ユナ様の肩を優しく抱き寄せ、まるで私を断罪する罪人であるかのように、まっすぐにこちらを睨みつけていた。
彼の隣で、ユナ様はさらに儚げに身を震わせる。その姿は、悪役に虐げられる悲劇のヒロインそのものだった。
「貴様という女は、どこまで陰湿なのだ!この心優しきユナが、貴様からどれほどの嫌がらせを受けてきたか、私は全て知っているぞ!」
ジュリアス殿下の声が、静まり返ったホールに厳しく響く。
嫌がらせ? 私が、ユナ様に?
全くもって初耳だった。私は殿下の婚約者という立場上、波風を立てぬよう、彼女とは当たり障りなく接してきたつもりだ。むしろ、異世界から来て心細いだろう彼女を気遣い、公の場では常に立ててきた自負さえある。私の知る限り、彼女に嫌がらせなどした覚えは微塵もなかった。
しかし、私の内心の戸惑いなどお構いなしに、殿下の隣でユナ様はさらに涙をこぼした。「私が至らないばかりに、エリアーナ様を不快にさせてしまって……」とか細い声で呟く。その一言が、私の弁明の機会を永遠に奪い去り、私の罪を確定させた。
ああ、そうか。これが、今日の茶番の筋書きか。
周囲から聞こえてくるのは、もはや遠慮のない囁き声だった。
「やはり辺境伯の娘は野蛮だわ。聖女様のお優しさにつけこんで」
「聖女様がお可哀想に。あんな地味な女の嫉妬は見苦しいにもほどがある」
「王太子殿下も、ようやく決心がついたのね」
誰も、私の言葉を聞こうとはしない。誰も、真実を知ろうとはしない。彼らが信じたいのは、美しく心優しい聖女様と、彼女を守る勇敢な王太子という、甘美な物語だけなのだ。
ジュリアス殿下は、満足げに口の端を吊り上げると、最終宣告を高らかに突きつけた。
「よって、今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!そして、私の真の伴侶として、聖女ユナを妃に迎えることをここに宣言する!」
わあっ、と割れんばかりの歓声が上がる。まるで世紀の恋の成就を祝うかのように、人々は拍手喝采を送った。その熱狂の渦の中で、私は一人、不思議なほど冷静だった。
悲しくないのか、と問われれば嘘になる。長年、この日のために全てを犠牲にしてきたのだ。完璧な王太子妃であろうと努めてきた歳月が、偽りの罪によって無に帰したのだから。だが、それ以上に強い感情が、私の胸の内から静かに、しかし確かに湧き上がってくるのを感じていた。
それは、解放感だった。
私は、ゆっくりとスカートの裾を持ち、王族に対する最も丁寧なカーテシーをした。背筋を伸ばし、首の角度も完璧に。長年の教育が染み付いた体は、私の意志とは関係なく、完璧な礼法を再現する。
「ジュリアス殿下、ユナ様。ご婚約、心よりお祝い申し上げます。殿下のご決定、謹んでお受けいたします」
私のあまりに落ち着いた態度に、ジュリアス殿下は一瞬、面食らったような顔をした。もっと泣き喚き、みっともなく取り乱すとでも思っていたのだろうか。そんな彼の僅かな動揺を無視して、私は続けた。
「それで、殿下。婚約者でなくなった私への処遇は、いかがなさいますか?」
私の問いに、今度は玉座の近くに控えていた国王陛下が重々しく口を開いた。その声は、老齢に差し掛かってなお、威厳に満ちている。
「ヴァイスランド嬢。聖女への嫉妬に狂い、国宝とも言うべき彼女を害そうとした罪は重い。よって、貴様を王都から追放し、実家であるヴァイスランド辺境伯領への永蟄居を命じる。未来永劫、王都の土を踏むことは許さん!」
ヴァイスランド辺境伯領。
魔物が跋扈し、冬には全てが雪と氷に閉ざされる、国土の最北端。作物もろくに育たず、王都の貴族たちからは「捨てられた土地」とまで呼ばれる不毛の地。そこへ、一人で帰れ、と。事実上の、国外追放に等しい宣言だった。
「御意」
私は再び、深く頭を下げた。もう、この場所に用はない。
踵を返し、誰にも見送られることなく、私は壮麗なホールを後にした。背中に突き刺さる好奇と侮蔑の視線を、私は感じないふりをした。私の心は、すでにここにはなかった。
王宮の壮麗な門を出て、迎えとして用意されていた質素な馬車に乗り込む。ゆっくりと走り出した馬車の窓から、きらびやかな王都の夜景が遠ざかっていく。それを見つめながら、私はそっと、ずっと指にはめていた地味な銀の指輪を外した。
これは、亡き母の形見。しかし、ただの形見ではない。
私の内に眠る、あまりに強大すぎる力を抑え込むための、封印の魔道具だ。
我がヴァイスランドの血筋は、代々、万物を生み出す「創成魔法」を受け継いできた。世界の理を読み解き、物質を再構築する、神の領域に最も近いとされる魔法。しかし、私の代に生まれた力は規格外だった。あまりに強大で、幼い頃は制御できずに暴走させてしまうこともあった。それを見かねた両親が、私が自分の力を完全に制御できるようになるまでと、この指輪をはめてくれたのだ。
『エリアーナ。この力は、人を幸せにするために使いなさい。決して、自分のためだけに使ってはいけないよ』
優しかった父と母の言葉が、脳裏に蘇る。
この指輪は、私の魔力を抑制するだけでなく、私の容姿や気配までをも「地味で目立たない」ものに変えてしまう副作用があった。だから、誰も気づかなかった。私が本当は、この国にいる誰よりも強大な魔力の持ち主であることにも。そして、この婚約が、私にとってどれほどの枷であったかにも。
指輪を外した瞬間、全身に今まで感じたことのないほどの力がみなぎるのを感じた。
長い間、固く堰き止められていた奔流が、一気に解き放たれるような圧倒的な感覚。血液の一滴一滴に魔力が流れ込み、細胞の一つ一つが歓喜の声を上げる。馬車の狭い空間が、私の内から溢れ出す魔力に満たされていくようだった。
窓ガラスに映った自分の顔を見て、私は息を呑んだ。
もはや、そこにいたのは「地味な辺境伯令嬢」ではなかった。
色褪せた亜麻色だと思っていた髪は、月光そのものを紡いだかのような、鮮やかな銀色に輝いている。色の薄い灰色だった瞳は、夜空の星々を溶かし込んだかのように、深い蒼色をしていた。肌は透き通るような白さを取り戻し、これまで目立たなかった顔の輪郭も、くっきりとその優美な線を現していた。
これが、私の本当の姿。
これが、私の本当の力。
婚約破棄? 追放?
結構じゃないか。
ジュリアス殿下、ユナ様。あなた方は、私という鳥かごの扉を開けてくれたのだ。自らの手で、最も危険な存在を解き放ってしまったことにも気づかずに。
不毛の地、ヴァイスランド。ええ、そうかもしれない。
でも、それはこれまでの話。私の創成魔法の真価は、無から有を生み出すことにあるのだから。痩せた土地は、豊かな穀倉地帯にすればいい。凍てつく大地には、温泉を湧かせればいい。魔物がいるなら、それらを退ける砦を築けばいい。
「さようなら、窮屈な王都。こんにちは、私の新しい王国」
馬車の揺れに身を任せながら、私は生まれて初めて、心の底からの歓喜と興奮に打ち震えていた。復讐など、どうでもいい。あんな者たちのために、私の貴重な力と時間を使うのはあまりにもったいない。
それよりも、もっと楽しく、やりがいのあることがある。
何もない土地に、私の手で、理想の国を築き上げるのだ。
人々が笑って暮らせる、豊かで幸せな、私だけの王国を。
これから始まる未来に、胸が高鳴るのを止められなかった。
私の名前はエリアーナ・フォン・ヴァイスランド。国土の北端、魔境と隣接する厳しい土地を守る辺境伯家の長女。そして、この国の次代の王、ジュリアス・レオン・クライン陛下の、ただ一人の婚約者。
本来であれば、私が彼の隣に立つべきなのだろう。幼い頃から、その一点のためだけに教育を受け、感情を殺し、全てを捧げてきたのだから。けれど、今の彼の隣には、私ではない別の女性が寄り添っている。
桜色の髪をふわりと揺らし、庇護欲を掻き立てる大きな瞳を潤ませる彼女。半年前、突如として異世界から召喚された「聖女」ユナ様だ。その圧倒的な美貌と、人々を癒やすという聖なる御業で、彼女は瞬く間に王宮の人々の心を掴んでしまった。王太子であるジュリアス殿下も、その例外ではなかった。むしろ、誰よりも深く、彼女に心酔しているように見えた。
二人の姿は、まるで物語の一場面のようだ。輝くばかりの美男美女が寄り添い、周囲の誰もが祝福の眼差しを向けている。私は遠巻きにその光景を眺めながら、心の内で静かに息を吐いた。悲しみも、嫉妬も、とうの昔に通り過ぎて、今はただ諦めにも似た静寂が心を支配していた。
「エリアーナ・フォン・ヴァイスランド!」
凛とした、しかし怒りに満ちた声がホールに響き渡った。音楽が止み、全ての会話が途切れる。全ての視線が、まるで鋭い槍のように、ホールの隅に立つ私に突き刺さった。声の主は、私の婚約者であるジュリアス殿下。彼は聖女ユナ様の肩を優しく抱き寄せ、まるで私を断罪する罪人であるかのように、まっすぐにこちらを睨みつけていた。
彼の隣で、ユナ様はさらに儚げに身を震わせる。その姿は、悪役に虐げられる悲劇のヒロインそのものだった。
「貴様という女は、どこまで陰湿なのだ!この心優しきユナが、貴様からどれほどの嫌がらせを受けてきたか、私は全て知っているぞ!」
ジュリアス殿下の声が、静まり返ったホールに厳しく響く。
嫌がらせ? 私が、ユナ様に?
全くもって初耳だった。私は殿下の婚約者という立場上、波風を立てぬよう、彼女とは当たり障りなく接してきたつもりだ。むしろ、異世界から来て心細いだろう彼女を気遣い、公の場では常に立ててきた自負さえある。私の知る限り、彼女に嫌がらせなどした覚えは微塵もなかった。
しかし、私の内心の戸惑いなどお構いなしに、殿下の隣でユナ様はさらに涙をこぼした。「私が至らないばかりに、エリアーナ様を不快にさせてしまって……」とか細い声で呟く。その一言が、私の弁明の機会を永遠に奪い去り、私の罪を確定させた。
ああ、そうか。これが、今日の茶番の筋書きか。
周囲から聞こえてくるのは、もはや遠慮のない囁き声だった。
「やはり辺境伯の娘は野蛮だわ。聖女様のお優しさにつけこんで」
「聖女様がお可哀想に。あんな地味な女の嫉妬は見苦しいにもほどがある」
「王太子殿下も、ようやく決心がついたのね」
誰も、私の言葉を聞こうとはしない。誰も、真実を知ろうとはしない。彼らが信じたいのは、美しく心優しい聖女様と、彼女を守る勇敢な王太子という、甘美な物語だけなのだ。
ジュリアス殿下は、満足げに口の端を吊り上げると、最終宣告を高らかに突きつけた。
「よって、今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!そして、私の真の伴侶として、聖女ユナを妃に迎えることをここに宣言する!」
わあっ、と割れんばかりの歓声が上がる。まるで世紀の恋の成就を祝うかのように、人々は拍手喝采を送った。その熱狂の渦の中で、私は一人、不思議なほど冷静だった。
悲しくないのか、と問われれば嘘になる。長年、この日のために全てを犠牲にしてきたのだ。完璧な王太子妃であろうと努めてきた歳月が、偽りの罪によって無に帰したのだから。だが、それ以上に強い感情が、私の胸の内から静かに、しかし確かに湧き上がってくるのを感じていた。
それは、解放感だった。
私は、ゆっくりとスカートの裾を持ち、王族に対する最も丁寧なカーテシーをした。背筋を伸ばし、首の角度も完璧に。長年の教育が染み付いた体は、私の意志とは関係なく、完璧な礼法を再現する。
「ジュリアス殿下、ユナ様。ご婚約、心よりお祝い申し上げます。殿下のご決定、謹んでお受けいたします」
私のあまりに落ち着いた態度に、ジュリアス殿下は一瞬、面食らったような顔をした。もっと泣き喚き、みっともなく取り乱すとでも思っていたのだろうか。そんな彼の僅かな動揺を無視して、私は続けた。
「それで、殿下。婚約者でなくなった私への処遇は、いかがなさいますか?」
私の問いに、今度は玉座の近くに控えていた国王陛下が重々しく口を開いた。その声は、老齢に差し掛かってなお、威厳に満ちている。
「ヴァイスランド嬢。聖女への嫉妬に狂い、国宝とも言うべき彼女を害そうとした罪は重い。よって、貴様を王都から追放し、実家であるヴァイスランド辺境伯領への永蟄居を命じる。未来永劫、王都の土を踏むことは許さん!」
ヴァイスランド辺境伯領。
魔物が跋扈し、冬には全てが雪と氷に閉ざされる、国土の最北端。作物もろくに育たず、王都の貴族たちからは「捨てられた土地」とまで呼ばれる不毛の地。そこへ、一人で帰れ、と。事実上の、国外追放に等しい宣言だった。
「御意」
私は再び、深く頭を下げた。もう、この場所に用はない。
踵を返し、誰にも見送られることなく、私は壮麗なホールを後にした。背中に突き刺さる好奇と侮蔑の視線を、私は感じないふりをした。私の心は、すでにここにはなかった。
王宮の壮麗な門を出て、迎えとして用意されていた質素な馬車に乗り込む。ゆっくりと走り出した馬車の窓から、きらびやかな王都の夜景が遠ざかっていく。それを見つめながら、私はそっと、ずっと指にはめていた地味な銀の指輪を外した。
これは、亡き母の形見。しかし、ただの形見ではない。
私の内に眠る、あまりに強大すぎる力を抑え込むための、封印の魔道具だ。
我がヴァイスランドの血筋は、代々、万物を生み出す「創成魔法」を受け継いできた。世界の理を読み解き、物質を再構築する、神の領域に最も近いとされる魔法。しかし、私の代に生まれた力は規格外だった。あまりに強大で、幼い頃は制御できずに暴走させてしまうこともあった。それを見かねた両親が、私が自分の力を完全に制御できるようになるまでと、この指輪をはめてくれたのだ。
『エリアーナ。この力は、人を幸せにするために使いなさい。決して、自分のためだけに使ってはいけないよ』
優しかった父と母の言葉が、脳裏に蘇る。
この指輪は、私の魔力を抑制するだけでなく、私の容姿や気配までをも「地味で目立たない」ものに変えてしまう副作用があった。だから、誰も気づかなかった。私が本当は、この国にいる誰よりも強大な魔力の持ち主であることにも。そして、この婚約が、私にとってどれほどの枷であったかにも。
指輪を外した瞬間、全身に今まで感じたことのないほどの力がみなぎるのを感じた。
長い間、固く堰き止められていた奔流が、一気に解き放たれるような圧倒的な感覚。血液の一滴一滴に魔力が流れ込み、細胞の一つ一つが歓喜の声を上げる。馬車の狭い空間が、私の内から溢れ出す魔力に満たされていくようだった。
窓ガラスに映った自分の顔を見て、私は息を呑んだ。
もはや、そこにいたのは「地味な辺境伯令嬢」ではなかった。
色褪せた亜麻色だと思っていた髪は、月光そのものを紡いだかのような、鮮やかな銀色に輝いている。色の薄い灰色だった瞳は、夜空の星々を溶かし込んだかのように、深い蒼色をしていた。肌は透き通るような白さを取り戻し、これまで目立たなかった顔の輪郭も、くっきりとその優美な線を現していた。
これが、私の本当の姿。
これが、私の本当の力。
婚約破棄? 追放?
結構じゃないか。
ジュリアス殿下、ユナ様。あなた方は、私という鳥かごの扉を開けてくれたのだ。自らの手で、最も危険な存在を解き放ってしまったことにも気づかずに。
不毛の地、ヴァイスランド。ええ、そうかもしれない。
でも、それはこれまでの話。私の創成魔法の真価は、無から有を生み出すことにあるのだから。痩せた土地は、豊かな穀倉地帯にすればいい。凍てつく大地には、温泉を湧かせればいい。魔物がいるなら、それらを退ける砦を築けばいい。
「さようなら、窮屈な王都。こんにちは、私の新しい王国」
馬車の揺れに身を任せながら、私は生まれて初めて、心の底からの歓喜と興奮に打ち震えていた。復讐など、どうでもいい。あんな者たちのために、私の貴重な力と時間を使うのはあまりにもったいない。
それよりも、もっと楽しく、やりがいのあることがある。
何もない土地に、私の手で、理想の国を築き上げるのだ。
人々が笑って暮らせる、豊かで幸せな、私だけの王国を。
これから始まる未来に、胸が高鳴るのを止められなかった。
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