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第二章 25th Birth day
まさかの外泊許可でした②
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「...はぁ。千春...露天風呂って最高でした」
母に教えてもらったことがある浴衣を、手探りで着て、脱衣所からまっすぐの壁をつたい、部屋まで戻る。
「ああ...浴衣似合うな。良かった、気に入って」
千春の穏やかな声がすぐそばでして、花乃も腰をおろした。
「うん、もうリラックスしまくりだった」
「そっか。...花乃、こっちおいで」
「え?...うん」
ポンポンと畳を叩く音がして、そこまで近づいていく。
「ここ座って。髪の毛乾かしてあげるよ」
「...ありがとう。お願いします」
千春は、後ろに回って花乃の柔らかな髪の毛を乾かしてくれた。優しく触れられて、心地よさに花乃の目が閉じる。
「はい、できたよ。花乃って、髪の毛綺麗だよな。傷んでなくてサラサラ」
「そうかな?...千春もサラサラだよ?」
向かい合って千春は花乃の、花乃は千春の髪の毛に触れ、サラサラと指ですいた。
「ふふふ、くすぐったい」
「はは、だな。あ、さっき宿の仲居さんが、夕飯準備していってくれたから食べよう?」
「うん!」
千春に手を引かれて、部屋に運ばれた夕食の席につけば、いい香りが鼻をくすぐる。
「いただきます」
「いただきます」
二人で同時に手を合わせる。
そっと色々な形、素材の食器に触れて、ひとつひとつ香りを楽しんで...口にゆっくり運んだ。
「ん~~、すごい!どれも美味しいね」
「ああ。美味しいな」
千春と二人で楽しく会話しながら、畳のいい香りのする広い和室で、特別な料理を食べる。
小鉢、出汁のきいた汁椀、花乃の好みに合わせたメインの海産物...今日の花乃はいつもより食欲がある。
大満足していたら、もう一皿出てきて、甘い香りがした。
「...デザート、ケーキに変更してもらった。誕生日だしな」
フルーツがたっぷりのった甘酸っぱいケーキ。
「美味しい...今日は人生最高の日だ」
花乃はお腹も心も満たされて、しみじみと言った。
「千春...ありがとうね」
「...ああ」
****
寝る支度をして、電気を消して布団に入る。
花乃は、普段と違う場所と未だ浮き足たつ気持ちでゴロゴロ寝返りを打っていた。
「...眠れないのか?」
暗がりの中、すぐ隣の布団から静かな声が聞こえる。
「うん...あんまり眠くなくて」
そう答えると、静まり返った室内で衣擦れの音がして、千春が体を起こした気配がした。
「...花乃、こっちおいで」
「え...?」
千春がそっと掛け布団をめくって、花乃を抱き寄せる。あっという間に、花乃は大きな体にすっぽり包まれた。
「...ち、ちはる?」
花乃は突然のことに小さく抵抗するが、力強い腕はビクともしない。
「...あったかいな。...これならすぐ眠れそうだ」
確かにあったかい。
よく知るにおいがして、トクトク鳴る心臓の音が聞こえると....花乃は抵抗する気もなくなった。
(...落ち着く)
おとなしくなった花乃に、頭の上からポソリと優しい声が落ちてくる。
「...ケーキ...花乃の作ってくれたカップケーキにはやっぱり敵わないな」
「...もう、また言ってる。千春、甘いもの食べたらいつもそれ言うんだから」
昔、千春に作ったカップケーキ。不味くはなかったが、プロに敵うほどではなかったはずだ。
呆れまじりに言っていたら、花乃の瞼はゆるゆると重くなってきた。
「...おやすみ、花乃。25歳...おめでとう」
あたたかな体温に包まれながら、そんな声が聞こえた。でも、もう答えられなくて...花乃は優しい眠りの中に落ちていく。
この穏やかな関係が、これからもずっと続きますようにと心の中で願ってーー。
母に教えてもらったことがある浴衣を、手探りで着て、脱衣所からまっすぐの壁をつたい、部屋まで戻る。
「ああ...浴衣似合うな。良かった、気に入って」
千春の穏やかな声がすぐそばでして、花乃も腰をおろした。
「うん、もうリラックスしまくりだった」
「そっか。...花乃、こっちおいで」
「え?...うん」
ポンポンと畳を叩く音がして、そこまで近づいていく。
「ここ座って。髪の毛乾かしてあげるよ」
「...ありがとう。お願いします」
千春は、後ろに回って花乃の柔らかな髪の毛を乾かしてくれた。優しく触れられて、心地よさに花乃の目が閉じる。
「はい、できたよ。花乃って、髪の毛綺麗だよな。傷んでなくてサラサラ」
「そうかな?...千春もサラサラだよ?」
向かい合って千春は花乃の、花乃は千春の髪の毛に触れ、サラサラと指ですいた。
「ふふふ、くすぐったい」
「はは、だな。あ、さっき宿の仲居さんが、夕飯準備していってくれたから食べよう?」
「うん!」
千春に手を引かれて、部屋に運ばれた夕食の席につけば、いい香りが鼻をくすぐる。
「いただきます」
「いただきます」
二人で同時に手を合わせる。
そっと色々な形、素材の食器に触れて、ひとつひとつ香りを楽しんで...口にゆっくり運んだ。
「ん~~、すごい!どれも美味しいね」
「ああ。美味しいな」
千春と二人で楽しく会話しながら、畳のいい香りのする広い和室で、特別な料理を食べる。
小鉢、出汁のきいた汁椀、花乃の好みに合わせたメインの海産物...今日の花乃はいつもより食欲がある。
大満足していたら、もう一皿出てきて、甘い香りがした。
「...デザート、ケーキに変更してもらった。誕生日だしな」
フルーツがたっぷりのった甘酸っぱいケーキ。
「美味しい...今日は人生最高の日だ」
花乃はお腹も心も満たされて、しみじみと言った。
「千春...ありがとうね」
「...ああ」
****
寝る支度をして、電気を消して布団に入る。
花乃は、普段と違う場所と未だ浮き足たつ気持ちでゴロゴロ寝返りを打っていた。
「...眠れないのか?」
暗がりの中、すぐ隣の布団から静かな声が聞こえる。
「うん...あんまり眠くなくて」
そう答えると、静まり返った室内で衣擦れの音がして、千春が体を起こした気配がした。
「...花乃、こっちおいで」
「え...?」
千春がそっと掛け布団をめくって、花乃を抱き寄せる。あっという間に、花乃は大きな体にすっぽり包まれた。
「...ち、ちはる?」
花乃は突然のことに小さく抵抗するが、力強い腕はビクともしない。
「...あったかいな。...これならすぐ眠れそうだ」
確かにあったかい。
よく知るにおいがして、トクトク鳴る心臓の音が聞こえると....花乃は抵抗する気もなくなった。
(...落ち着く)
おとなしくなった花乃に、頭の上からポソリと優しい声が落ちてくる。
「...ケーキ...花乃の作ってくれたカップケーキにはやっぱり敵わないな」
「...もう、また言ってる。千春、甘いもの食べたらいつもそれ言うんだから」
昔、千春に作ったカップケーキ。不味くはなかったが、プロに敵うほどではなかったはずだ。
呆れまじりに言っていたら、花乃の瞼はゆるゆると重くなってきた。
「...おやすみ、花乃。25歳...おめでとう」
あたたかな体温に包まれながら、そんな声が聞こえた。でも、もう答えられなくて...花乃は優しい眠りの中に落ちていく。
この穏やかな関係が、これからもずっと続きますようにと心の中で願ってーー。
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