【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田

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後編

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 かつて国王だった男は荒野を一人歩いていた。その荒野でしか生きる事を許されなかったからだ。それは執行猶予のある死刑と同じであった。そんな場所に追放されて長く生きていけるはずはなかった。実際、彼の最期は誰も知らないし、誰も知ろうとも思わない・・・


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 リゼットとの暮らしは豪奢を極めていた。それは国家財政を逼迫させる一方であった。グレースを雑な手続きで処刑したことが、国民の怒りに火をつけてしまった。それは貴族など上位身分にいる支配層も一緒であった。国王の浪費を補うために増税したからだ。

 「リゼット! 子供ができたのかな?」

 「陛下、まだですわ」

 二人は幸せの絶頂であった。再婚とは思えないほど派手な結婚式を行い、二人の居住空間のために多額の国費を投入していた。国王はある意味一途であった、リゼットに! 最初からリゼットと結婚したければ国王の座を諦めればよかったが、結局両方を取る道を選んだ。それが重大な結果をもたらすとも知らずに・・・


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 「なんの騒ぎだ?」

 ある晩、国王は起こされた。リゼットと夫婦生活を営んでいたのに気分を害されたと憤慨していた。

 「大変です! 王宮が包囲されています!」

 「包囲だと? どこの軍隊だ? 怠慢でしかないな、騎士団長を呼び出せ!」

 「その騎士団長が反乱を起こしたのですぞ! しかも宰相以下貴族どもも!」

 「なんだと!」

 その日、国王の暴政を理由に排除に乗り出したのは、国王以外の支持者たちだった。王宮を包囲した後、王宮に残っていた者たちは次々と投降していった。ここで自決するか降伏すれば潔しといわれただろうが、国王とリゼットは逃亡を図った。王宮から地下にある抜け道を抜け出した。王宮から少し離れたところで地上に出ると、一安心していたところ・・・

 「やっぱりここから出て来たわね! 考えはないわね!」

 「お、お前、死んだはずでは?」

 そこにいたのは兵士を連れたグレースだった。

 「死んだわよ! 王妃の私はね。でも幽霊じゃないわよ」


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 兵士たちに連行されるとき、リゼットは無理やり逃げ出そうとした。駆け出した直後に騎士に切られてしまった。

 「なにするんだ! 俺の王妃に!」

 「王妃? 誰だそれ?」

 リゼットは実際は気絶しただけだったが、国王だった男の元には戻らず、そのまま消息不明になった。彼女に何が起きたかは記録に残っていないが、永遠に真実の愛に結ばれたはずの二人は引き離されてしまった。



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 全国民を敵に回した男は議会によって王位を剥奪された。議会を招集したのは有力貴族たちであり、その場で新しい国王が指名された。この国の筆頭伯爵でグレースの父親だった。グレースは父に処刑前に救われていた。

 「お前たち! 卑怯だぞ!」


 元国王の男はわめき散らしていたが、誰も耳を貸さなかった。そのまま男は「死の大地」に追放された。

 「グレース! お前はこれからどうする?」

 新国王になった父から質問されたが、彼女は笑顔でこう言った。

 「傷物になった私を妻に迎えてくれる誠実な殿方と出会いたいわ」

 

 

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