きっと、君は知らない

mahiro

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女性は先輩と結婚した人とそっくりだった。
だから、俺は並んだ2人を見て息を飲んだのだ。

まさか、この世界でも2人並んだ姿を見ることになろうとは思わなかった。
だってそうだろう。
ここは日本ではなく、いくらムシューニが先輩と似ているからといって、相手の女性とそっくりな人まで現れるなんて思っていなかったのだから。


「…………あれ」


先程感じた激痛がなくなり、目を覚ませば見たことのない天井らしきものが見えた。


「あ、起きた?」


次に俺の視界にアレシアが入り込み、晴れやかな笑みが見えた。


「痛いところとか気持ち悪い所とかない?」


「あ、あぁ。一切ない」


あの痛みは何だったんだと思うくらいに。


「良かったな!フランさんのお陰だぞ、感謝しろよ」


フランさんがあの痛みを取ってくれたのか。
本当にフランさんには頭が上がらない。
先輩以外で俺を嫌わずにここまでよくしてくれる人ってフランさんとアレシア、そして一緒に旅をしている人たちだけだ。
あ、でも、ケイトはあれ以来、一言も話したことはない。
アレシア曰く、ケイトは基本的にムシューニとしか話さず、必要性がなければ他の人とは接しないらしい。
あのとき接してくれたのは必要性があった、ということなのだろうな。


「別に感謝しなくて良いけどな、治せたわけじゃないし」


フランさんの声が聞こえ、斜め右側下に首を傾けるとそこに彼はいた。
よくよく見てみると俺の服はボタンを外され、胸元が開かれており、そこにフランの右手が翳されていた。


「フランさん、すみません、ありがとうございます」


「いや、俺が取り除けたのは痛みだけだ。傷はそのまま残ってる」


傷って何の傷だ?
そんな怪我いつしたっけ?
俺は恐る恐る自分の身体を見下ろすと、そこには見覚えのない大きな傷痕があった。
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