婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

国王への報告

「国王陛下にご挨拶申し上げます。
この度はアランソルに戻る事をお許し頂きありがとうございます」
と挨拶をします。

「許すも何もそなたは何も悪い事はしていないのだから。
そなたが大変な時に留守にしていて悪かった」

「そんな…勿体ないお言葉です」
もうこのやり取りは今更な感じです。
陛下には悪いですけど、もうお腹一杯です。

「陛下、エレーナ嬢への謝罪はこれくらいで、神獣様もおりますれば」
とパドック様が私の代わりに話を切り上げてくれました。

「おお、そうだった神獣殿は話せるのか？
私の言っている事は通じるか？」

「もちろんでございます」

そう、最初こそ力が出せず私にしか声が届かなかったが、今はみんなに聞こえるようになってます。

「神獣殿、ここまでおいで頂き感謝申し上げます。
しかもアランソル王国のあの最果ての地にある森を守護して頂いていたとは知らぬこととは言え失礼いたしました」
と国王陛下が話をした。

「アランソルの王よ。
我はあの森で起こっている事を聖女の力を借りて解決したい。
どうか我の願いを叶えてほしい」
と神獣様はみんなに語り描けます。

「おお、神獣殿の声が聞こえたぞ
宰相も聞いたか？」

「はい、しっかりと聞こえました。
パドック殿その話だが、詳しく報告をお願いしたい」

「はい、かしこまりました。
神獣様、私の方で説明申し上げてよろしいてすか？」
と神獣様に許可をとるパドック様
神獣様は黙って頷く。

パドック様は神獣様と出会った時の話を国王陛下と宰相様に話して行きます。

そして、ゲルドー男爵が結界を破って禁忌の森に入り込んで来ている事。
そのゲルドー男爵家にあの聖女事件の時に現れていた魅力魔法を使うサリーナという令嬢が入り込んでいた事。
その彼女がどうも男爵を唆していろんな事を引き起こしているらしい事。
神獣様に危害を加えたのも彼女である事を順に報告します。

「なんと、そんな事が…」
国王陛下も仔細を聞いて驚いています。

「只今、私の部下とカイル王子の部下がゲルドー男爵領を探っております。
私達は神獣様にお願いされましたので、出来るならお助けしたい。
しかしここアランソル国内での事、我が国の貴族の事ですので陛下に報告の上許可を頂きたく。
そのため神獣様も同行されたのです」
とパドック様が上手く話をすすめてくれました。