4 / 76
1 追放
4 覚醒
しおりを挟む
「……あれ?」
俺はランの身代わりとしてブラッドドラゴンの爪に貫かれるはずだった。
だがその爪は俺の頭の上で動きを停止させている。
「どういう……ことだ……?」
「何が起こっている……?」
ランも俺も今起こっていることが理解できなかった。貫かれるはずの俺の体が無傷で、爪は俺の頭が止めている。
ブラッドドラゴンは今もなお爪を俺に突き刺そうとしているが、微動だにしない。
爪が通らないことがわかったのか、ブラッドドラゴンは尻尾で俺の体を薙ぎ払おうとした。だがまたしてもその尻尾は俺の体に当たりそこで動きを止める。
尻尾による攻撃すらも効かなかったため、ブラッドドラゴンは炎を俺に浴びせてきた。しかしその炎も俺に傷を与えることは無かった。
「サザン……?」
「これは、どういう状況なんでしょうか……?」
どれだけブラッドドラゴンの攻撃を受けても一切のダメージが入らない。まるで圧倒的にレベル差が開いているかのようだ。
そこで俺は、グロスに刺された場所が完全に治っていることに気づいた。
さっきまでは傷が残っていた。だが今は一切の傷跡が無い。
これが表すのは、治癒能力が高くなったという事実。そして治癒能力の強化は多くの場合レベルが上がることで行われる。
俺は咄嗟に自分のレベルを確認し、驚愕した。
「レ、レベル……90……?」
先ほどまで10ちょっとしか無かった俺のレベルが今は90という高レベルになっている。
であれば、先ほどからダメージを受けていないのは辻褄が合う。これほどのレベル差があればブラッドドラゴンの如何なる攻撃であれど、ダメージを食らうことは無いのだ。
「レベル90だと!?」
ランは俺のつぶやきを聞いたのか、俺と同じように驚愕の声を上げた。
「……よし!」
俺はブラッドドラゴンへと向かっていく。エンチャント魔法も数多く使用出来るようになっているため、レベルが上がったのは間違いない。
その辺の小石を広い、新たに習得した即死エンチャントをかける。自分のレベル以下の相手を即死させる効果を持ったエンチャント……今の俺のレベルならブラッドドラゴンを即死させられる。
「ふんっ!」
精一杯の力でブラッドドラゴンに投げつける。その小石はブラッドドラゴンの体を貫通し、ダンジョンの壁に深くめり込んだ。
そしてブラッドドラゴンは即死エンチャントの効果によって塵と化した。
「……すげえなこれ」
自分でも驚いている。これほどの力をまさか俺が身に付けることが出来るとは思わなかった。
この後は魔物に出会うことも無く、俺とランはダンジョンを無事に脱出し正式にパーティを組むことが出来た。
「しかしサザンの急激なレベルアップは気になるな」
「ですよね。いったいなんでこんなことが起きたのか」
俺とランはこの急激なレベルアップについて調べるため、王都にある図書館へとやってきている。ここには魔法に関することはもちろんのこと世界中の色んな情報がまとめられているため、何かしらの手がかりがあると考えたのだ。
「……む? これ、これじゃないか!?」
ランが慌てて見せてきた本には、確かに俺と似たような情報が記されていた。
大器晩成スキル。このスキルを持つものは獲得経験値を上昇させる代わりに、一定のレベルからレベルが上がらなくなるらしい。そして獲得した経験値量が特定の量を超えた時、その分のレベルが一気に上がるのだと言う。この本ではその現象を『覚醒』と定義している。
このスキルは所持していることを判断する術が無いため、ほとんどの者は伸び悩むことにより覚醒が起こる前に冒険者を引退してしまうのだとか。
このスキルによって上昇する経験値量やレベルが上がらくなるタイミングは人それぞれであるらしく、経験値量はだいたい2倍から多くて4倍程度。レベルは20後半から上がらなくなることが多いようだ。
「ということは、サザンの場合はかなり低レベルの状態でレベルが上がらなくなったということか」
「みたいですね」
仮にそうなのであれば、俺はまだまだ強くなれるのかもしれない。
しかし疑問も残る。俺が大器晩成型スキルを保有しているにしても、ここまでレベルが上がった例は他に無いため明らかに異常なのだ。
「サザンの疑問も解けたことだ。そろそろ行こうぜ?」
「行くって……どこに?」
「サザンを追放した、グロスのとこにだよ。強くなった今ならいろいろと言いたいこともあるだろう?」
ランは、俺を追放したグロスのとこに行こうと提案した。そうだ。今の俺ならメルとリアをあの最低な男から引き離すことが出来るかもしれない。
自分のことについて調べるのはまたの機会にして、まずはグロスの元に向かい決着をつける。すべてはそれからだ。
俺はランの身代わりとしてブラッドドラゴンの爪に貫かれるはずだった。
だがその爪は俺の頭の上で動きを停止させている。
「どういう……ことだ……?」
「何が起こっている……?」
ランも俺も今起こっていることが理解できなかった。貫かれるはずの俺の体が無傷で、爪は俺の頭が止めている。
ブラッドドラゴンは今もなお爪を俺に突き刺そうとしているが、微動だにしない。
爪が通らないことがわかったのか、ブラッドドラゴンは尻尾で俺の体を薙ぎ払おうとした。だがまたしてもその尻尾は俺の体に当たりそこで動きを止める。
尻尾による攻撃すらも効かなかったため、ブラッドドラゴンは炎を俺に浴びせてきた。しかしその炎も俺に傷を与えることは無かった。
「サザン……?」
「これは、どういう状況なんでしょうか……?」
どれだけブラッドドラゴンの攻撃を受けても一切のダメージが入らない。まるで圧倒的にレベル差が開いているかのようだ。
そこで俺は、グロスに刺された場所が完全に治っていることに気づいた。
さっきまでは傷が残っていた。だが今は一切の傷跡が無い。
これが表すのは、治癒能力が高くなったという事実。そして治癒能力の強化は多くの場合レベルが上がることで行われる。
俺は咄嗟に自分のレベルを確認し、驚愕した。
「レ、レベル……90……?」
先ほどまで10ちょっとしか無かった俺のレベルが今は90という高レベルになっている。
であれば、先ほどからダメージを受けていないのは辻褄が合う。これほどのレベル差があればブラッドドラゴンの如何なる攻撃であれど、ダメージを食らうことは無いのだ。
「レベル90だと!?」
ランは俺のつぶやきを聞いたのか、俺と同じように驚愕の声を上げた。
「……よし!」
俺はブラッドドラゴンへと向かっていく。エンチャント魔法も数多く使用出来るようになっているため、レベルが上がったのは間違いない。
その辺の小石を広い、新たに習得した即死エンチャントをかける。自分のレベル以下の相手を即死させる効果を持ったエンチャント……今の俺のレベルならブラッドドラゴンを即死させられる。
「ふんっ!」
精一杯の力でブラッドドラゴンに投げつける。その小石はブラッドドラゴンの体を貫通し、ダンジョンの壁に深くめり込んだ。
そしてブラッドドラゴンは即死エンチャントの効果によって塵と化した。
「……すげえなこれ」
自分でも驚いている。これほどの力をまさか俺が身に付けることが出来るとは思わなかった。
この後は魔物に出会うことも無く、俺とランはダンジョンを無事に脱出し正式にパーティを組むことが出来た。
「しかしサザンの急激なレベルアップは気になるな」
「ですよね。いったいなんでこんなことが起きたのか」
俺とランはこの急激なレベルアップについて調べるため、王都にある図書館へとやってきている。ここには魔法に関することはもちろんのこと世界中の色んな情報がまとめられているため、何かしらの手がかりがあると考えたのだ。
「……む? これ、これじゃないか!?」
ランが慌てて見せてきた本には、確かに俺と似たような情報が記されていた。
大器晩成スキル。このスキルを持つものは獲得経験値を上昇させる代わりに、一定のレベルからレベルが上がらなくなるらしい。そして獲得した経験値量が特定の量を超えた時、その分のレベルが一気に上がるのだと言う。この本ではその現象を『覚醒』と定義している。
このスキルは所持していることを判断する術が無いため、ほとんどの者は伸び悩むことにより覚醒が起こる前に冒険者を引退してしまうのだとか。
このスキルによって上昇する経験値量やレベルが上がらくなるタイミングは人それぞれであるらしく、経験値量はだいたい2倍から多くて4倍程度。レベルは20後半から上がらなくなることが多いようだ。
「ということは、サザンの場合はかなり低レベルの状態でレベルが上がらなくなったということか」
「みたいですね」
仮にそうなのであれば、俺はまだまだ強くなれるのかもしれない。
しかし疑問も残る。俺が大器晩成型スキルを保有しているにしても、ここまでレベルが上がった例は他に無いため明らかに異常なのだ。
「サザンの疑問も解けたことだ。そろそろ行こうぜ?」
「行くって……どこに?」
「サザンを追放した、グロスのとこにだよ。強くなった今ならいろいろと言いたいこともあるだろう?」
ランは、俺を追放したグロスのとこに行こうと提案した。そうだ。今の俺ならメルとリアをあの最低な男から引き離すことが出来るかもしれない。
自分のことについて調べるのはまたの機会にして、まずはグロスの元に向かい決着をつける。すべてはそれからだ。
84
あなたにおすすめの小説
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる