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僕が物を移動している間、元哉はといいますと。
「瑠璃、ご近所に迷惑がかかるからやめなさい」
頭を片手で抱えながらインターフォンの向こう側に居る瑠璃に返答していました。
『あ、やっと出た!居留守使おうたってそうはいかないよ!ちゃんと室内に電気がついてるの確認してから来たんだから』
偉いでしょう、と胸を張って答える瑠璃に元哉は何度目か分からないため息を吐いていました。
「それで?父さんや母さん、和久まで連れてきてどうしたんだ」
何を言っても無駄だと思ったのか、そう尋ねた元哉に先からずっと黙っていた元哉の弟の和久が口を開いた。
『「どうしたんだ」なんて、兄さんなら聞かなくたって分かるだろう?』
分かるけど分かりたくない、というような顔で元哉は画面に映る和久の顔を見たかと思えば、その後ろに映っている父親の期待に満ちた顔が見え、一瞬にしてげんなりした表情へと変わっていました。
「何を期待しているのか薄々分かってはいるが、ここにはお目当ての人はいないぞ」
だから早く帰れと言いたかったのだろうが、終止黙ってやり取りを聞いていた元哉の母親が、鋭い目付きでこちらを見て言いました。
『良いからさっさとドアを開けろ』
「瑠璃、ご近所に迷惑がかかるからやめなさい」
頭を片手で抱えながらインターフォンの向こう側に居る瑠璃に返答していました。
『あ、やっと出た!居留守使おうたってそうはいかないよ!ちゃんと室内に電気がついてるの確認してから来たんだから』
偉いでしょう、と胸を張って答える瑠璃に元哉は何度目か分からないため息を吐いていました。
「それで?父さんや母さん、和久まで連れてきてどうしたんだ」
何を言っても無駄だと思ったのか、そう尋ねた元哉に先からずっと黙っていた元哉の弟の和久が口を開いた。
『「どうしたんだ」なんて、兄さんなら聞かなくたって分かるだろう?』
分かるけど分かりたくない、というような顔で元哉は画面に映る和久の顔を見たかと思えば、その後ろに映っている父親の期待に満ちた顔が見え、一瞬にしてげんなりした表情へと変わっていました。
「何を期待しているのか薄々分かってはいるが、ここにはお目当ての人はいないぞ」
だから早く帰れと言いたかったのだろうが、終止黙ってやり取りを聞いていた元哉の母親が、鋭い目付きでこちらを見て言いました。
『良いからさっさとドアを開けろ』
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