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第24話
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年の頃は三十代半ばほどでしょうか。質素ながらも清潔な旅装を身に着け、その表情にはどこか繊細な、そして少しばかり疲れたような影が見受けられましたわ。
特に印象的だったのは、その方の周囲に漂う空気でした。何かを極度に警戒しているような、あるいは、何かから身を守ろうとしているような……そんな緊張感が、微かに感じられたのです。
「……あの、こちらで……特別な香りのものを、扱っておられると伺いまして……」
その声もまた、囁くように細く、周囲の音に溶けてしまいそうなほどでございました。
「ええ、わたくし、アナスタシアと申します。ここは名もなき“静寂の香り亭”。香りが導いてくださったのでしたら、どうぞお入りくださいまし」
男性は躊躇うように一歩足を踏み入れ、きょろきょろと小屋の中を見渡しました。
その視線は、棚に並ぶ香草瓶や、窓辺に揺れるハーブの束、そしてわたくしの手元にあるティーポットに、不安と期待の入り混じったような複雑な色を浮かべて注がれておりました。
「……わたくしは、ライナスと申します。遠方より……あなたの噂を、風の便りに聞きまして……」
「ようこそお越しくださいましたわ、ライナスさま。長旅でお疲れでしょう。まずはお茶を一杯、いかがですかしら。心を落ち着けるための、“風ほぐし”でも」
わたくしがそう提案いたしますと、ライナスさまはびくりと肩を揺らし、慌てたように首を横に振りましたの。
「あ、いえ……その……わたくしは……普通の“香り”というものが、少々、苦手でして……」
「まあ……」
それは意外な言葉でしたわ。香りを求めてこの小屋を訪れる方は多くいらっしゃいますけれど、香りが苦手だとおっしゃる方は初めてでございました。
「……幼い頃から、人より鼻が利きすぎると申しますか……様々な香りが混じり合うと、気分が悪くなってしまうのです。街中はもちろん、森の中ですら、時には多くの花の香りに耐えられぬことも……」
ライナスさまは、苦しそうにそうおっしゃいました。
なるほど、先ほど感じた緊張感は、この鋭敏すぎる嗅覚ゆえだったのですね。
常に多くの情報が、香りとなって彼の感覚を刺激し続けているのでしょう。それはさぞお辛いことと拝察いたします。
「……ですが、あなたの淹れるものは、“ただの香り”ではないと……そう伺いました。心を鎮め、不要なものを洗い流すような、特別なものだと……」
「ふふ、噂とは尾ひれがつくものですわね。わたくしはただ、その方に合った香りを調合し、一杯のお茶としてお出ししているに過ぎませんの」
けれど、ライナスさまのような方には、通常の調合ではかえってご負担になるかもしれません。
香りを重ねるのではなく、むしろ極限まで引き算をする……あるいは、香りを感じさせないほどの、清浄な一杯。
それはわたくしにとっても、新たな挑戦でございますわ。
「ライナスさま。もしよろしければ、わたくしに一つ、試させていただけませんでしょうか。香り立つものではなく……むしろ、“無に近い”とでも申しましょうか。けれど、あなたの心の奥底にある静けさにだけ、そっと触れるような……そんな一杯を」
わたくしの提案に、ライナスさまは驚いたように顔を上げ、わたくしの目をじっと見つめました。
その瞳の奥に、ほんのかすかな希望の光が灯ったように見えましたわ。
「……そのようなことが、可能なのでしょうか」
「お約束はできませんけれど、わたくしの持てる全ての感覚を使い、調えてみましょう。お代は結構ですわ。これは、わたくし自身の探求のためでもありますから」
ライナスさまは、しばらく何かを考えるように黙っておられましたが、やがて小さく、しかしはっきりと頷かれましたの。
「……よろしく、お願いいたします」
さて、どうしたものかしら。“無に近い香り”、けれど心に届く一杯。
香草棚に並ぶ、様々な個性を持つハーブたち。そのどれもが、今のライナスさまには強すぎるかもしれません。
わたくしは目を閉じ、深く呼吸をいたしました。
雨上がりの、あの“始まりの空気”の香りを思い浮かべます。
そして、湖の水の清らかさ、瑠璃苔の秘めたる水の記憶……。
わたくしはまず、ティーポットもカップも、いつも以上に丁寧に、熱湯で何度も清めました。
ほんのわずかな残り香すらも、今の彼には雑音になりかねませんもの。
そして、棚の奥から、ごく少量だけ取り出しましたのは、“静水の枝”の最も芯に近い部分を、紙のように薄く削ったもの。
それを、ほんのひとかけらだけ。
茶葉は使いません。その代わりに、今朝汲んだばかりの、湖の最も澄んだ場所の水。
それを一度沸騰させ、少しだけ温度を落ち着かせたものを、静かにポットへ注ぎます。
抽出時間は……いえ、時間で計るものではございませんわね。
わたくしはポットに手を添え、中の水が“静水の枝”のかけらと静かに馴染み、その存在をほんのわずかに受け入れる……その瞬間だけを待ちました。
まるで、水面に一滴の雫が落ちて、波紋が静かに消えていくのを待つように。
やがて、ポットの中の空気が、ほんのわずかに変わったのを感じました。
それは香りというよりも、気配の変化とでも申しましょうか。
水そのものが持つ、最も純粋な生命力のようなものが、静かに立ち昇ってくる……そんな感覚。
わたくしはゆっくりと、その白湯のような液体をカップに注ぎました。
見た目には、ただのお湯と何ら変わりません。香りも……わたくしの鼻では、ほとんど感じ取れませんでした。
「ライナスさま……お待たせいたしました。“静寂の雫(しじまのしずく)”と名付けましたわ」
ライナスさまは、恐る恐る、というようにカップを手に取られました。
そして、まず鼻を近づける……というよりも、カップの縁にそっと頬を寄せるようにして、その気配を感じ取ろうとされているご様子。
やがて、ほんの少しだけ口に含み……そして、ゆっくりと目を閉じられました。
長い、長い沈黙が小屋の中を支配いたしました。
聞こえるのは、窓の外の風の音と、遠くで鳴く鳥の声だけ。
わたくしはただ、静かに彼の反応を待っておりました。
やがて、ライナスさまの目元から、一筋の涙が静かに流れ落ちたのが見えましたの。
それは悲しみの涙ではなく、もっと深く、穏やかな感情から生まれたもののようでした。
「……初めて……です……」
ようやく絞り出すように紡がれた言葉は、震えておりました。
「……こんなにも……静かなものを……感じたのは……」
「……」
「いつも……頭の中で、たくさんの香りが……叫んでいるようで……休まる時が……ありませんでした……」
ライナスさまは、カップを大切そうに両手で包み込み、もう一度、ほんの少しだけ口に含みました。
「……でも、これは……何もないのに……全てがあるような……不思議な……温かさだけが……じんわりと……広がって……」
「それは、ライナスさまご自身の内にある静けさが、この雫に呼応してくださったのですわ。わたくしは、ほんの少しだけ、そのお手伝いをさせていただいただけですの」
「……アナスタシアさま……ありがとう……本当に……ありがとう……ございます……」
ライナスさまは、何度も何度もそう繰り返され、その日はゆっくりと“静寂の雫”を三杯おかわりになり、日が傾く頃に、穏やかな表情で小屋を後にされました。
そのお顔は、来た時とは別人のように晴れやかで、纏う空気も軽やかになっていたのが印象的でございました。
香りを「足す」ことばかり考えていたわたくしにとって、この「引く」ことの奥深さ、そして「無に近い」からこそ届くものがあるという発見は、大きな学びとなりましたわ。
“静寂の雫”──それは、わたくしの調合の新たな扉を開けてくれた、忘れられない一杯となりそうですの。
窓の外は、すっかりと夕闇に包まれ始めておりました。
わたくしは、ライナスさまがお使いになったカップを丁寧に洗いながら、今日の出来事を反芻しておりました。
香りの道は、なんと広く、そして深いのでしょう。
その探求に終わりはないのだと、改めて感じ入った一日でございましたわ。
特に印象的だったのは、その方の周囲に漂う空気でした。何かを極度に警戒しているような、あるいは、何かから身を守ろうとしているような……そんな緊張感が、微かに感じられたのです。
「……あの、こちらで……特別な香りのものを、扱っておられると伺いまして……」
その声もまた、囁くように細く、周囲の音に溶けてしまいそうなほどでございました。
「ええ、わたくし、アナスタシアと申します。ここは名もなき“静寂の香り亭”。香りが導いてくださったのでしたら、どうぞお入りくださいまし」
男性は躊躇うように一歩足を踏み入れ、きょろきょろと小屋の中を見渡しました。
その視線は、棚に並ぶ香草瓶や、窓辺に揺れるハーブの束、そしてわたくしの手元にあるティーポットに、不安と期待の入り混じったような複雑な色を浮かべて注がれておりました。
「……わたくしは、ライナスと申します。遠方より……あなたの噂を、風の便りに聞きまして……」
「ようこそお越しくださいましたわ、ライナスさま。長旅でお疲れでしょう。まずはお茶を一杯、いかがですかしら。心を落ち着けるための、“風ほぐし”でも」
わたくしがそう提案いたしますと、ライナスさまはびくりと肩を揺らし、慌てたように首を横に振りましたの。
「あ、いえ……その……わたくしは……普通の“香り”というものが、少々、苦手でして……」
「まあ……」
それは意外な言葉でしたわ。香りを求めてこの小屋を訪れる方は多くいらっしゃいますけれど、香りが苦手だとおっしゃる方は初めてでございました。
「……幼い頃から、人より鼻が利きすぎると申しますか……様々な香りが混じり合うと、気分が悪くなってしまうのです。街中はもちろん、森の中ですら、時には多くの花の香りに耐えられぬことも……」
ライナスさまは、苦しそうにそうおっしゃいました。
なるほど、先ほど感じた緊張感は、この鋭敏すぎる嗅覚ゆえだったのですね。
常に多くの情報が、香りとなって彼の感覚を刺激し続けているのでしょう。それはさぞお辛いことと拝察いたします。
「……ですが、あなたの淹れるものは、“ただの香り”ではないと……そう伺いました。心を鎮め、不要なものを洗い流すような、特別なものだと……」
「ふふ、噂とは尾ひれがつくものですわね。わたくしはただ、その方に合った香りを調合し、一杯のお茶としてお出ししているに過ぎませんの」
けれど、ライナスさまのような方には、通常の調合ではかえってご負担になるかもしれません。
香りを重ねるのではなく、むしろ極限まで引き算をする……あるいは、香りを感じさせないほどの、清浄な一杯。
それはわたくしにとっても、新たな挑戦でございますわ。
「ライナスさま。もしよろしければ、わたくしに一つ、試させていただけませんでしょうか。香り立つものではなく……むしろ、“無に近い”とでも申しましょうか。けれど、あなたの心の奥底にある静けさにだけ、そっと触れるような……そんな一杯を」
わたくしの提案に、ライナスさまは驚いたように顔を上げ、わたくしの目をじっと見つめました。
その瞳の奥に、ほんのかすかな希望の光が灯ったように見えましたわ。
「……そのようなことが、可能なのでしょうか」
「お約束はできませんけれど、わたくしの持てる全ての感覚を使い、調えてみましょう。お代は結構ですわ。これは、わたくし自身の探求のためでもありますから」
ライナスさまは、しばらく何かを考えるように黙っておられましたが、やがて小さく、しかしはっきりと頷かれましたの。
「……よろしく、お願いいたします」
さて、どうしたものかしら。“無に近い香り”、けれど心に届く一杯。
香草棚に並ぶ、様々な個性を持つハーブたち。そのどれもが、今のライナスさまには強すぎるかもしれません。
わたくしは目を閉じ、深く呼吸をいたしました。
雨上がりの、あの“始まりの空気”の香りを思い浮かべます。
そして、湖の水の清らかさ、瑠璃苔の秘めたる水の記憶……。
わたくしはまず、ティーポットもカップも、いつも以上に丁寧に、熱湯で何度も清めました。
ほんのわずかな残り香すらも、今の彼には雑音になりかねませんもの。
そして、棚の奥から、ごく少量だけ取り出しましたのは、“静水の枝”の最も芯に近い部分を、紙のように薄く削ったもの。
それを、ほんのひとかけらだけ。
茶葉は使いません。その代わりに、今朝汲んだばかりの、湖の最も澄んだ場所の水。
それを一度沸騰させ、少しだけ温度を落ち着かせたものを、静かにポットへ注ぎます。
抽出時間は……いえ、時間で計るものではございませんわね。
わたくしはポットに手を添え、中の水が“静水の枝”のかけらと静かに馴染み、その存在をほんのわずかに受け入れる……その瞬間だけを待ちました。
まるで、水面に一滴の雫が落ちて、波紋が静かに消えていくのを待つように。
やがて、ポットの中の空気が、ほんのわずかに変わったのを感じました。
それは香りというよりも、気配の変化とでも申しましょうか。
水そのものが持つ、最も純粋な生命力のようなものが、静かに立ち昇ってくる……そんな感覚。
わたくしはゆっくりと、その白湯のような液体をカップに注ぎました。
見た目には、ただのお湯と何ら変わりません。香りも……わたくしの鼻では、ほとんど感じ取れませんでした。
「ライナスさま……お待たせいたしました。“静寂の雫(しじまのしずく)”と名付けましたわ」
ライナスさまは、恐る恐る、というようにカップを手に取られました。
そして、まず鼻を近づける……というよりも、カップの縁にそっと頬を寄せるようにして、その気配を感じ取ろうとされているご様子。
やがて、ほんの少しだけ口に含み……そして、ゆっくりと目を閉じられました。
長い、長い沈黙が小屋の中を支配いたしました。
聞こえるのは、窓の外の風の音と、遠くで鳴く鳥の声だけ。
わたくしはただ、静かに彼の反応を待っておりました。
やがて、ライナスさまの目元から、一筋の涙が静かに流れ落ちたのが見えましたの。
それは悲しみの涙ではなく、もっと深く、穏やかな感情から生まれたもののようでした。
「……初めて……です……」
ようやく絞り出すように紡がれた言葉は、震えておりました。
「……こんなにも……静かなものを……感じたのは……」
「……」
「いつも……頭の中で、たくさんの香りが……叫んでいるようで……休まる時が……ありませんでした……」
ライナスさまは、カップを大切そうに両手で包み込み、もう一度、ほんの少しだけ口に含みました。
「……でも、これは……何もないのに……全てがあるような……不思議な……温かさだけが……じんわりと……広がって……」
「それは、ライナスさまご自身の内にある静けさが、この雫に呼応してくださったのですわ。わたくしは、ほんの少しだけ、そのお手伝いをさせていただいただけですの」
「……アナスタシアさま……ありがとう……本当に……ありがとう……ございます……」
ライナスさまは、何度も何度もそう繰り返され、その日はゆっくりと“静寂の雫”を三杯おかわりになり、日が傾く頃に、穏やかな表情で小屋を後にされました。
そのお顔は、来た時とは別人のように晴れやかで、纏う空気も軽やかになっていたのが印象的でございました。
香りを「足す」ことばかり考えていたわたくしにとって、この「引く」ことの奥深さ、そして「無に近い」からこそ届くものがあるという発見は、大きな学びとなりましたわ。
“静寂の雫”──それは、わたくしの調合の新たな扉を開けてくれた、忘れられない一杯となりそうですの。
窓の外は、すっかりと夕闇に包まれ始めておりました。
わたくしは、ライナスさまがお使いになったカップを丁寧に洗いながら、今日の出来事を反芻しておりました。
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その探求に終わりはないのだと、改めて感じ入った一日でございましたわ。
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