152 / 269
第九章
第二十八話 トラッポラ記念④
しおりを挟む
~クリープ視点~
「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
救出に駆け寄ってくれたオグニちゃんと、サザンクロスちゃんが手を差し伸ばしてもらったのにも関わらず、掴んでいた部分の縁が崩れ、ママは落とし穴へと真っ逆様に落ちます。
このままでは、底に敷き詰められた糞に落下し、レースどころではなくなってしまいます。
動物たちの糞にダイブする訳にはいきません。どうにかして回避しなければ、瞬時に頭を働かせ、思い付いた策を実行します。
『ロック!』
魔法を発動し、落下位置に足場となる岩を出現させ、糞を押し潰しました。そしてそのまま体勢を変えて岩の上に着陸します。
ふぅ、どうにかなりました。危うく糞まみれになるところでしたね。
「クリープ、大丈夫か!」
「円弧の舞姫! 無事か!」
「ええ、問題ありません」
地上からサザンクロスちゃんとオグニちゃんの心配する声が聞こえてきたので、ママは大丈夫だと返事をします。
「痛い!」
さっきまでは必死になっていたので感じなかったのですが、ママの手の甲は、走者の氷の魔法を受け、皮膚が切り裂かれて血を流していたのです。
「あの高さなら、地上にいる2人からは見えないはず」
一度顔を上げて2人との距離を確認した後、ママは治癒魔法を発動させます。
「ネイチチャーヒーリーング」
魔法を発動後、肉体の細胞が活性化され、血管は修復され、新たに生成された皮膚が傷を塞ぎ、ケガをする前の状態へと戻っていきます。
これでよし、後は登るだけですね。
ママは意気込むと、落とし穴の側面を蹴り、その反動で反対側に到達すると、再び側面を蹴って少しずつ上がっていきます。所謂三段跳びと言うやつですね。
どうにか上りきり、地上へと出ることができましたが、エリア内のコースは蜂の巣のように穴ボコだらけとなっていました。
「こんなに落とし穴があったのですね」
「穴によっては落下したくない場所になっているケン、気を付けた方がヨカバイ」
「私も落ちそうになったが、どうにか落下せずに済んだ。落とし穴には無数の触手が蠢いていて、危うく触手プレイをさせられるところだったな」
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! お前、なんてところに入ってきやがる! そこはダメだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! 前立腺が刺激されるううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
あらあら、どうやらオグニちゃんが言っていた落とし穴に落ちた方がいるのですね。医者の娘として、前立腺を刺激された方がどのようになるのか興味がありますが、今はレースに集中しないといけません。
「因み、クリープが落下した落とし穴は何があった?」
「えーとですね。ワンちゃんネコちゃんたちと言った動物の糞でした」
「そ、それは……ある意味落ちたくない場所だな」
落とし穴の底に何があったのかを告げると、2人は苦笑いを浮かべました。
「とにかく急ぎましょう。ママのせいで2人とも順位を下げてしまいましたし」
「それもそうだな」
「ハヨオソセント優勝を逃してしまうケン、急がんとな。このまま決着がつかないで引き分けにする訳にはイカンケン」
ママたちは落とし穴の間を走り、どうにか最初のギミックを走り抜けました。
『次々と第一ギミックをクリアし、後続が順位を上げてきました』
『最初のギミックは、後続の方が有利になるギミックでしたからね。運が悪ければ、最初のギミックでリタイアするでしょう』
『先頭が入れ替わり、現在先頭を走っているのはセイウン、続いてスカイが走っています。その後をサウザンドが追いかけ、内側からカマンベーツとシュバルツが並走しております。ここまでが先頭集団。5メートル差をクリープ、オグニ、サザンクロスが並走して追いかけていますが、それ以降はまだギミックから抜け出していません。おっと、ここでナーゾが排泄物を頭に乗せた状態で落とし穴から抜け出してきた』
あらあら、どうやらママと同じ落とし穴に落下した方がいらっしゃるようですね。しかも回避できなかったとは、ご愁傷様です。
先頭集団を追いかけていると、第一コーナを曲がったところで第二ギミックエリアに到達しました。ですが、先頭を走っているはずの走者が走るのをやめ、おかしな動きをしています。
まるで壁に手を置いているかのような動きでした。
「あいつら何をしている? まぁヨカバイ。そのまま突き進んで一気に追い抜いてやるケン」
「サザンクロスちゃん待って!」
息巻いて突撃しようとしているサザンクロスちゃんを見て、ママは制しの声を上げました。ですが、彼女にママの言葉は届いておらず、彼女は突撃しました。ですが、直ぐに何かにぶつかったかのように動きを止め、彼女はその場でしゃがみ込みます。
「いたた! 何これ? どうして前に進めないと?」
「これはどうやら、見えない壁のようなものがあるようだな」
「見えない壁」
オグニちゃんが見えない壁と言った言葉を聞いた瞬間、ママの脳内に過去の記憶が蘇ります。
それは、シャカール君と初めてお会いした時、彼を良い子に戻そうと思ってママのことをママと呼び、沢山甘えるように言いました。ですが、彼は逃げ出し、追いかけて模擬レースに参加した後、彼が魔法で生み出した光の壁でママを阻んだのです。
シャカール君と同じ魔法を使ったギミック。と言うことは、肉眼で見えない壁を認識するのは難しいでしょうね。
「コースのギミックである以上、先に繋がる場所はあるはずです。探しましょう!」
「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
救出に駆け寄ってくれたオグニちゃんと、サザンクロスちゃんが手を差し伸ばしてもらったのにも関わらず、掴んでいた部分の縁が崩れ、ママは落とし穴へと真っ逆様に落ちます。
このままでは、底に敷き詰められた糞に落下し、レースどころではなくなってしまいます。
動物たちの糞にダイブする訳にはいきません。どうにかして回避しなければ、瞬時に頭を働かせ、思い付いた策を実行します。
『ロック!』
魔法を発動し、落下位置に足場となる岩を出現させ、糞を押し潰しました。そしてそのまま体勢を変えて岩の上に着陸します。
ふぅ、どうにかなりました。危うく糞まみれになるところでしたね。
「クリープ、大丈夫か!」
「円弧の舞姫! 無事か!」
「ええ、問題ありません」
地上からサザンクロスちゃんとオグニちゃんの心配する声が聞こえてきたので、ママは大丈夫だと返事をします。
「痛い!」
さっきまでは必死になっていたので感じなかったのですが、ママの手の甲は、走者の氷の魔法を受け、皮膚が切り裂かれて血を流していたのです。
「あの高さなら、地上にいる2人からは見えないはず」
一度顔を上げて2人との距離を確認した後、ママは治癒魔法を発動させます。
「ネイチチャーヒーリーング」
魔法を発動後、肉体の細胞が活性化され、血管は修復され、新たに生成された皮膚が傷を塞ぎ、ケガをする前の状態へと戻っていきます。
これでよし、後は登るだけですね。
ママは意気込むと、落とし穴の側面を蹴り、その反動で反対側に到達すると、再び側面を蹴って少しずつ上がっていきます。所謂三段跳びと言うやつですね。
どうにか上りきり、地上へと出ることができましたが、エリア内のコースは蜂の巣のように穴ボコだらけとなっていました。
「こんなに落とし穴があったのですね」
「穴によっては落下したくない場所になっているケン、気を付けた方がヨカバイ」
「私も落ちそうになったが、どうにか落下せずに済んだ。落とし穴には無数の触手が蠢いていて、危うく触手プレイをさせられるところだったな」
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! お前、なんてところに入ってきやがる! そこはダメだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! 前立腺が刺激されるううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
あらあら、どうやらオグニちゃんが言っていた落とし穴に落ちた方がいるのですね。医者の娘として、前立腺を刺激された方がどのようになるのか興味がありますが、今はレースに集中しないといけません。
「因み、クリープが落下した落とし穴は何があった?」
「えーとですね。ワンちゃんネコちゃんたちと言った動物の糞でした」
「そ、それは……ある意味落ちたくない場所だな」
落とし穴の底に何があったのかを告げると、2人は苦笑いを浮かべました。
「とにかく急ぎましょう。ママのせいで2人とも順位を下げてしまいましたし」
「それもそうだな」
「ハヨオソセント優勝を逃してしまうケン、急がんとな。このまま決着がつかないで引き分けにする訳にはイカンケン」
ママたちは落とし穴の間を走り、どうにか最初のギミックを走り抜けました。
『次々と第一ギミックをクリアし、後続が順位を上げてきました』
『最初のギミックは、後続の方が有利になるギミックでしたからね。運が悪ければ、最初のギミックでリタイアするでしょう』
『先頭が入れ替わり、現在先頭を走っているのはセイウン、続いてスカイが走っています。その後をサウザンドが追いかけ、内側からカマンベーツとシュバルツが並走しております。ここまでが先頭集団。5メートル差をクリープ、オグニ、サザンクロスが並走して追いかけていますが、それ以降はまだギミックから抜け出していません。おっと、ここでナーゾが排泄物を頭に乗せた状態で落とし穴から抜け出してきた』
あらあら、どうやらママと同じ落とし穴に落下した方がいらっしゃるようですね。しかも回避できなかったとは、ご愁傷様です。
先頭集団を追いかけていると、第一コーナを曲がったところで第二ギミックエリアに到達しました。ですが、先頭を走っているはずの走者が走るのをやめ、おかしな動きをしています。
まるで壁に手を置いているかのような動きでした。
「あいつら何をしている? まぁヨカバイ。そのまま突き進んで一気に追い抜いてやるケン」
「サザンクロスちゃん待って!」
息巻いて突撃しようとしているサザンクロスちゃんを見て、ママは制しの声を上げました。ですが、彼女にママの言葉は届いておらず、彼女は突撃しました。ですが、直ぐに何かにぶつかったかのように動きを止め、彼女はその場でしゃがみ込みます。
「いたた! 何これ? どうして前に進めないと?」
「これはどうやら、見えない壁のようなものがあるようだな」
「見えない壁」
オグニちゃんが見えない壁と言った言葉を聞いた瞬間、ママの脳内に過去の記憶が蘇ります。
それは、シャカール君と初めてお会いした時、彼を良い子に戻そうと思ってママのことをママと呼び、沢山甘えるように言いました。ですが、彼は逃げ出し、追いかけて模擬レースに参加した後、彼が魔法で生み出した光の壁でママを阻んだのです。
シャカール君と同じ魔法を使ったギミック。と言うことは、肉眼で見えない壁を認識するのは難しいでしょうね。
「コースのギミックである以上、先に繋がる場所はあるはずです。探しましょう!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる