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「アルス様! 大変です! テルメ村で、紫斑熱の感染者が出てしまいました!」
その日の夕方、テルメ村のボルタ村長が血相を変えて俺の拠点に駆け込んできた。その顔は青ざめ、息も絶え絶えだ。
「村長さん、落ち着いてください。一体何があったんですか?」
俺はボルタ村長を小屋の中へと招き入れ、水を飲ませた。
「は、はい……。リリが……私の孫娘のリリが、朝から熱を出しまして……。体に紫色の斑点のようなものが……」
ボルタ村長の言葉に、俺は思わず息を飲んだ。リリちゃんが紫斑熱に……。つい先日まで俺の畑で元気いっぱいに走り回っていた、あの愛らしい笑顔の少女が。
「落ち着いてください、村長さん。すぐに治療薬を調合します。リリちゃんは必ず俺が助けますから」
俺はそう言って、ゼフィルス様が王都から持ち帰った紫斑熱治療薬の試作品が入った小瓶を手に取った。
「アルス様! しかしこの薬はまだ臨床試験の段階で……」
隣にいたリリアーナ王女が心配そうに俺に言った。
「大丈夫です、王女殿下。この薬は人間にも効果があることが王都での臨床試験で証明されたと聞きました。それに、俺が作った『黄金の花』の薬効もこの薬には含まれているはずです。俺が保証します、この薬は必ずリリちゃんを救ってくれる」
俺の言葉に、ボルタ村長は希望に満ちた目で俺を見つめた。
「アルス様……! ありがとうございます! ありがとうございます……!」
俺はすぐに調合を開始した。ゼフィルス様から教わった手順に従い、薬草を煎じ、魔力を込める。クロも俺の作業を心配そうに見守っていた。
「きゅい……」
「大丈夫だ、クロ。リリちゃんは俺たちが必ず助ける」
クロは俺の言葉に力強く「きゅい!」と鳴いた。
調合が終わり、琥珀色のポーションが完成した。
「さあ、村長さん。一刻も早くリリちゃんの元へ。俺もすぐに行きます」
ボルタ村長は俺からポーションを受け取ると、感謝の言葉もそこそこに、一目散にテルメ村へと駆け出していった。
俺もリリアーナ王女とクロを連れてテルメ村へと急行した。
テルメ村は、俺が初めて訪れた時よりもさらに活気が失われていた。村人たちは皆、不安そうな顔で互いに距離を取りながら家の中に閉じこもっている。
「アルス様……」
村の入り口で俺たちを出迎えたのは、エリックたち常駐騎士だった。
「リリちゃんの容態は?」
俺がそう尋ねると、エリックは暗い顔で首を横に振った。
「高熱と激しい苦痛で意識が朦朧としているようです。ボルタ村長が薬を飲ませている最中かと……」
俺たちは急いでボルタ村長の家へと向かった。
家の中に入ると、リリちゃんが苦しそうにベッドの上で唸っていた。その小さな体には紫色の斑点が、無数に広がっている。
「リリちゃん……!」
俺は、その悲惨な光景に胸が締め付けられるような思いだった。
ボルタ村長は俺が渡したポーションを、震える手でリリちゃんの口へと運ぼうとしていたが、リリちゃんは苦しくてなかなか飲んでくれない。
「村長さん、代わります!」
俺はボルタ村長からポーションを受け取ると、リリちゃんの体を優しく抱き起こした。
「リリちゃん、俺だよ。アルスお兄ちゃんだ。この薬を飲めばすぐに元気になるから。だから頑張って飲んでくれるか?」
俺が優しく語りかけると、リリちゃんはかすかに目を開け、俺の顔をじっと見つめた。その瞳は涙で濡れている。
「……あるす……おにぃちゃ……」
リリちゃんは弱々しい声でそう言うと、俺が差し出したポーションを少しずつ、しかし確実に飲み始めた。
ポーションがリリちゃんの体内に入っていくと、その小さな体から淡い光が放たれ始めた。光はリリちゃんの体中を巡り、紫色の斑点を一つ一つ消していく。
数分後。
光が消え去ると、リリちゃんの体からは紫色の斑点は完全に消え失せ、熱もすっかり下がっていた。
「う……ん……」
リリちゃんはゆっくりと目を開けた。
「あるす……おにぃちゃ……」
「リリちゃん! 良かった……!」
ボルタ村長はリリちゃんが元気になったのを見て、安堵の涙を流していた。
リリちゃんは元気になった体で俺の首にぎゅっと抱きついた。
「あるすおにぃちゃ、ありがとう! このお守り、効いたよ!」
リリちゃんがそう言って俺に差し出したのは、以前俺にくれた布で作られたお守りだった。
「ああ、そうだね。このお守りのおかげだ」
俺はリリちゃんの頭を優しく撫でてやった。
このポーションは本当に多くの命を救うことができる。
「アルス様……! ありがとうございます! あなた様は本当にこの村の……いえ、世界の救世主です!」
ボルタ村長は再び俺の前で深々と頭を下げた。
「俺はただ、俺にできることをしただけです。それに、ポーションはまだ試作品です。この後、ゼフィルス様がこのポーションを改良し、量産化してくれるはずです。その時こそ、本当の意味で世界が救われる時です」
リリちゃんを救ったポーションの効能は、すぐにテルメ村全体に広まった。
村人たちは俺のことを「聖者」「神」と呼び、感謝の言葉を惜しみなく浴びせてくる。
「アルス様! 俺にもポーションを分けてください!」
「私の娘も熱を出して……!」
しかし、俺の持っているポーションはリリちゃんに飲ませたものでもう残りはない。
「申し訳ありません。ポーションはまだ試作品で、数も少ないのです。それに、俺は薬師ではないので勝手に調合することはできません。ですが、すぐにゼフィルス様がポーションを完成させて量産体制を整えてくれるはずです。それまでどうか待っていてください」
俺はそう言って村人たちをなだめた。
その夜、俺はリリアーナ王女、クロと一緒にボルタ村長の家で温かい食事をごちそうになった。
リリちゃんもすっかり元気になり、俺の膝の上で楽しそうに食事をしていた。
「アルス様、改めてありがとうございました。リリを救ってくださって……」
「いえ、当然のことをしたまでです。リリちゃんが元気になってくれて俺も嬉しいです」
食事が終わり、俺たちが小屋に戻る頃には夜空には満月が輝いていた。
「アルス様。あなた様のお力は本当に世界を変える力ですわ。この力が多くの民を救い、そして世界の平和を築く礎となることをわたくしは心から信じております」
リリアーナ王女は俺の隣でそう静かに言った。
「俺もそう信じています。俺のスキル【畑耕し】はもはやただの農業スキルではありません。これは世界を救うための希望の力なのですから」
俺は夜空に輝く満月を見上げながら、そう心の中で誓った。
「きゅるる」
クロが俺の足元で嬉しそうに喉を鳴らす。
その小さな声が俺の心に温かく響いた。
その日のうちに俺はゼフィルス様宛てに、リリちゃんの症状とポーションの効果について詳細な手紙を書いた。
そしてその手紙をエリックに託し、王都へと急行させた。
「エリック、頼んだぞ。この手紙をゼフィルス様に一刻も早く届けてくれ」
「はっ! 必ずや!」
エリックは力強くそう言って、馬を走らせていった。
俺はエリックの背中が闇の中に消えていくのを見届けた後、再び小屋の中へと戻った。
リリアーナ王女は疲れた表情で暖炉の火にあたっていた。
「王女殿下、大丈夫ですか? 少しお疲れのようですが」
「いいえ、大丈夫ですわ。ただ……アルス様の優しさに触れて胸がいっぱいになっただけですわ」
リリアーナ王女は少し照れたようにそう言って、俺に微笑んだ。
「王女殿下はいつも民のことを考えていますね。俺はそんな王女殿下を心から尊敬しています」
俺がそう言うと、リリアーナ王女の顔が赤く染まった。
「あ、アルス様……。あ、ありがとうございます……。わたくし、そのようなお言葉をいただいたのは初めてですわ……」
リリアーナ王女は恥ずかしそうに顔を伏せた。
その無邪気な姿が俺にはとても愛おしく思えた。
「俺も王女殿下のような、素晴らしい指導者の下でこの『アルス連合』を築き上げていけることを心から嬉しく思っています」
俺はそう言って、リリアーナ王女の隣に座った。
二人の間には暖炉の火が温かく燃えている。
そして俺の膝の上にはクロが丸くなり、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
俺は、この温かくて穏やかな時間がいつまでも続けばいいと心から願った。
夜が更け、俺たちが眠りについた頃、ゼフィルス様からの返事を携えた別の伝令が、この辺境の地に猛スピードで馬を走らせていた。
その伝令は、まだ見ぬ俺の『究極のポーション』の原料となる、七色の花についての、とある重要な『特性』を俺たちに伝えるために夜通し走っていたのだ。
その特性こそがこの先、俺たちの運命を、そして世界の歴史を大きく動かすことになるとは俺たちはまだ知らなかった。
ただ、俺の胸の中には、何か新しい、良いことが始まる予感のような、そんなワクワクする気持ちが静かに膨らんでいた。
俺は夢の中で、リリちゃんが七色の花畑で楽しそうに遊んでいる姿を見ていた。
それはとても幸せな夢だった。
そしてその夢はきっと現実になるだろう。
俺はそう信じている。
その日の夕方、テルメ村のボルタ村長が血相を変えて俺の拠点に駆け込んできた。その顔は青ざめ、息も絶え絶えだ。
「村長さん、落ち着いてください。一体何があったんですか?」
俺はボルタ村長を小屋の中へと招き入れ、水を飲ませた。
「は、はい……。リリが……私の孫娘のリリが、朝から熱を出しまして……。体に紫色の斑点のようなものが……」
ボルタ村長の言葉に、俺は思わず息を飲んだ。リリちゃんが紫斑熱に……。つい先日まで俺の畑で元気いっぱいに走り回っていた、あの愛らしい笑顔の少女が。
「落ち着いてください、村長さん。すぐに治療薬を調合します。リリちゃんは必ず俺が助けますから」
俺はそう言って、ゼフィルス様が王都から持ち帰った紫斑熱治療薬の試作品が入った小瓶を手に取った。
「アルス様! しかしこの薬はまだ臨床試験の段階で……」
隣にいたリリアーナ王女が心配そうに俺に言った。
「大丈夫です、王女殿下。この薬は人間にも効果があることが王都での臨床試験で証明されたと聞きました。それに、俺が作った『黄金の花』の薬効もこの薬には含まれているはずです。俺が保証します、この薬は必ずリリちゃんを救ってくれる」
俺の言葉に、ボルタ村長は希望に満ちた目で俺を見つめた。
「アルス様……! ありがとうございます! ありがとうございます……!」
俺はすぐに調合を開始した。ゼフィルス様から教わった手順に従い、薬草を煎じ、魔力を込める。クロも俺の作業を心配そうに見守っていた。
「きゅい……」
「大丈夫だ、クロ。リリちゃんは俺たちが必ず助ける」
クロは俺の言葉に力強く「きゅい!」と鳴いた。
調合が終わり、琥珀色のポーションが完成した。
「さあ、村長さん。一刻も早くリリちゃんの元へ。俺もすぐに行きます」
ボルタ村長は俺からポーションを受け取ると、感謝の言葉もそこそこに、一目散にテルメ村へと駆け出していった。
俺もリリアーナ王女とクロを連れてテルメ村へと急行した。
テルメ村は、俺が初めて訪れた時よりもさらに活気が失われていた。村人たちは皆、不安そうな顔で互いに距離を取りながら家の中に閉じこもっている。
「アルス様……」
村の入り口で俺たちを出迎えたのは、エリックたち常駐騎士だった。
「リリちゃんの容態は?」
俺がそう尋ねると、エリックは暗い顔で首を横に振った。
「高熱と激しい苦痛で意識が朦朧としているようです。ボルタ村長が薬を飲ませている最中かと……」
俺たちは急いでボルタ村長の家へと向かった。
家の中に入ると、リリちゃんが苦しそうにベッドの上で唸っていた。その小さな体には紫色の斑点が、無数に広がっている。
「リリちゃん……!」
俺は、その悲惨な光景に胸が締め付けられるような思いだった。
ボルタ村長は俺が渡したポーションを、震える手でリリちゃんの口へと運ぼうとしていたが、リリちゃんは苦しくてなかなか飲んでくれない。
「村長さん、代わります!」
俺はボルタ村長からポーションを受け取ると、リリちゃんの体を優しく抱き起こした。
「リリちゃん、俺だよ。アルスお兄ちゃんだ。この薬を飲めばすぐに元気になるから。だから頑張って飲んでくれるか?」
俺が優しく語りかけると、リリちゃんはかすかに目を開け、俺の顔をじっと見つめた。その瞳は涙で濡れている。
「……あるす……おにぃちゃ……」
リリちゃんは弱々しい声でそう言うと、俺が差し出したポーションを少しずつ、しかし確実に飲み始めた。
ポーションがリリちゃんの体内に入っていくと、その小さな体から淡い光が放たれ始めた。光はリリちゃんの体中を巡り、紫色の斑点を一つ一つ消していく。
数分後。
光が消え去ると、リリちゃんの体からは紫色の斑点は完全に消え失せ、熱もすっかり下がっていた。
「う……ん……」
リリちゃんはゆっくりと目を開けた。
「あるす……おにぃちゃ……」
「リリちゃん! 良かった……!」
ボルタ村長はリリちゃんが元気になったのを見て、安堵の涙を流していた。
リリちゃんは元気になった体で俺の首にぎゅっと抱きついた。
「あるすおにぃちゃ、ありがとう! このお守り、効いたよ!」
リリちゃんがそう言って俺に差し出したのは、以前俺にくれた布で作られたお守りだった。
「ああ、そうだね。このお守りのおかげだ」
俺はリリちゃんの頭を優しく撫でてやった。
このポーションは本当に多くの命を救うことができる。
「アルス様……! ありがとうございます! あなた様は本当にこの村の……いえ、世界の救世主です!」
ボルタ村長は再び俺の前で深々と頭を下げた。
「俺はただ、俺にできることをしただけです。それに、ポーションはまだ試作品です。この後、ゼフィルス様がこのポーションを改良し、量産化してくれるはずです。その時こそ、本当の意味で世界が救われる時です」
リリちゃんを救ったポーションの効能は、すぐにテルメ村全体に広まった。
村人たちは俺のことを「聖者」「神」と呼び、感謝の言葉を惜しみなく浴びせてくる。
「アルス様! 俺にもポーションを分けてください!」
「私の娘も熱を出して……!」
しかし、俺の持っているポーションはリリちゃんに飲ませたものでもう残りはない。
「申し訳ありません。ポーションはまだ試作品で、数も少ないのです。それに、俺は薬師ではないので勝手に調合することはできません。ですが、すぐにゼフィルス様がポーションを完成させて量産体制を整えてくれるはずです。それまでどうか待っていてください」
俺はそう言って村人たちをなだめた。
その夜、俺はリリアーナ王女、クロと一緒にボルタ村長の家で温かい食事をごちそうになった。
リリちゃんもすっかり元気になり、俺の膝の上で楽しそうに食事をしていた。
「アルス様、改めてありがとうございました。リリを救ってくださって……」
「いえ、当然のことをしたまでです。リリちゃんが元気になってくれて俺も嬉しいです」
食事が終わり、俺たちが小屋に戻る頃には夜空には満月が輝いていた。
「アルス様。あなた様のお力は本当に世界を変える力ですわ。この力が多くの民を救い、そして世界の平和を築く礎となることをわたくしは心から信じております」
リリアーナ王女は俺の隣でそう静かに言った。
「俺もそう信じています。俺のスキル【畑耕し】はもはやただの農業スキルではありません。これは世界を救うための希望の力なのですから」
俺は夜空に輝く満月を見上げながら、そう心の中で誓った。
「きゅるる」
クロが俺の足元で嬉しそうに喉を鳴らす。
その小さな声が俺の心に温かく響いた。
その日のうちに俺はゼフィルス様宛てに、リリちゃんの症状とポーションの効果について詳細な手紙を書いた。
そしてその手紙をエリックに託し、王都へと急行させた。
「エリック、頼んだぞ。この手紙をゼフィルス様に一刻も早く届けてくれ」
「はっ! 必ずや!」
エリックは力強くそう言って、馬を走らせていった。
俺はエリックの背中が闇の中に消えていくのを見届けた後、再び小屋の中へと戻った。
リリアーナ王女は疲れた表情で暖炉の火にあたっていた。
「王女殿下、大丈夫ですか? 少しお疲れのようですが」
「いいえ、大丈夫ですわ。ただ……アルス様の優しさに触れて胸がいっぱいになっただけですわ」
リリアーナ王女は少し照れたようにそう言って、俺に微笑んだ。
「王女殿下はいつも民のことを考えていますね。俺はそんな王女殿下を心から尊敬しています」
俺がそう言うと、リリアーナ王女の顔が赤く染まった。
「あ、アルス様……。あ、ありがとうございます……。わたくし、そのようなお言葉をいただいたのは初めてですわ……」
リリアーナ王女は恥ずかしそうに顔を伏せた。
その無邪気な姿が俺にはとても愛おしく思えた。
「俺も王女殿下のような、素晴らしい指導者の下でこの『アルス連合』を築き上げていけることを心から嬉しく思っています」
俺はそう言って、リリアーナ王女の隣に座った。
二人の間には暖炉の火が温かく燃えている。
そして俺の膝の上にはクロが丸くなり、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
俺は、この温かくて穏やかな時間がいつまでも続けばいいと心から願った。
夜が更け、俺たちが眠りについた頃、ゼフィルス様からの返事を携えた別の伝令が、この辺境の地に猛スピードで馬を走らせていた。
その伝令は、まだ見ぬ俺の『究極のポーション』の原料となる、七色の花についての、とある重要な『特性』を俺たちに伝えるために夜通し走っていたのだ。
その特性こそがこの先、俺たちの運命を、そして世界の歴史を大きく動かすことになるとは俺たちはまだ知らなかった。
ただ、俺の胸の中には、何か新しい、良いことが始まる予感のような、そんなワクワクする気持ちが静かに膨らんでいた。
俺は夢の中で、リリちゃんが七色の花畑で楽しそうに遊んでいる姿を見ていた。
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俺はそう信じている。
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