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その1
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朝起きて、会社に行って、日付を跨いでから家に帰ってきて、帰ってからも仕事して、いつも1、2時間眠れれば良い方で、休みなんてない。
もう会社に住み込んだ方が良いのではと何度思ったことか。
「ねみぃ……」
今日も家に着いたのは夜中の1時で、まだこれから今日の午前中に使う資料の見直しと午後の打ち合わせに使う資料のまとめをやらなくてはいけない。
気合い入れてやらないと睡眠時間が削られるだけだ、頑張るんだ俺。
バシッと思いっきり両頬を叩いた時、久しぶりに高校の頃の友人から部活の先輩たちとの飲み会の誘いのメールが届いた。
行きたい気持ちは山々だが、行けそうにないので断りのメッセージを送った。
さ、さっさとやって寝るぞ!と意気込み、目の前のパソコンに集中した。
それからその作業が終わったのは3時間後で、本日の睡眠時間も2時間だった。
それからシャワーを浴びて、歯を磨いてヨレヨレのスーツを着て会社に行った。
ついてすぐにパソコンを立ち上げ、夜中に作った資料の打ち出しと、午後の資料を準備しておかないととひとりバタバタと動いていると、出社してきた女の子たちが、朝からテンション高くオフィスに入ってきた。
「聞いた?今日芸能人の『逞生』がここに来るんだって」
「嘘っ!上手くすると会えるかな?」
「生で会ってみたい!」
最近、いやこの会社に就職してからというもの、テレビや雑誌などを観ていないから今の流行りや有名人など全く知らないので名前を聞いたところで分かるはずもない。
こんな所で手を止めてちゃ、他の人がコピー機使い始めるから早くやらないと。
今日もそんなこんなで、帰れたのは日付を跨いだ1時半だった。
今日もまた家に帰って仕事して、数時間だけ寝て、シャワー浴びて会社に行って、今日は朝から夜まで社外で勤務して、戻ってきたらその報告書書いて、社内に残しておいた仕事して帰る。
そう思っていた。
会社に戻ってくるまでは。
外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように中は真っ暗で、誰も残っていない。
俺の机の部分だけ電気をつけて、中へ入っていけば俺の机の上には見知らぬ資料ばかりが山のように乗せられていた。
「はぁ………」
思わず溜め息がつきたくなるのは仕方ないことだと思う。
途中で購入したコーヒーを一口飲み、席に座りいくつかの書類を横にどかし報告書を机の上に置いた。
さて、書くかとペンを握った瞬間、誰もいないはずの会議室のドアがゆっくりと開いた。
「すみません」
次に透き通った声が耳に届き、届くはずがないのに爽やかな香りがしたような気がした。
もう会社に住み込んだ方が良いのではと何度思ったことか。
「ねみぃ……」
今日も家に着いたのは夜中の1時で、まだこれから今日の午前中に使う資料の見直しと午後の打ち合わせに使う資料のまとめをやらなくてはいけない。
気合い入れてやらないと睡眠時間が削られるだけだ、頑張るんだ俺。
バシッと思いっきり両頬を叩いた時、久しぶりに高校の頃の友人から部活の先輩たちとの飲み会の誘いのメールが届いた。
行きたい気持ちは山々だが、行けそうにないので断りのメッセージを送った。
さ、さっさとやって寝るぞ!と意気込み、目の前のパソコンに集中した。
それからその作業が終わったのは3時間後で、本日の睡眠時間も2時間だった。
それからシャワーを浴びて、歯を磨いてヨレヨレのスーツを着て会社に行った。
ついてすぐにパソコンを立ち上げ、夜中に作った資料の打ち出しと、午後の資料を準備しておかないととひとりバタバタと動いていると、出社してきた女の子たちが、朝からテンション高くオフィスに入ってきた。
「聞いた?今日芸能人の『逞生』がここに来るんだって」
「嘘っ!上手くすると会えるかな?」
「生で会ってみたい!」
最近、いやこの会社に就職してからというもの、テレビや雑誌などを観ていないから今の流行りや有名人など全く知らないので名前を聞いたところで分かるはずもない。
こんな所で手を止めてちゃ、他の人がコピー機使い始めるから早くやらないと。
今日もそんなこんなで、帰れたのは日付を跨いだ1時半だった。
今日もまた家に帰って仕事して、数時間だけ寝て、シャワー浴びて会社に行って、今日は朝から夜まで社外で勤務して、戻ってきたらその報告書書いて、社内に残しておいた仕事して帰る。
そう思っていた。
会社に戻ってくるまでは。
外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように中は真っ暗で、誰も残っていない。
俺の机の部分だけ電気をつけて、中へ入っていけば俺の机の上には見知らぬ資料ばかりが山のように乗せられていた。
「はぁ………」
思わず溜め息がつきたくなるのは仕方ないことだと思う。
途中で購入したコーヒーを一口飲み、席に座りいくつかの書類を横にどかし報告書を机の上に置いた。
さて、書くかとペンを握った瞬間、誰もいないはずの会議室のドアがゆっくりと開いた。
「すみません」
次に透き通った声が耳に届き、届くはずがないのに爽やかな香りがしたような気がした。
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