ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第十二章

第七話 最終試験突破

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 俺は鞘から太刀を抜き、ポイズンリザードに接近する。

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』

 モンスターは睡眠を邪魔されて気が立っているのか、吠えると目を赤くし、尻尾が膨らむ。

 最初から憤怒状態か。いきなり難易度が上がったな。

 ポイズンリザードは舌を伸ばし、俺を捕らえようとする。

 憤怒状態だから通常時と比べて動きが速い。だけど、避けられない速さだ。

 横に跳躍して躱し、やつ舌の行き先を見る。モンスターの舌は岩に貼り付き、動きを止めていた。

 ポイズンリザードの舌は獲物を捕らえるために細かい吸盤のようなものが無数にある。そのため何かに引っ付くと、引き剥がすのに時間がかかってしまう。

 モンスターに隙が生じた。攻撃するなら今だ。

 巨大トカゲに近づき、やつの舌に太刀を振り下ろす。刃はポイズンリザードの舌に当たると切断し、鮮血が噴き出る。

 一発で部位破壊をすることに成功した。ベルトラムさん、いい仕事をしてくれる。

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』

 強化され、切れ味が増した得物の威力に感動するとモンスターは吠える。

 分離された舌はトカゲの尻尾のようにうごめいていた。

 切断されてもなお動くのはちょっとしたホラーだな。

 吠えたモンスターは俺に背を向け、今度は尻尾を向けてきた。

 今度はテールアタックか。

 巨大トカゲの尻尾の長さを考え、後にバックステップをする。ある程度離れたところで、やつは尻尾を思いっきり左右に振ってきた。だが、前もって攻撃を予想していた俺には当たることはない。

 手応えがないことに気付いたのか、ポイズンリザードは再び体を反転させて俺をみる。すると口を大きく膨らませ、口から紫色の液体を吐いてきた。

 この位置では当たってしまうな。

 毒液が当たると判断し、素早く太刀を鞘に収める。そして着弾するよりも早く、前方に二回ほど前転をして毒液を躱す。

 だが、憤怒状態のモンスターは一発出すだけでは治らなかったようだ。

 標的の動きに合わせてもう一度毒液を吐いて来るのが視界に入った。

 やっぱり連続で吐いてくるよな。このままでは毒液を浴びてしまう。仕方がない。しばらくは起き上がるのは止めるか。

 再び前転を続け、二発目の毒液を回避した。

 間を置くことなく連続で紫の液体を吐いたからか、二回目の毒液は小さかった。

 三回目の毒液を吐くようなモーションがない。あいつも暴れて疲れたみたいだな。

 前転を止め、立ち上がると肩で息をする。

 ポイズンリザードも暴れて冷静さを取り戻したようで、目の充血が引いていた。

「これで俺の攻撃は、更に通りやすくなる」

 憤怒状態のモンスターは、筋肉が萎縮して硬くなり、切れ味の悪い刃では簡単に弾かれてしまう。だけど怒りが収まった今なら、簡単にやつの肉体を切り裂くことができるだろう。

 巨大トカゲが肢体を動かして俺に接近すると、後ろ足で立ち上がる。

 このまま押し潰そうということか。そうはさせない。

 バックステップでモンスターの押し潰しを躱す。だが、やつが地面に倒れた瞬間、地面が揺れた。その影響でバランスを崩す。

 尻餅をつかなかっただけマシだな。転倒したタイミングで何かしらの攻撃をされたら、回避するのが難しかった。

 もし、憤怒状態のときに今の攻撃をされたらダメージを受けていたかもしれない。

「そうだ。テレーゼたちは!」

 仲間のことが気になり、みんながいる方に顔を向ける。

 どうやらあっちまでは地面の振動が伝わっていなかったようで、セシリオさんが大剣を構えたまま俺の戦いを見ていた。

 三人を人質に取るように、ブレード部分を彼女たちの喉元に突き付けている。

 いくら俺の成長を確かめるためとはいえ、やりすぎだ。

 彼の考えが読めない。

 ユリヤたちのことも気になるが、俺が変な行動に出ない限りは、セシリオさんも手元を狂わせるようなことはしないはず。

 今はポイズンリザードの討伐に集中するべきだ。

 早くモンスターを倒し、彼女たちを解放する。

 巨大なトカゲは前足を地面の上に起き、巨体を持ち上げようとする。少ししか攻撃のチャンスはないが、次の攻撃のモーションが来るまでは攻撃させてもらう。

 鞘から太刀を抜き、モンスターの横から側面部を切る。切られた部分からは鮮血が流れ、肉の深い部分まで切った感触があった。

 やっぱり憤怒状態が収まったから、肉が柔らかい。まだモンスターは次の攻撃のモーションを取っていない。ダメージの蓄積をするなら今だ。

 もう一度太刀を振り下ろし、ポイズンリザードの肉体を切り裂く。だが、今度は手応えが違っていた。

 巨大トカゲの肉は斬ったが、奥深くまで斬った感触がなかった。

 やつの顔を見ると、再び目が血走っているのが確認できる。

「また憤怒状態になったか」

 怒りが収まってまだ五分も経っていない。それなのに再び怒ると言うことは、与えているダメージが大きいという証拠でもある。

 モンスターの行動に注視していると、やつは後足で立ち上がり、俺の方に体を向かせてそのまま押し潰そうとしてくる。

 またこの攻撃か。憤怒状態だから動きがさっきよりも速い。

 後方に跳躍して躱すとしても間に合わなさそうだ。なら、一瞬でも良い。時間を稼ぐ。

 柄に嵌めてある炎の属性玉に意識を集中すると、目の前に火球が現れてポイズンリザードに直撃した。

 俺の予想を遥かに超えた火球は、直径五メートルはありそうなほどの巨大だった。

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』

 炎を受けたモンスターは、そのまま火球の威力にバランスを崩し、仰向けの状態で倒れる。

 肢体を一生懸命に動かし、起き上がろうとするも、起き上がれないでいた。

「今がチャンスだ」

 跳躍してポイズンリザードのお腹の上に乗ると、やつの心臓に向けて刃を突き刺す。

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』

 モンスターは再び吠えると肢体は動かなくなる。

「ポイズンリザード、討伐完了だ」
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