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インターフォンは止むことを知らないようで、このまま放置し続けていたらご近所様からクレームが来るか通報を受けた警察が来そうです。
「………まさか、今日、紹介しようと思っていたとか言いませんよね」
顔をひきつらせながらそう元哉に問いかけると、首を左右に振られました。
「そんなわけないだろう。君の承諾を取ってからと考えていた所だ」
「なら、何で、画面に貴方のご家族様全員が映っているのですか?」
液晶に映り出された顔ぶれを指差し問いかければ、元哉は顔面を片手で覆い大きなため息を吐きました。
「そんなの俺が知りたい………」
そうこうしている間にもインターフォンの音は鳴り続けていますし、元哉のスマートフォンも鳴りっぱなし。
さらには玄関の方から「居るのは分かってるんだよ!」と妹の瑠璃の声がはっきりと聞こえてきています。
「兎に角、ご近所様のご迷惑になりますから出てください。その間に僕のものは隠しますから」
「わかった」
気乗りのしない様子でインターフォンの方へと向かう元哉を見送り、僕は自分の荷物をひとつ残らずクローゼットの中へと放り込むことにしました。
「………まさか、今日、紹介しようと思っていたとか言いませんよね」
顔をひきつらせながらそう元哉に問いかけると、首を左右に振られました。
「そんなわけないだろう。君の承諾を取ってからと考えていた所だ」
「なら、何で、画面に貴方のご家族様全員が映っているのですか?」
液晶に映り出された顔ぶれを指差し問いかければ、元哉は顔面を片手で覆い大きなため息を吐きました。
「そんなの俺が知りたい………」
そうこうしている間にもインターフォンの音は鳴り続けていますし、元哉のスマートフォンも鳴りっぱなし。
さらには玄関の方から「居るのは分かってるんだよ!」と妹の瑠璃の声がはっきりと聞こえてきています。
「兎に角、ご近所様のご迷惑になりますから出てください。その間に僕のものは隠しますから」
「わかった」
気乗りのしない様子でインターフォンの方へと向かう元哉を見送り、僕は自分の荷物をひとつ残らずクローゼットの中へと放り込むことにしました。
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