不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されましたがお陰で素敵な恋人ができました

ゆうゆう

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婚約してませんでした

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「ステラ、少し聞きたい事があるんだが」
珍しくアルフォンス様が部屋まで私を尋ねてきた。
どうしたのかしら?


「少し散歩でもしないか?」

私達は庭園の花壇を眺めながら、ゆっくり歩いて行く。

今日は天気もよく、風が心地いい。

「ステラ、君の婚約について質問してもいいだろうか、もし話したくないようなら…」

「構いませんよ。別にもう何とも思っておりませんし」
私がそう言うと、じっと私の顔を見つめるアルフォンス様。

私何か変な事言ったかしら?

アルフォンス様の整ったお顔でそんなに見つめられると、胸がざわざわと騒ぎだす。
折角自分の気持ちを踏み止めているのに。

「アルフォンス様?」

「すまない」
すっと目を逸らして、また黙った。

「あの、質問って?」

「ああ、そうだった 実は思い出してほしいのだが、婚約が、決まった時、婚約破棄をした時ステラは書類にサインをしたかい?」
気を取り直したアルフォンス様にこう聞かれる。

「サイン? 私がですか?」 
アルフォンス様が言うには、婚約をすると、戸籍機関に書類を提出するらしい。

「書類には本人同士のサインが必要なんだ」

婚約した当初、いきなり父親に呼ばれてそう告げられただけだった。
いくら考えてもサインなどした覚えはない。

それは、婚約破棄を言われたあの場所でも同じだった。

「いいえ、私は1度もサインをした覚えはありません。
破棄の時の事はジュリアン様に聞いてもらっても、そう言うと思いますよ」

「やはり、そうか。
ステラ、よく聞いてくれ。
君は書類上は婚約をしてなかったと言う事だ」

「ふぉえ?」
なんだか、聞いた事ない声が出てしまった。
婚約をしてなかった?

私ってエドガー・ダートンと婚約してなかったの?

では、私の8ヶ月の苦労って…

「ステラ!」

ハッとして我に返ると私はアルフォンス様に抱き抱えられていた。

あまりの衝撃に腰が抜けて、膝から崩れ落ちそうになり、アルフォンス様が受け止めてくれた様だった。

「ごめんなさい、びっくりして力が抜けたようです」

「大丈夫か? 少し座ろう」
アルフォンス様は近くのベンチに私を座らせる。

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