【奨励賞】元・地味な令嬢ですが、婚約破棄されたので聖獣と建国します~追放した王太子と聖女は、今さら私を求めないでください~

旅する書斎(☆ほしい)

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シルヴァヌス号の甲高い汽笛が、ヴァイスランドの澄み切った空に響き渡った。村と製鉄所を結ぶ初めての定期便が、多くの人々の期待を乗せて無事に村の駅へ到着したのだ。プラットホームに降り立ったボリンたち製鉄所の職員を、村人たちは万雷の拍手と歓声で出迎えた。その熱気は、この事業の成功を何よりも雄弁に物語っていた。

「すごい!本当にあっという間に着いちまう!」
「馬車なら半日はかかった道のりだぞ!」
「これなら毎日、家に帰ってこられるな!」

通勤時間が劇的に短縮されたことで、職員たちの喜びはひとしおだった。これまでは製鉄所の宿舎に泊まり込むしかなかった者も、これからは毎日家族の待つ我が家へ帰ることができる。その事実は、彼らの労働意欲をさらに高めるだろう。

ボリンは誇らしげに胸を張り、集まった人々に向かって高らかに宣言した。

「おうよ!これも全部、エリアーナ様のおかげだ!俺たちは、このヴァイスランド鋼とシルヴァヌス号で、この国をもっともっと豊かにするぜ!」

「「「おおおおっ!」」」

地鳴りのような歓声が、再び巻き起こる。その輪の中心で、私はシラスの隣に立ち、満足げに微笑んでいた。皆の顔が、希望と喜びに輝いている。これが見たかった。この光景を創り出すために、私はこの地に来たのだ。

『主よ、実に良い顔をしているな』

シラスが、私の心を見透かしたようにテレパシーを送ってくる。

「ええ、本当に。でも、これで満足しているわけじゃないわ。私たちの国造りは、まだ始まったばかりよ」

祝賀ムードが一段落した日の夕方、私は集会所に主要なメンバーを集めていた。物流という国の動脈ができた今、次はその上を流れる血液、つまり経済を活性化させる必要があった。

「シルヴァヌス号の稼働により、物資と人員の移動は劇的に効率化されました。しかし、現状は必要なものを必要な場所に運んでいるだけです。これからは、富を生み出す仕組みを創らなければなりません」

私の言葉に、商会長だったガンツが鋭い眼光で頷いた。彼の商人としての血が騒いでいるのが見て取れる。

「エリアーナ様のおっしゃる通りです。物流が整った今こそ、商業を興すべき時。幸い、我々の中には様々な技術を持つ職人がおります。彼らが作った品を、人々が自由に売買できる場所……すなわち、『市場』を開設することを提案いたします」

「市場、ですか」

村のまとめ役であるクラウスさんが、少し戸惑ったように呟いた。この村ではこれまで、自給自足と、わずかな物々交換が生活の基本だった。本格的な商業活動など、誰も経験したことがないのだ。

「その通りです、クラウス殿」

ガンツは自信に満ちた表情で続けた。彼は、まるで目の前にその光景が広がっているかのように、生き生きと語り始める。

「例えば、ボリン殿がヴァイスランド鋼で作った、切れ味抜群の包丁や、熱に強くて焦げ付かない鍋。ラルス殿が作った、美しい木彫りの家具。マーサ殿が織り上げた、あの素晴らしい布。これらは全て、人々の生活を豊かにする商品となります。そして、それらを求める人が適正な対価を支払って手に入れる。それが商業の基本です」

彼の言葉に、ボリンやラルス、マーサたちの目が輝いた。自分たちの技術が、人々の役に立ち、さらには富を生む。その事実は、職人としての彼らの誇りを強く刺激したようだった。

「面白いわ。やりましょう、ガンツ。市場の開設、あなたに一任します。必要なものがあれば、何でも言ってください」

「ははっ!お任せください、エリアーナ様!このガンツ、商人としての腕が鳴りますぞ!」

ガンツは心底楽しそうに笑った。彼は水を得た魚のようだった。商隊が壊滅し、全てを失ったと思っていた彼にとって、このヴァイスランドは再びその手腕を発揮できる、まさに新天地なのだ。

市場の建設は、すぐさま開始された。場所は村の中央広場。私が創成魔法で基礎と骨組みを創り上げ、ラルス率いる大工たちが、瞬く間に美しい木造の市場を完成させた。屋根には、私が作ったステンドグラスがはめ込まれ、太陽の光が色とりどりの模様を床に落としている。それは、ただの市場ではなく、人々の集う新たなシンボルのようだった。

市場が開かれる日、村は朝からお祭りのような活気に包まれていた。
市場には、ガンツが準備した木の台がずらりと並び、その上には様々な商品が陳列されている。

「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!ヴァイスランド鋼で打った特製のクワだ!固い土も楽々耕せる逸品だよ!」

ボリンの弟子の一人が、声を張り上げている。その隣では、彼の妻が、同じくヴァイスランド鋼で作られたフライパンを手に、実演販売をしていた。焼かれているのは、ヴァイス麦の粉を使ったパンケーキだ。甘く香ばしい匂いが、市場に漂い、人々の食欲をそそる。

「まあ、本当に焦げ付かないわ!」
「このパンケーキ、なんて美味しいのかしら!」

主婦たちが、目を丸くして驚いている。その場で焼きたてを頬張り、その性能と味に感嘆の声を上げた。

別の区画では、マーサと彼女の弟子たちが、新素材の布で作った衣服を売っていた。月光草とシラスの毛から作られたその布は、『ルナシルク』と名付けられ、その美しさと機能性から、早くもヴァイスランドの特産品となりつつあった。

「このショール、なんて軽くて暖かいのかしら!」
「このシャツを着ていると、体の疲れが取れるような気がするわ……」

人々は、初めて見る高品質な品々に、目を輝かせている。市場には、元騎士団のメンバーが作った燻製肉や、村の子供たちが森で集めてきた木の実やキノコなども並んでいた。誰もが、自分の持てるものを商品として持ち寄り、生き生きとした表情で商いをしている。

私はその光景を、シラスと共に市場が見下ろせる丘の上から眺めていた。

「すごいわ、シラス。みんな、自分の力で富を生み出そうとしている。これが、経済の始まりなのね」

『ふむ。人間は、実に商売というものが好きらしいな。我が毛から作った布まで売り物にするとは』

シラスは少し呆れたように言ったが、その声にはどこか誇らしげな響きがあった。

しかし、市場が活気づくにつれて、新たな問題が持ち上がってきた。物々交換の限界だ。

「エリアーナ様、ご相談が」

その日の夜、ガンツが私の執務室を訪ねてきた。彼の表情は真剣そのものだ。

「どうしました、ガンツ。市場は順調なようですが」

「はい、おかげさまで、予想以上の大盛況です。しかし、それ故の問題が……。物々交換では、もはや取引が追いつきません。例えば、ボリン殿の作った鍋が欲しい農家が、交換に出せるのはヴァイス麦だけ。しかし、ボリン殿はすでに十分なヴァイス麦を持っている。これでは、商談が成立しないのです」

彼の指摘は的を射ていた。経済が発展するためには、誰もが価値を認める共通の媒介物が必要になる。

「物の価値を誰もが認める尺度で測り、円滑な取引を可能にするもの……。ヴァイスランド独自の『通貨』を鋳造すべきです」

「通貨……!」

その言葉が、私の胸にすとんと落ちてきた。そうだ。国を創るということは、独自の経済圏を創るということ。そのためには、通貨は必要不可欠な要素だった。

「わかりました。ガンツ、素晴らしい提案です。すぐに通貨を作りましょう。このヴァイスランドの富と、信頼の証となるような、美しい通貨を」

私はすぐに創成魔法を発動させた。頭の中に、様々なデザインが浮かんでくる。この国の象徴となるべき通貨だ。ありきたりなものではいけない。

私は、この土地の地下に眠る、希少な金属の鉱脈を探し当てた。それは、金のように輝きながらも、鋼のように頑丈で、決して錆びることのない未知の金属だった。私はそれに『ルミナスゴールド』と名付けた。

そして、もう一つ。夜空のように深い青色をした、魔力を帯びた宝石。『スターサファイア』。
この二つの素材を使い、私は硬貨を創り出すことにした。

数日後、私はガンツや職人たち、村の代表者の前で、完成した新しい通貨を披露した。

金貨、銀貨、銅貨の三種類。
銅貨は、純粋なヴァイスランド鋼で作られており、表面にはヴァイス麦の穂が、裏面にはヴァイスランドの地図が刻印されている。
銀貨は、ヴァイスランド鋼に少量のルミナスゴールドを混ぜた合金で、美しい銀白色に輝いている。表面には、この村の家々とシルヴァヌス号が、裏面には市場の賑わいが描かれている。
そして最高額の金貨は、ルミナスゴールドを主成分とし、中央には小さなスターサファイアが埋め込まれていた。表面に刻まれているのは、誇り高く咆哮する、聖獣フェンリルの姿。シラスの横顔だ。その彫刻はあまりに精密で、まるで生きているかのように見えた。

「おお……なんと美しい……」

ボリンが、感嘆の声を漏らした。

「これは、ただの硬貨ではございません。芸術品です。これほどのものを、偽造することなど、誰にも不可能ですな」

ガンツが、商人の目でその価値を正確に見抜き、興奮した様子で言った。

私は微笑んで頷いた。

「この通貨を、『ヴァイス』と名付けます。1ゴールドヴァイスが、10シルバーヴァイス。1シルバーヴァイスが、100カッパーヴァイス。この通貨が、これからの私たちの国の血流となります」

新しい通貨の導入は、ヴァイスランドの経済を爆発的に発展させた。人々は労働の対価としてヴァイスを受け取り、そのヴァイスで好きなものを買う。市場はさらに活気づき、新しい商品やサービスが次々と生まれていった。

シルヴァヌス号は毎日、満載の貨物を積んで村と製鉄所を往復し、人々の生活を豊かにしていく。温泉には湯治客のための小さな宿屋が建ち、マーサのルナシルクは、その評判がどこからか伝わり、外部の商人から問い合わせが来るほどになっていた。

全てが、順調に進んでいる。
私は、日に日に豊かになっていく領地の姿を見て、満ち足りた気持ちになっていた。
王都での、息の詰まるような日々と比べれば、ここはまさに天国だ。

しかし、そんなある日のこと。
ガンツが、いつになく険しい表情で私の元を訪れた。

「エリアーナ様、申し上げにくいのですが、一つ、大きな懸念がございます」

「懸念?何です、ガンツ」

「このヴァイスランドの富と繁栄……その噂は、すでに街道を旅する商人たちの間で、広まりつつあります。銀髪の女神が創り上げた、北の楽園、と」

その言葉に、私は眉をひそめた。噂が広まるのは、ある程度仕方のないことだとは思っていたが。

「それは、必ずしも悪いことではないのでは?交易が生まれれば、この国はさらに豊かになります」

「ええ、もちろん、良い面もございます。しかし、エリアーナ様。富は、人を呼び寄せると同時に、災いも呼び寄せます。この豊かさを、力ずくで奪おうと考える者たちが、必ずや現れるでしょう。今のヴァイスランドに、それを退けるだけの力は……ございますか?」

ガンツの言葉は、私の心に冷水を浴びせた。
そうだ。私は、内側を豊かにすることばかりに目を向けていた。だが、国とは、その富を外敵から守る力があってこそ、初めて成り立つものなのだ。

今のヴァイスランドの防衛力は、グレゴール隊長率いる、わずか十数名の元騎士団だけ。村の男たちもいるが、彼らは農民であり、本格的な戦闘の経験はない。もし、どこかの貴族が、この土地の富を狙って軍を差し向けてきたら……。

私は、自分の認識の甘さを恥じた。
国造りは、ただ美しい理想を並べるだけでは足りない。時には、力をもってその理想を守り抜くという、厳しい現実にも向き合わなければならないのだ。

「……あなたの言う通りです、ガンツ。私は、最も重要なことを見落としていました。すぐに、防衛体制の強化に取り掛かります」

私の言葉に、ガンツは安堵の表情を浮かべた。

「ご理解いただき、感謝いたします。エリアーナ様なら、きっと鉄壁の守りを築かれることと信じております」

私は、すぐにグレゴール隊長を呼び寄せた。
彼にガンツからの警告を伝えると、彼の表情もまた、厳しいものになった。

「ガンツ殿の懸念、ごもっともです。正直、私もいつかは申し上げねばと考えておりました。我々だけでは、この村を守るのが手一杯。領土全体となると、とても手が回りません」

「ええ。そこで、あなたに相談があります、グレゴール隊長。ヴァイスランド独自の、新しい軍隊を創設したいのです」

「軍隊、でございますか!」

グレゴール隊長の目に、驚きと、そして武人としての熱意が宿った。

「そうです。村の若者たちの中から志願者を募り、あなたに鍛えてもらう。そして、彼らをヴァイスランドの未来を守る、誇り高き兵士へと育て上げるのです。あなたに、その初代隊長を任せたい」

私の言葉に、グレゴール隊長は一瞬、息を呑んだ。そして、すぐさまその場に膝をつき、深く頭を垂れた。

「はっ……!このグレゴール、エリアーナ様より賜りましたその大役、命に代えましても、必ずや果たしてご覧にいれます!」

彼の力強い返事を聞き、私は決意を新たにした。
創るだけではない。守る力も、手に入れる。
このヴァイスランドを、誰にも脅かされることのない、真の楽園にするために。私の国造りは、新たな段階へと足を踏み入れたのだ。
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