不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されましたがお陰で素敵な恋人ができました

ゆうゆう

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エドガーの完敗

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「我が家の祝いに足を運んでくれて、感謝する。
実はもう一つダートン伯爵にお礼が言いたくてね。
こうして他の客より早目に来て貰ったんだよ」

「お礼ですか?
私には身に覚えがないのですが」

お付きの者を従えて、部屋に入ってきた男はこの邸の主にして公爵のアルフォンス・サン・ジュストその人だった。

煌めく夜空の様な黒髪とサファイアの様な青く輝く瞳を持ったこの若い男はその辺の令嬢よりも美しく、余多いる騎士より強そうなオーラを纏っていた。

エドガーも決して見劣りするような見た目ではないが、いくつも歳の変わらないこの男には何も勝てる気がしなかった。

一体どうしたら、この様な気品や威厳などと言うものを身に付けられるのだろう。

ただ、目の前にいるだけでこれ程格の差を見せつけられた気がした事はこれまで1度もなかった。

そんな男に礼を言われる覚えは全くない。
一体誰と間違われたんだ。

エドガーは平静を装いながら、頭の中ではいろんな事を目まぐるしく考えていた。

「あ、あの今日のパーティーで婚約披露なさるのは、あなた様ですか?」
いきなり横からイゾッタがアルフォンスに声をかけた。

エドガーは慌てたが、当のアルフォンスは気にする事もなく、微笑みを浮かべた顔で。

「ええ、やっと私にも伴侶となる愛する女性が出来ましてね」

「まぁ、残念。
もう少し早くお会いしたかったですわ。
そうすれば公爵様も違った未来があったかも」
イゾッタの言葉に更に混乱するエドガー。
まるで先に私と会っていれば自分こそあなたに相応しかったのにと聞こえる。

「それで、私が何かしてしまいましたか?
公爵様にお礼を言われる様な出来事を記憶しておりません」
エドガーは少し声を張ってイゾッタの言葉を掻き消すように言った。

母上を見れば、やはり青ざめた顔でイゾッタの腕を引っ張っていた。

母の鋭い視線を受けて、また考えなしにしゃべった事に気付いたのか口をつぐむイゾッタ。
隣で笑いを堪えるデボラ。

まったく、我が家の女達を自分はどう扱っていけばいいのだろう。
人生最大に敗北感を味わっていた所に、その上から家族に追い討ちを掛けられた様な気がした。

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