恋は終わると愛になる ~富豪オレ様アルファは素直無欲なオメガに惹かれ、恋をし、愛を知る~

大波小波

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 屋敷に戻り、シャワーを浴びてさっぱりとした玲衣を、哲哉は部屋に呼んだ。
(父さんに迫られて嫌な思いをしたから、慰めてくださるのかな?)
 しかし、哲哉の部屋には、なぜか池崎もいる。
 不思議に思いながらソファに掛けると、哲哉が口を開いた。
「私はこれまで、身勝手に生きて来た。人を買い、玩具にし、あげくには逃げられて来た」
 哲哉の脳裏には、玲衣の父親の言葉がまだこびりついていた。

『親が。親が自分の子どもを、どう使おうと勝手だろぉ!』

 下衆と罵った男と同類だった、自分。
 それを、思い知らされたのだ。
「池崎。君は人を使って、逃げたモデルの子たちが今どうしているか、突き止めてくれ」
「どうなさるおつもりですか?」
「もし彼らが、私が行った罪によって不自由な生活をしているのなら、償いたい」
「哲哉さま」

 池崎は、心が晴れる思いだった。
 心を閉ざし、頑なだった主人。
 その人が、前を向いた。
 自分の犯した罪を認め、償うと言ったのだ。
「承知しました」
 池崎は短く言うと、哲哉の部屋を後にした。
 もう夜だが、今からでも与えられた仕事を始めるつもりだった。

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