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第十二章
第六話 因縁のモンスターとの再会?
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「――と言うわけで、俺はセシリオさんから命を助けてもらい、その後は彼の持ってきた解毒草で俺の親は命が助かったってわけだ。再会したときにセシリオさんから太刀を貰って、その剣に見合うハンターになれと言われたんだ」
過去話を語り終え、閉じていた瞼を開ける。すると彼女たちの目尻からは、少しの涙が流れていた。
あれ? そんなに感動するようなことを言ったっけ?
「幼い頃のリュシアンさん、苦労していたのですね」
「ご両親のために働く優しいリュシアン、もし過去に戻ることができたら、優しく抱きしめてあげたい」
「ええ、そしてわたくしの国から支援して裕福な生活を送らせたいですわ」
ああ、幼い頃の俺に同情してくれたのか。
「まぁ、俺とセシリオさんとの出会いはこんなところだな。俺は彼に命を救われたし、ハンターとしての才能があると言うことで、色々と教わった。だから俺にとっての憧れの存在というわけ」
話がひと段落すると、馬車が止まった。
どうしたのだろうか?
疑問に思っていると、扉が開かれてセシリオさんが顔を出す。
「悪いが、ここから先は徒歩で歩いてもらう。このオーチャッカの森には、モンスターもいるからな。馬車では進めないんだ」
馬車から降りるように促され、俺たちは馬車から出た。
「ほら、これが地図だ」
セシリオさんからこの森の地図を渡され、目を通す。
この森は全部で八番エリアになっているのか。そして森の出口は八番エリアだ。最短で行こうとするなら、二番を通って四番の洞窟を抜け、八番の出口を目指すのが最短となる。
だけど、四番エリアにはバッテンが付いているな。これは通行できないって意味なのだろうか?
「セシリオさん、このバツ印は何ですか? 通行できないって意味なら遠回りをする必要がありますよね?」
「ああ、そのことだな。別に通行できないわけではないさ。そこにはちょっとしたモンスターが巣を作っている。だから危険なので入るなって意味だ」
なるほど、そういう意味なのか。どんなモンスターなのか分からないけど、戦闘に発展してしまうことを考えると、時間のロスになってしまう。ここは少し遠回りをしてでも、別のエリアを経由して進んだ方がいいな。
「わかりました。では、遠回りをするルートで行きましょう」
「いや、最短ルートで行く。俺にお前の実力を確かめさせてくれないか?」
「分かりました。では、そのルートで。みんなもそれでいいよな」
ユリヤたちに尋ねると、彼女たちは頷いた。
「はい。私たちならどんなモンスターでも直ぐに討伐できるので、そんなに時間はかからないかと思います」
「そうね。あたしとリュシアンがいるのだもの。どんなモンスターが相手でも、二人のコンビネーションで討伐してあげるわ」
「まだまだわたくしは弱い方ですが、リュシアン王子のために精一杯サポートさせてもらいます」
俺たちは今いる一番エリアから二番エリアに移動する。二番エリアは一番エリアと変わらず、等間隔で木が並んでいるだけだ。
小型のモンスターや野生動物の姿も見えたが、俺たちの方から仕掛けない限り、襲ってくる様子がない。
ムダな戦闘を避けるために、小型モンスターを刺激しないようにしながら先に進む。しばらく歩くと、洞窟の入り口が見えてきた。
洞窟の前に来ると、中の様子を伺う。四番エリアにつながる細い道には、光を放つクリスタルがあった。そのお陰で松明を用意する必要はなさそう。
洞窟の中に入り、狭い通路を抜けて四番エリアに辿り着く。
四番エリアは広い空間になっており、中央には紫の鱗に覆われたオオトカゲが眠っていた。
ポイズンリザード!
思わず声が出そうになるところを必死に我慢する。
「ポイズンリザードが、このエリアを縄張りにしているモンスターですか?」
モンスターを起こさないように、小声でセシリオさんに尋ねる。
「ああ、そうだ。お前からしたら、ある意味因縁のモンスターだろう」
彼の言葉に無言で頷く。
確かにある意味では因縁の相手だ。だけど直接恨みを持つポイズンリザードは、セシリオさんが倒してくれた。
どうやら今は眠っているようだし、起こさないように細心の注意を払えば、戦闘を回避することができるかもしれない。
「セシリオさん。やつが眠っている間にここを通り抜けましょう」
小声で彼に話しかけたときだ。セシリオさんは懐から投擲用のナイフを取り出すと、ポイズンリザードに向けて投げつけた。
彼の投げたナイフはオオトカゲに命中し、モンスターが目を覚ます。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』
ポイズンリザードが吠えると、俺たちの方を見る。
「セシリオさん、いったいどうして!」
「さっきも言っただろう。お前の実力を確かめさせてくれと」
セシリオさんはニヤリと口角を上げる。
最初から俺とこいつを戦わせるつもりだったのか。でも、今の俺ならこんなやつは倒せる。みんなもいるし、そんなに時間はかからないだろう。
「リュシアン、あたしたちも加勢……きゃ!」
テレーゼの短い悲鳴が聞こえ、振り返る。するとセシリオさんが背中の大剣を抜き、彼女たちに刃を向けていた。
「お前たちは余計なことをするな。こいつは最終試験だ。リュシアンが本当に昔の俺と同じ領域に達したのかを確かめるためのな。リュシアン、一人でポイズンリザードを倒せ。もし、こいつらの力を借りようとしたり、逃げたりしたらこいつら全員殺すからな」
セシリオさんの言葉に歯を食い縛る。
最初から俺のことを信じていなかった。だから本当に強くなったのかを確かめるために、わざわざこの森を選び、因縁の相手であるポイズンリザードと戦わせようとしたのか。
彼の気持ちはわからなくもない。だけどやりすぎじゃないか。
「さぁ、行け! 俺を失望させるなよ」
セシリオさんがモンスターを相手にするときの眼差しを送ってくる。
こうなったら、俺一人でポイズンリザードを倒してやる。
鞘から太刀を抜き、刃先をモンスターに向ける。
過去話を語り終え、閉じていた瞼を開ける。すると彼女たちの目尻からは、少しの涙が流れていた。
あれ? そんなに感動するようなことを言ったっけ?
「幼い頃のリュシアンさん、苦労していたのですね」
「ご両親のために働く優しいリュシアン、もし過去に戻ることができたら、優しく抱きしめてあげたい」
「ええ、そしてわたくしの国から支援して裕福な生活を送らせたいですわ」
ああ、幼い頃の俺に同情してくれたのか。
「まぁ、俺とセシリオさんとの出会いはこんなところだな。俺は彼に命を救われたし、ハンターとしての才能があると言うことで、色々と教わった。だから俺にとっての憧れの存在というわけ」
話がひと段落すると、馬車が止まった。
どうしたのだろうか?
疑問に思っていると、扉が開かれてセシリオさんが顔を出す。
「悪いが、ここから先は徒歩で歩いてもらう。このオーチャッカの森には、モンスターもいるからな。馬車では進めないんだ」
馬車から降りるように促され、俺たちは馬車から出た。
「ほら、これが地図だ」
セシリオさんからこの森の地図を渡され、目を通す。
この森は全部で八番エリアになっているのか。そして森の出口は八番エリアだ。最短で行こうとするなら、二番を通って四番の洞窟を抜け、八番の出口を目指すのが最短となる。
だけど、四番エリアにはバッテンが付いているな。これは通行できないって意味なのだろうか?
「セシリオさん、このバツ印は何ですか? 通行できないって意味なら遠回りをする必要がありますよね?」
「ああ、そのことだな。別に通行できないわけではないさ。そこにはちょっとしたモンスターが巣を作っている。だから危険なので入るなって意味だ」
なるほど、そういう意味なのか。どんなモンスターなのか分からないけど、戦闘に発展してしまうことを考えると、時間のロスになってしまう。ここは少し遠回りをしてでも、別のエリアを経由して進んだ方がいいな。
「わかりました。では、遠回りをするルートで行きましょう」
「いや、最短ルートで行く。俺にお前の実力を確かめさせてくれないか?」
「分かりました。では、そのルートで。みんなもそれでいいよな」
ユリヤたちに尋ねると、彼女たちは頷いた。
「はい。私たちならどんなモンスターでも直ぐに討伐できるので、そんなに時間はかからないかと思います」
「そうね。あたしとリュシアンがいるのだもの。どんなモンスターが相手でも、二人のコンビネーションで討伐してあげるわ」
「まだまだわたくしは弱い方ですが、リュシアン王子のために精一杯サポートさせてもらいます」
俺たちは今いる一番エリアから二番エリアに移動する。二番エリアは一番エリアと変わらず、等間隔で木が並んでいるだけだ。
小型のモンスターや野生動物の姿も見えたが、俺たちの方から仕掛けない限り、襲ってくる様子がない。
ムダな戦闘を避けるために、小型モンスターを刺激しないようにしながら先に進む。しばらく歩くと、洞窟の入り口が見えてきた。
洞窟の前に来ると、中の様子を伺う。四番エリアにつながる細い道には、光を放つクリスタルがあった。そのお陰で松明を用意する必要はなさそう。
洞窟の中に入り、狭い通路を抜けて四番エリアに辿り着く。
四番エリアは広い空間になっており、中央には紫の鱗に覆われたオオトカゲが眠っていた。
ポイズンリザード!
思わず声が出そうになるところを必死に我慢する。
「ポイズンリザードが、このエリアを縄張りにしているモンスターですか?」
モンスターを起こさないように、小声でセシリオさんに尋ねる。
「ああ、そうだ。お前からしたら、ある意味因縁のモンスターだろう」
彼の言葉に無言で頷く。
確かにある意味では因縁の相手だ。だけど直接恨みを持つポイズンリザードは、セシリオさんが倒してくれた。
どうやら今は眠っているようだし、起こさないように細心の注意を払えば、戦闘を回避することができるかもしれない。
「セシリオさん。やつが眠っている間にここを通り抜けましょう」
小声で彼に話しかけたときだ。セシリオさんは懐から投擲用のナイフを取り出すと、ポイズンリザードに向けて投げつけた。
彼の投げたナイフはオオトカゲに命中し、モンスターが目を覚ます。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン!』
ポイズンリザードが吠えると、俺たちの方を見る。
「セシリオさん、いったいどうして!」
「さっきも言っただろう。お前の実力を確かめさせてくれと」
セシリオさんはニヤリと口角を上げる。
最初から俺とこいつを戦わせるつもりだったのか。でも、今の俺ならこんなやつは倒せる。みんなもいるし、そんなに時間はかからないだろう。
「リュシアン、あたしたちも加勢……きゃ!」
テレーゼの短い悲鳴が聞こえ、振り返る。するとセシリオさんが背中の大剣を抜き、彼女たちに刃を向けていた。
「お前たちは余計なことをするな。こいつは最終試験だ。リュシアンが本当に昔の俺と同じ領域に達したのかを確かめるためのな。リュシアン、一人でポイズンリザードを倒せ。もし、こいつらの力を借りようとしたり、逃げたりしたらこいつら全員殺すからな」
セシリオさんの言葉に歯を食い縛る。
最初から俺のことを信じていなかった。だから本当に強くなったのかを確かめるために、わざわざこの森を選び、因縁の相手であるポイズンリザードと戦わせようとしたのか。
彼の気持ちはわからなくもない。だけどやりすぎじゃないか。
「さぁ、行け! 俺を失望させるなよ」
セシリオさんがモンスターを相手にするときの眼差しを送ってくる。
こうなったら、俺一人でポイズンリザードを倒してやる。
鞘から太刀を抜き、刃先をモンスターに向ける。
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