全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第三章 

お前のおかげだ②

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 翌週の日曜日に叔父さんが部室に来た。
 和田先生も立ち会ってくれている。

「初めまして、久住遥斗です。今日はわざわざお越しいただいて、ありがとうございます」

 遥斗先輩がかしこまって挨拶する。

「あぁ、初めまして。優の叔父の佐伯正信と申します。画商をやっています。遥斗くんのことは優からあれこれ聞かされています」

 叔父さんがそういうと先輩も和田先生も苦笑した。
 叔父さんは二人に名刺を渡していた。

「叔父さん、画商って、画廊とは違うの?」

 画商という言葉は聞き慣れなくて、質問してみる。

「あぁ、画廊経営には2種類あって、貸し画廊がメインか、絵を売るのをメインとしているかで全然違うんだよ。僕は後者だ」

 そう説明して、叔父さんは改めて先輩に向き合った。

「貸し画廊だと、作家から金を取って展示するだけなので、最悪絵が売れなくてもいい。しかし、僕みたいに絵の売買をして生計を立てている商売人からしたら売れない絵はいらない。僕と契約するとあれこれ口を出すことになると思う。そこのところを遥斗くんに聞いてみたかったんだ」

 遥斗先輩は叔父さんを見つめて、神妙に頷いた。

「俺は絵のこと以外知りません。世間知らずです。でも、将来のことを考えたとき、できれば絵で生活していきたいと思っています。ここにいる間にその道筋を作れたらと考えています。だから、率直に聞かせてください。その可能性があるのかどうかを。俺は実現するためにはなんでもやります」

 先輩が将来のことをそんな風に考えていたなんて知らなかった。確かに、高校を卒業したら、先輩は住むところを失う。大学に進むにしてもお金がかかる。それだったら、絵で身を立てていきたいと思ってるんだ。

 漠然と大学に行って、どこかの会社で働くぐらいにしか考えていなかった私とはレベルが違う。

「絵で生計を立てるのは至難の技だよ。でも、可能性は常にあると思っている。君は例えば、絵を売るのにその容姿を使うことをどう考える?」

 ちょっと意地悪な表情になって叔父さんが問いかける。
 私が口をはさもうとすると、先輩に手を引かれた。

「問題ありません。トラブルさえ起こらなければ」

 先輩の即答に満足気に頷いて、叔父さんは続けた。

「トラブル対策も画商の仕事だ。君は画商の手数料が高いことを知っているか?」
「はい。ネットで30~50%は取られると」
「調べてるんだね。そう、30%から下手したら80%だね」
「高っ!」

 思わず、叫んでしまった。
 そんな私に笑って、叔父さんが「なんで高いかわかるか?」と聞いた。
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