無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる

仲山悠仁

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1章 追放

14 ゴブリンの黒幕

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焼け焦げたゴブリン集落の奥へ進むにつれ、空気がさらに重くなっていく。

アレックスは剣を握り直した。

「……まだいるな。強いのが奥に」

フレアも眉をひそめる。

「空気がピリピリする……嫌な感じね」

二人は慎重に進み、
集落の最奥――洞窟の入口へ辿り着いた。

---

洞窟の中は薄暗く、湿った空気が漂っていた。
奥には複雑な魔法陣が描かれ、その中心に村人が拘束されている。

「グルァァァア……!」

巨大な影が立ち上がる。
ホブゴブリンだ。成人男性の倍はある巨体。
手には錆びた鉄棍棒を握っている。

その背後には、黒い魔力をまとったゴブリンシャーマンが立っていた。

フレア
「……ホブゴブリンとゴブリンシャーマンがいるなんて……こんなの……」

アレックス
「ああ。依頼内容ではゴブリンだけのはずだ」

フレア
「帰ったらニーナさんに文句言わないとね!」

フレアは顔を真っ赤にして怒っていた。

---

ホブゴブリンが咆哮し、地響きを立てて突進してくる。

アレックス
「来るぞ!」

棍棒が振り下ろされる。
アレックスは身体強化を腕に集中させ、剣で受け止めた。

ガキィン!!

火花が散り、地面が割れる。

(重い……でも、動きが見える!)

千里眼がホブゴブリンの動きを“線”として捉える。

---

フレアは迷いなく剣を抜き、シャーマンへ駆け込む。

シャーマン
「ギギギギ!!」

闇の魔法弾が飛ぶ。
フレアは剣で弾き返した。

キィン!

フレア
「こんな初級魔法なんて効かないわよ!」

素早いフットワークで距離を詰め、
シャーマンの杖を弾き飛ばす。

---

ホブゴブリンの棍棒が横薙ぎに迫る。
アレックスは脚に身体強化を集中し、地面を蹴って一気に距離を詰めた。

(身体強化……加速!)

ズバッ!!

ホブゴブリンの肩を斬り裂く。

「グガァァァ!!」

怒り狂ったホブが暴れ回る。
棍棒が地面を砕き、岩が飛び散った。

アレックス
「フレア、合わせるぞ!」

フレア
「任せて!」

アレックスがホブの注意を引きつけ、
フレアが背後へ回り込む。

フレア
「いくわよ!」

ザシュッ!!

フレアの剣がホブの脚を切り裂き、体勢を崩す。

アレックス
「終わりだ!」

身体強化で踏み込み、胸へ深く剣を突き立てた。

「グガァァァ……!」

ホブゴブリンは苦痛の叫びを上げながら倒れていった。

---

ホブが倒れた瞬間、シャーマンの魔力が黒く膨れ上がる。

「ギィィィィ!!」

魔法陣が暴走し、村人へ呪詛が放たれようとする。

フレア
「まずい……!」

アレックス
「フレア、魔法だ!」

フレア
「……うん!」

フレアは掌を突き出し、魔力を集中させる。

炎槍ファイヤーランス!!」

炎の槍が一直線に走り、シャーマンの動きを止めた。

アレックスは千里眼で魔法陣の発動点を見抜き、
剣で中心を断ち切る。

ザシュッ!!

「ギィィィィ!!」

黒い魔力が霧散し、
副作用なのか、シャーマンの身体は粉々に砕けて消えた。

---

俺たちは捕えられていた村人たちの縄を切り、解放した。

アレックス
「大丈夫か?」

村人
「……あ、ありがとうございます……!」

フレアは剣を収め、優しく微笑む。

フレア
「もう大丈夫よ。村に帰りましょう」

---

村に戻ると、村長が深く頭を下げた。

村長
「あなた方は村の英雄です!
 どうか、ささやかですが宴を……!」

村人たちが料理を運び、焚き火の周りで笑い声が響く。
フレアは照れながらも嬉しそうに笑っていた。

---

宴が終わる頃、村長が真剣な顔で近づいてきた。

村長
「……最近、森の奥で“黒い霧”が度々発生するのです」

アレックス
「黒い霧……?」

フレア
「そんなの聞いたことないわね……」

村長
「ええ……それ以来、魔物が活発化してまして……
 その霧に触れた魔物は上位種にクラスアップするとか……」

フレア
「その話が本当なら、ファングウルフの件と今回のゴブリン集落の件が繋がるわね……」

アレックスは森を見つめた。

「……黒い霧か」

---

翌朝。
村人たちに見送られながら、二人は村を後にした。

フレア
「また来たいわね、この村」

アレックス
「ああ。次はゆっくりできるといいな」

森を振り返ると、
千里眼が微かに反応した。

---
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