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マーサさんの言葉は、本当だった。
彼女が帰ってから一時間もしないうちに、工房の扉が次々と開かれた。
「ごめんよー、ちょっと見てもらいたいものがあるんだが」
最初に来たのは、マーサさんの隣で畑をやっているというおじさんだった。
手にしているのは、刃こぼれのひどい斧だ。
「薪割りをしていたら、硬い節に当たっちまってな。こんな有様さ」
俺はその斧を受け取ると、すぐに修理に取り掛かった。
刃こぼれを直し、ついでに全体のバランスを調整して、前よりも少ない力で薪が割れるように改良しておく。
もちろん、料金は銅貨数枚だけ。
おじさんは、新品同様になった斧を見て目を丸くし、大喜びで帰っていった。
次に来たのは、近くに住む主婦だった。
依頼品は、底に穴が空いてしまった鍋だ。
「お気に入りの鍋なんだけど、もうダメかしら……」
「大丈夫ですよ。お任せください」
俺はスキルを使って、鍋の穴を完全に塞いだ。
それだけではない。鍋の内側に、焦げ付きにくいように特殊な金属の膜をコーティングしておいた。前世の、テフロン加工のイメージだ。
「まあ!ピカピカになってる!それに、なんだか前より軽くなったみたい!」
主婦は、修理代の安さと完璧な仕上がりに感激しきりだった。
それからも、客は途切れなかった。
壊れた椅子の脚の修理、切れなくなった包丁研ぎ、取っ手が取れた扉の修繕。
どれも、日常生活で起こるような、ささやかな故障ばかりだ。
俺は一つ一つの依頼に、丁寧に対応していった。
スキルを使えばどんな修理も一瞬で終わるが、それでは味気ない。俺は、客と世間話をしながら、ゆっくりと作業を進めた。
彼らの話を聞くのは楽しかった。
この街のこと、家族のこと、最近あった出来事。
そういった何気ない会話の中に、この世界の人々の暮らしが垣間見えた。
「マスター、オオイソガシデスネ」
「ああ、嬉しい悲鳴だな」
カウンターの隅で、タマがカタカタと動きながら言った。
俺は、押し寄せる客の対応に追われながらも、充実感を覚えていた。前世の、ノルマに追われる忙しさとは全く違う。
昼過ぎになると、客足も少し落ち着いてきた。
俺はもらった差し入れのパンをかじりながら、一息つく。工房の中は、いつの間にか客が置いていった野菜や果物でいっぱいになっていた。
「これだけあれば、しばらく食料には困らなさそうだな」
そんなことを考えていると、工房の扉がまた開いた。
今度の客は、今までとは少し雰囲気が違った。
入ってきたのは、まだ十歳くらいの小さな男の子だった。
俯き加減で、何かを大切そうに胸に抱えている。
「いらっしゃい。どうかしたのかな?」
俺が優しく声をかけると、男の子はおずおずと顔を上げた。
その目には、涙が浮かんでいる。
「あの……これ、直せますか……?」
男の子が差し出したのは、木彫りの小さな馬だった。
それは見事に真っ二つに割れてしまっていた。首の部分から、無残に折れている。
「友達と喧嘩して、投げつけたら……壊れちゃったんだ……。これ、お父さんが作ってくれた、大事なものなのに……」
男の子は、ぽろぽろと大粒の涙をこぼした。
どうやら、かなり思い入れのある品らしい。
俺はその木彫りの馬を、そっと受け取った。
「そうか。お父さんが作ってくれたんだな。大丈夫、きっと元通りになるよ」
俺は男の子の頭を優しく撫でた。
そして、すぐに修理に取り掛かる。
木製品の修理は、金属よりも少しだけ繊細な作業が求められる。
俺は「分解」スキルで、木の繊維一本一本の状態まで把握した。割れた断面がささくれてしまっているが、これなら問題なく繋ぎ合わせられる。
「『再構築』」
俺は、割れる前の完璧な状態をイメージした。
二つに割れていた馬が、俺の手の中でピタリと一つになる。割れ目は完全に消え去り、どこが壊れていたのか全くわからなくなった。
さらに、俺は少しだけ手を加えた。
馬の表面を滑らかにし、子供が触っても怪我をしないように角を丸める。そして、木の内部構造を強化して、今度は落としたくらいでは壊れないように、強度を上げておいた。
「はい、できたよ」
俺がそれを差し出すと、男の子は信じられないという顔で、自分の馬を受け取った。
「すごい……!前より綺麗になってる……!」
涙で濡れていたその顔が、パッと明るくなる。
男の子は、木彫りの馬を何度も撫でて、その感触を確かめていた。
「ありがとう、お兄ちゃん!本当にありがとう!」
「どういたしまして。今度は、友達と仲良く遊ぶんだぞ」
「うん!」
男の子は元気よく返事をすると、深々とお辞儀をして、工房を駆け出していった。
修理代も払わずに。まあ、子供相手に金を取るつもりもなかったから、別にいいのだが。
「イイコトヲシマシタネ、マスター」
「まあな。たまにはこういうのも悪くない」
俺は、子供の笑顔を思い出しながら、少しだけ温かい気持ちになった。
この力は、誰かを笑顔にするためにも使えるんだな、と。
その日の営業が終わる頃には、「タクミの修理工房」の噂は、職人街の外にまで広まり始めていた。
どんなものでも、新品同様か、それ以上に直してしまう、不思議な腕を持つ若い職人がいる、と。
翌日からも、工房には様々な客が訪れた。
近所のおじいちゃんが、調子の悪いパイプの修理を頼みに来た。
若い女性が、石が取れてしまったお気に入りの首飾りを持ってきた。
旅の行商人が、壊れたランタンの修理を依頼してきた。
俺は、どんな依頼でも断らなかった。
一つ一つ、心を込めて修理していく。その度に、客は満面の笑みを浮かべて帰っていく。そして、その客がまた別の客を呼んでくる。
工房は、日に日に賑やかになっていった。
俺の懐も、少しずつ潤っていく。といっても、法外な料金を取っているわけではないので、大金持ちになる、というほどではない。
だが、生活していくには十分すぎるほどの収入だった。
何より、客からの差し入れのおかげで、食費がほとんどかからないのが大きい。工房の棚は、いつも新鮮な野菜や果物、焼きたてのパンでいっぱいだった。
そんなある日の午後。
工房でのんびりとタマの体のメンテナンスをしていると、店の扉につけられたベルが、カラン、と軽やかな音を立てた。
「いらっしゃいませ」
俺が顔を上げると、そこに立っていたのは、今までの客とは明らかに違う人物だった。
それは、立派な革鎧を身につけた、いかにも冒険者といった感じの若い女性だった。
腰には細身の剣を下げ、背中には小さな盾を背負っている。
歳の頃は、俺と同じくらいだろうか。栗色の髪をポニーテールにしていて、快活そうな印象を受ける。その整った顔立ちは、少しだけ険しい表情をしていた。
彼女は、工房の中をキョロキョロと見回している。
そして、俺の姿を認めると、少し意外そうな顔をした。
「あなたが、ここの主人?思ったより、ずいぶん若いのね」
その口調は、少しぶっきらぼうだった。
「はい、俺がタクミです。何か、修理のご依頼ですか?」
俺がそう尋ねると、女性冒険者は少し躊躇うように視線を彷徨わせた。
そして、何かを決心したように、ずかずかとカウンターまで歩いてきた。
彼女は、背負っていた盾を外すと、ゴトリと大きな音を立ててカウンターの上に置いた。
それは、中央が大きくへこんだ、見るからに痛々しい状態の盾だった。
「これを、直せる?」
彼女は、挑戦するような目で、まっすぐに俺を見つめてきた。
彼女が帰ってから一時間もしないうちに、工房の扉が次々と開かれた。
「ごめんよー、ちょっと見てもらいたいものがあるんだが」
最初に来たのは、マーサさんの隣で畑をやっているというおじさんだった。
手にしているのは、刃こぼれのひどい斧だ。
「薪割りをしていたら、硬い節に当たっちまってな。こんな有様さ」
俺はその斧を受け取ると、すぐに修理に取り掛かった。
刃こぼれを直し、ついでに全体のバランスを調整して、前よりも少ない力で薪が割れるように改良しておく。
もちろん、料金は銅貨数枚だけ。
おじさんは、新品同様になった斧を見て目を丸くし、大喜びで帰っていった。
次に来たのは、近くに住む主婦だった。
依頼品は、底に穴が空いてしまった鍋だ。
「お気に入りの鍋なんだけど、もうダメかしら……」
「大丈夫ですよ。お任せください」
俺はスキルを使って、鍋の穴を完全に塞いだ。
それだけではない。鍋の内側に、焦げ付きにくいように特殊な金属の膜をコーティングしておいた。前世の、テフロン加工のイメージだ。
「まあ!ピカピカになってる!それに、なんだか前より軽くなったみたい!」
主婦は、修理代の安さと完璧な仕上がりに感激しきりだった。
それからも、客は途切れなかった。
壊れた椅子の脚の修理、切れなくなった包丁研ぎ、取っ手が取れた扉の修繕。
どれも、日常生活で起こるような、ささやかな故障ばかりだ。
俺は一つ一つの依頼に、丁寧に対応していった。
スキルを使えばどんな修理も一瞬で終わるが、それでは味気ない。俺は、客と世間話をしながら、ゆっくりと作業を進めた。
彼らの話を聞くのは楽しかった。
この街のこと、家族のこと、最近あった出来事。
そういった何気ない会話の中に、この世界の人々の暮らしが垣間見えた。
「マスター、オオイソガシデスネ」
「ああ、嬉しい悲鳴だな」
カウンターの隅で、タマがカタカタと動きながら言った。
俺は、押し寄せる客の対応に追われながらも、充実感を覚えていた。前世の、ノルマに追われる忙しさとは全く違う。
昼過ぎになると、客足も少し落ち着いてきた。
俺はもらった差し入れのパンをかじりながら、一息つく。工房の中は、いつの間にか客が置いていった野菜や果物でいっぱいになっていた。
「これだけあれば、しばらく食料には困らなさそうだな」
そんなことを考えていると、工房の扉がまた開いた。
今度の客は、今までとは少し雰囲気が違った。
入ってきたのは、まだ十歳くらいの小さな男の子だった。
俯き加減で、何かを大切そうに胸に抱えている。
「いらっしゃい。どうかしたのかな?」
俺が優しく声をかけると、男の子はおずおずと顔を上げた。
その目には、涙が浮かんでいる。
「あの……これ、直せますか……?」
男の子が差し出したのは、木彫りの小さな馬だった。
それは見事に真っ二つに割れてしまっていた。首の部分から、無残に折れている。
「友達と喧嘩して、投げつけたら……壊れちゃったんだ……。これ、お父さんが作ってくれた、大事なものなのに……」
男の子は、ぽろぽろと大粒の涙をこぼした。
どうやら、かなり思い入れのある品らしい。
俺はその木彫りの馬を、そっと受け取った。
「そうか。お父さんが作ってくれたんだな。大丈夫、きっと元通りになるよ」
俺は男の子の頭を優しく撫でた。
そして、すぐに修理に取り掛かる。
木製品の修理は、金属よりも少しだけ繊細な作業が求められる。
俺は「分解」スキルで、木の繊維一本一本の状態まで把握した。割れた断面がささくれてしまっているが、これなら問題なく繋ぎ合わせられる。
「『再構築』」
俺は、割れる前の完璧な状態をイメージした。
二つに割れていた馬が、俺の手の中でピタリと一つになる。割れ目は完全に消え去り、どこが壊れていたのか全くわからなくなった。
さらに、俺は少しだけ手を加えた。
馬の表面を滑らかにし、子供が触っても怪我をしないように角を丸める。そして、木の内部構造を強化して、今度は落としたくらいでは壊れないように、強度を上げておいた。
「はい、できたよ」
俺がそれを差し出すと、男の子は信じられないという顔で、自分の馬を受け取った。
「すごい……!前より綺麗になってる……!」
涙で濡れていたその顔が、パッと明るくなる。
男の子は、木彫りの馬を何度も撫でて、その感触を確かめていた。
「ありがとう、お兄ちゃん!本当にありがとう!」
「どういたしまして。今度は、友達と仲良く遊ぶんだぞ」
「うん!」
男の子は元気よく返事をすると、深々とお辞儀をして、工房を駆け出していった。
修理代も払わずに。まあ、子供相手に金を取るつもりもなかったから、別にいいのだが。
「イイコトヲシマシタネ、マスター」
「まあな。たまにはこういうのも悪くない」
俺は、子供の笑顔を思い出しながら、少しだけ温かい気持ちになった。
この力は、誰かを笑顔にするためにも使えるんだな、と。
その日の営業が終わる頃には、「タクミの修理工房」の噂は、職人街の外にまで広まり始めていた。
どんなものでも、新品同様か、それ以上に直してしまう、不思議な腕を持つ若い職人がいる、と。
翌日からも、工房には様々な客が訪れた。
近所のおじいちゃんが、調子の悪いパイプの修理を頼みに来た。
若い女性が、石が取れてしまったお気に入りの首飾りを持ってきた。
旅の行商人が、壊れたランタンの修理を依頼してきた。
俺は、どんな依頼でも断らなかった。
一つ一つ、心を込めて修理していく。その度に、客は満面の笑みを浮かべて帰っていく。そして、その客がまた別の客を呼んでくる。
工房は、日に日に賑やかになっていった。
俺の懐も、少しずつ潤っていく。といっても、法外な料金を取っているわけではないので、大金持ちになる、というほどではない。
だが、生活していくには十分すぎるほどの収入だった。
何より、客からの差し入れのおかげで、食費がほとんどかからないのが大きい。工房の棚は、いつも新鮮な野菜や果物、焼きたてのパンでいっぱいだった。
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工房でのんびりとタマの体のメンテナンスをしていると、店の扉につけられたベルが、カラン、と軽やかな音を立てた。
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俺が顔を上げると、そこに立っていたのは、今までの客とは明らかに違う人物だった。
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腰には細身の剣を下げ、背中には小さな盾を背負っている。
歳の頃は、俺と同じくらいだろうか。栗色の髪をポニーテールにしていて、快活そうな印象を受ける。その整った顔立ちは、少しだけ険しい表情をしていた。
彼女は、工房の中をキョロキョロと見回している。
そして、俺の姿を認めると、少し意外そうな顔をした。
「あなたが、ここの主人?思ったより、ずいぶん若いのね」
その口調は、少しぶっきらぼうだった。
「はい、俺がタクミです。何か、修理のご依頼ですか?」
俺がそう尋ねると、女性冒険者は少し躊躇うように視線を彷徨わせた。
そして、何かを決心したように、ずかずかとカウンターまで歩いてきた。
彼女は、背負っていた盾を外すと、ゴトリと大きな音を立ててカウンターの上に置いた。
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