俺が許すよ

mahiro

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そこにいたのは前世でお世話になった恩師であり、片想いをしていた人物でもあり、私がこの手で……。


「初めまして、ではないね。その様子だと。久しぶりと言っても良いのかな?」


眉を寄せながら私に手を差し出してきたその人は何の因果か、前世の記憶を持ち合わせているようだ。
今までこんなこと一度だってなかったというのに、何でこんなことに。


「リラ?」


無反応の私に痺れを切らしたアルバートは、名前を呼びながら上から顔を覗き込んできた。
その顔も声も全てあの頃と同じもので、香りだって何一つ変わらない。
きっと、身体を流れるあれだって同じ温度……。


「………っ」

 
息をひきつらせ、後方に下がろうとすればそれを遮るかのように手首を掴まれ、間合いも詰められる。
   

「リラ、息をして。ゆっくりで良いから」


反対の手で背中をテンポよく叩かれる。
それに合わせるように呼吸を繰り返せば、息苦しさが軽減されていくような気がした。


「…………ミファーには記憶はなかったようだけど、リラにはあるんだね。それも最期のあの瞬間まで」
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