役立たずと追放された辺境令嬢、前世の民俗学知識で忘れられた神々を祀り上げたら、いつの間にか『神託の巫女』と呼ばれ救国の英雄になっていました

☆ほしい

文字の大きさ
20 / 30

20

しおりを挟む
ギルドの若い男は、私たちをまず塩の専門店へと案内してくれた。
その店は、船着き場の近くの大きな倉庫のような建物だった。
中に入ると、ひんやりとした空気と塩の特別な香りが私たちを迎える。
壁際には、様々な種類の塩が麻袋に入れられて山のように積まれていた。

「いらっしゃい、ギルドからの紹介だね。話は、ちゃんと聞いているよ。」
店の主人が、笑顔で言った。
体の大きい、人の良さそうな中年男性だった。
彼は、私たちの村が蜂蜜と引き換えに塩を求めていることを知っているらしい。

「すごい、塩ってこんなに種類があるのか。」
カイが、白い山を見上げて感心したように呟いた。
村で使っていたのは、わずかに手に入る灰色がかった粗塩だけだった。
しかしここには、雪のように真っ白な塩やほんのり桃色をした塩まである。

「こっちが料理に使う、きれいな塩だ。そして、あっちの少し大きい粒のが岩塩だよ。肉や魚を保存するなら、岩塩の方が長持ちするぜ。」
主人は、丁寧に説明してくれた。
主人の言葉に、私はうなずいた。
やはり、塩にもちゃんと使い分けがあるのだ。

「では、岩塩をできるだけたくさんいただきたいです。それと、料理用の塩も少しだけお願いします。」
私は主人に伝えた。
主人は、快くうなずいてすぐに大きな麻袋をいくつも用意してくれた。
若者たちが、力を合わせてその袋を担ぎ上げる。
ずっしりとした重みが、彼らの肩に村の未来の重さとしてかかっていた。

「代金は、ギルドに請求しておくから気にしなくていい。それと、これはギデオン様からのサービスだ。」
主人は、そう言って小さな袋を私に手渡した。
中には、何種類かの香辛料が入っていた。
胡椒や、ハーブのような良い香りがする。

「ありがとうございます、大切に使わせていただきます。」
私は、丁寧に礼を言って店を後にした。
次は、鉄を扱う鍛冶屋だ。
鍛冶屋は、町の少し外れにあった。
カン、カンというリズミカルな槌の音が遠くからでも聞こえてくる。

「ようこそ、巫女様御一行だな。」
鍛治屋の親方は、ギデオン殿よりも年上に見える気難しそうな老人だった。
しかし、その目は確かな腕を持つ職人のものだった。
彼は、私たちのために火を止めて待っていてくれたらしい。

「鉄の素材が欲しいと聞いたが、どんなものを作るんだね。」
親方が、ぶっきらぼうな口調で尋ねてきた。
「はい、主に畑を耕すための鍬や鋤です。それと、草を刈るための鎌も新しくしたいのです。」
私は、はっきりと答えた。

私は、地面に木の枝で新しい農具の形を描いて見せた。
それは、私が前の世界の知識で知っていた改良型の農具だった。
今この村で使っているものよりも、ずっと土を深く耕せる形の鍬を描く。
少ない力で、効率よく草を刈れるように刃が曲がった鎌も描いた。
私の描いた図を、親方はしばらくの間じっと見つめていた。
その顔には、驚きと感心が入り混じったような表情が浮かんでいる。

「ほう、この形は面白いな。確かに、これなら楽に作業ができそうだ。あんた、ただの巫女さんじゃなさそうだね。」
親方は、初めて少しだけ笑みを見せた。

「この設計図通りに、いくつか見本を作ってやろう。あとは、この鉄の塊を持っていくがいい。」
彼は、作業場の隅に積まれた黒光りする鉄の塊を指差す。
私たちの村の鍛冶場にあるものとは、比べ物にならないほど質が良さそうだった。

「この鉄なら、あんたたちの村の職人でも扱いやすいはずだ。良い道具は、良い仕事をするからな。」
親方の言葉には、職人としての心がこもっていた。
私たちは、親方の心意気に深く感動した。
そして、鉄の塊と見本として作ってもらった新しい農具をありがたく受け取る。
塩と鉄、これで村の生活の土台はさらに強くなるだろう。

最後に訪れたのは、種を売る店だった。
そこは、市場の中でも特に色鮮やかで良い香りがする場所だった。
店の前には、様々な作物の種が入った小さな袋がずらりと並んでいる。
見たこともないような野菜や、美しい花の写真も飾られていた。

「まあ、ギルドからの紹介なんて珍しいお客さんだこと。」
店主の女性は、にこやかでとても親切だった。
彼女は、私たちの村の気候や土の質を詳しく尋ねてくれる。
そして、それに合った作物の種をいくつも選んでくれた。

「これはカブよ、寒い土地でも元気に育つわ。こっちは豆ね、土を元気にする力もあるのよ。」
彼女は、それぞれの種の特徴や育て方のコツまで丁寧に教えてくれる。
私は、彼女の言葉を一言も聞き漏らさないように真剣に耳を傾けた。

私たちは、彼女が勧めてくれた種をほとんど全て買うことにした。
カブ、ニンジン、タマネギなどの根の野菜を手に入れる。
キャベツやレタスのような葉っぱの野菜も買った。
そして、主食になるための麦やトウモロコシの種も買った。
袋の数は、あっという間に両手で抱えきれないほどになった。

「こんなにたくさん、本当に育てられるのかい。」
カイが、少し不安そうな顔で私に尋ねた。
「ええ、大丈夫よ。村のみんなで力を合わせれば、きっとできるわ。」
私は、カイに力強く答えた。
私たちの畑は、もう作物が育たない土地ではないのだから。

全ての買い物を終えた私たちは、宝の山を抱えるようにして船着き場へと戻った。
私たちの小さな丸木舟は、町から得た様々な品物でいっぱいになった。
塩の袋、鉄の塊、そして未来への希望が詰まった種の袋が並ぶ。
その光景は、見ていてとても誇らしかった。

「よし、これで村に帰れるな。」
カイが、満足そうな声で言った。
若者たちも、早く村に帰ってこの成果を皆に知らせたいという顔をしている。
しかし、私は静かに首を横に振った。

「ううんカイ、まだよ。まだ一番大事な買い物が、残っているわ。」

「一番大事なものだって。塩や鉄よりも、大事なものがあるのかい。」
カイは、不思議そうに私を見つめている。
私は、町の中心の方を指差してにっこりと微笑んだ。
そこには、私がこの町に来てからずっと気になっていた店があった。

「あそこよカイ、私たちが最後に立ち寄るべき場所は。」
私の指差した先には、一軒の小さな店がひっそりと建っている。
他の店のような、派手な看板や呼び込みの声はない。
ただ、木の扉の上に「知恵の泉」とだけ書かれていた。

「あれは、何て書いてあるんだ。」
カイには、その文字が読めないようだった。
「本屋さんよ、カイ。知識や物語を、売っているお店なの。」
私がそう言うと、カイはますます意味が分からないという顔をした。
本が、塩や鉄よりも大事だなんて彼には信じられないのだろう。

「さあ、行きましょう。村の未来のために、一番大切な宝物を探しにね。」
私は、そんな彼の手を引いてゆっくりと歩き出した。
私たちの村には、まだ文字を読める人がほとんどいない。
だからこそ、私が学ばなければならないのだ。
この世界のこと、そしてもっと豊かな暮らしを送るための知恵を。

カイは、何か言いたげな顔で私の後をついてくる。
私たちは、趣のある本屋の前に立った。
木の扉の向こう側には、どんな知恵が眠っているのだろう。
私は、期待に胸を膨らませながらゆっくりと扉に手をかけた。
扉を開けると、古い紙とインクの特別な香りがした。
その香りは、私の前の世界の記憶を強く呼び覚ます。
研究室や図書館の、懐かしい匂いだった。

本屋の中は、外の騒がしさが嘘のように物音一つしなかった。
壁一面に、天井まで届くほどの本棚がびっしりと並んでいる。
革で表紙が作られた分厚い本や、羊皮紙を丸めた巻物があった。
その全てが、無言のままたくさんの知識を秘めているようだった。

「いらっしゃいませ、何かお探しかな。」
店の奥のカウンターから、老人が穏やかに声をかけてきた。
銀縁の眼鏡をかけた、学者か物書きのような雰囲気の店主だ。
彼は、私たちの質素な服装を見ても全く態度を変えなかった。

「こんにちは、少し見せていただいてもよろしいですか。」
私は、丁寧に挨拶をして店内へと足を踏み入れた。
カイや若者たちも、物珍しそうに後からついてくる。
彼らにとっては、これほどたくさんの本を見るのは初めての経験だろう。

「本なんて、生まれて初めて見たぜ。」
カイが、あっけにとられた様子で呟いた。
その声は、この空間では少し大きく響いてしまう。
私は、人差し指を口に当てて彼に静かにするよう合図した。

私は、ゆっくりと本棚の間を歩き始めた。
背表紙に書かれた文字を、一つ一つ目で追っていく。
歴史の本、詩の本、医学の本、そして物語があった。
私の知らない、この世界の知識がここに詰まっているのだ。
その事実に、私は民俗学者としての血が騒ぐのを感じていた。

「リゼット様は、これが読めるのかい。」
カイが、私の隣で小声で尋ねてきた。
「ええ、少しだけね。私も、まだまだ勉強中なのよ。」
私が文字を読めることは、村人たちにとっては不思議なことの一つだった。
彼らはそれも、巫女の力だと信じているようだった。

私は、特に農業や建物に関する本を探した。
私の前の世界の知識は、あくまで別の世界の常識だ。
この世界の決まりに、合わない部分もきっとあるはずだ。
それを補うためには、この世界の知識を学ぶ必要があった。

しばらく探していると、一冊の古い本が目に留まった。
『辺境の民と失われた知恵』という題名だった。
私は、吸い寄せられるようにその本を手に取る。
表紙は擦り切れていて、長い時間が経っていることが分かった。

そっとページをめくると、そこには手書きの絵と共に様々な辺境の暮らしが記録されていた。
薬になる草の見分け方、動物の罠の作り方が載っている。
そして、星の動きを見て天気を予測する方法も書かれていた。
それは、まさに私が求めていた知識の宝庫だった。

「すごい、この本は。」
私は、思わず夢中になってページをめくっていく。
そこには、私が知らない昔の技術や習慣が数多く記されていた。
例えば、特別な粘土を焼いて作る水ろ過器の仕組みがある。
あるいは、月の満ち欠けに合わせた種まきの時期もあった。
どれも、きちんとした理由に基づいた賢い知恵ばかりだった。

「店主さん、この本をいただけますか。」
私は、その本を胸に抱えてカウンターへと向かった。
店主は、私が選んだ本を見て少し驚いたような顔をした。
「ほう、お嬢さんは物好きなようだ。そんな古い本、もう何年も買う人はいなかったがね。」
彼は、少し寂しそうに言った。

「私には、これが宝物に見えるのです。」
私は、心からの笑顔でそう答えた。
店主は、私の言葉に何かを感じたらしい。
彼は、ふっと穏やかな笑みを浮かべた。
「よろしい、その本がお嬢さんのような人に読まれるなら本望だろう。代金は、銀貨一枚で結構だよ。」
それは、この本の価値を考えればとても安い値段だった。
彼の、学者としての優しさなのだろう。

私は、銀貨を支払って丁寧に本を受け取った。
ずっしりとした重みが、私の腕に心地よく感じられる。
これで、村の未来はさらに明るくなるはずだ。

「さあ、帰りましょうか。村のみんなが、私たちの帰りを待っているわ。」
私は、満足した気持ちで本屋を後にした。
カイたちは、まだ不思議そうな顔をしている。
彼らには、この一冊の本が塩や鉄の塊よりも価値があるとは信じられないようだった。

船着き場に戻ると、私たちの船は朝日を浴びて黒く輝いていた。
私たちは、今日手に入れた全ての荷物を慎重に船へと運び込む。
塩、鉄、種、そして一冊の古い本を積んだ。
船は、村の未来の希望で満ち溢れていた。

「よし、出航だ。村へ帰るぞ。」
カイが、行きよりもずっと頼もしい声で合図を送った。
若者たちも、力強く櫂を握りしめている。
船はゆっくりと岸を離れ、再び川の流れの中へと滑り出した。

町の騒がしさが、少しずつ遠ざかっていく。
船着き場の人々が、私たちの船を珍しそうに見送っていた。
しかし、もう誰も私たちを見下すような目はしていない。
私たちは、ただの辺境の村人ではないのだ。
商人ギルドと契約を結んだ、誇り高い交易相手なのだから。

帰り道は、川の流れに逆らうため行きよりも時間がかかる。
しかし、私たちの心は希望で満ちている。
櫂を漕ぐ若者たちの腕には、力があふれていた。
彼らは、自分たちの手で村の未来を掴み取ったのだ。
その自信が、彼らの体を動かしていた。

私は、船の先に座り買ってきたばかりの本を広げた。
ページをめくるたびに、新しい知識が私の頭の中に流れ込んでくる。
それは、まるで乾いた大地が水を吸い込むかのようだった。

「リゼット様、また難しい顔をしてるぜ。」
カイが、私の隣にやってきて言った。
「ううん、楽しいのよ。この本が、私たちの村をさらに豊かにしてくれるわ。」
私は、本の一節を指差した。
「例えばね、ここには魚を燻製にして長く保存する方法が書かれているわ。これさえあれば、川で獲れた魚を無駄なく食べられるようになる。」

「燻製、か。なんだか美味そうだな。」
カイは、ごくりと喉を鳴らした。

「それに、こっちのページには薬草のことが詳しく書かれている。病気や怪我をした時に、きっと役立つはずよ。」
私の説明を聞いているうちに、カイの顔つきも真剣なものに変わっていった。
彼は、この本の本当の価値を少しずつ理解し始めたようだった。

「知識は、力なのよカイ。鉄の道具も、豊かな畑も、元をたどれば全ては人の知恵から生まれているの。だから、この本こそが私たちが手に入れた一番の宝物なのよ。」
私は、彼に優しく語りかけた。

カイは、しばらく黙って川の流れを見つめていた。
そして、何かを決心したような顔で私に向き直る。

「なあリゼット様、俺にもその文字ってやつを教えてもらえねえかな。」
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。 その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。 本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。 リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。 しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。 なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。 竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様

岡崎 剛柔
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです 【あらすじ】  カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。  聖女の名前はアメリア・フィンドラル。  国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。 「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」  そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。  婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。  ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。  そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。  これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。  やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。 〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。  一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。  普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。  だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。  カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。  些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。

役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く

腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」 ――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。 癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。 居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。 しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。 小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。

オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~

雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。 突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。 多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。 死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。 「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」 んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!! でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!! これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。 な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ひめさまはおうちにかえりたい

あかね
ファンタジー
政略結婚と言えど、これはない。帰ろう。とヴァージニアは決めた。故郷の兄に気に入らなかったら潰して帰ってこいと言われ嫁いだお姫様が、王冠を手にするまでのお話。(おうちにかえりたい編) 王冠を手に入れたあとは、魔王退治!? 因縁の女神を殴るための策とは。(聖女と魔王と魔女編) 平和な女王様生活にやってきた手紙。いまさら、迎えに来たといわれても……。お帰りはあちらです、では済まないので撃退します(幼馴染襲来編)

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

処理中です...