メビウスの輪を超えて 【カフェのマスター・アルファ×全てを失った少年・オメガ。 君の心を、私は温めてあげられるんだろうか】

大波小波

文字の大きさ
9 / 231

4

しおりを挟む

「お待たせいたしました」
 二つのトレイにコーヒーカップを分け、衛は宮木と一緒に早紀たちの席へ歩いた。
「来た!」
「なぁ、飲むの?」
「ホントに、飲むの?」
 やたらと可笑しそうな早紀に、やけに不安そうな友人たち。
 その対比が、衛には妙に感じられた。
「どうかなさいましたか?」
「ねぇ、お兄さん。このコーヒー……象のうんこなんでしょ!」
 早紀がそう言い放つと、周囲の少年たちは腹を抱えて笑った。
 どうやら衛がコーヒーを淹れる間に、スマホを使って豆について調べたらしい。
「よく、ご存じで。ですが、味は保証いたしますよ」
 衛は穏やかに答えたが、そうは言われてもなかなか手が伸びてこない。
 そんな中、早紀がカップに口を付けた。
「話のタネにさ、飲んでみようよ」
 冷やかし半分に飲んでみたコーヒーだったが、早紀はその味に魅了された。
(いい香り。それに、苦みがマイルドで棘がない)
「……」
 黙ってしまった早紀を、友人たちは茶化した。
「やっぱ、うんこ味?」
「臭う?」
「ゾウのうんこって、どんな臭いだよ」
 くすくすと笑いが漏れたが、顔を上げた早紀は、目を輝かせていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちゃんちゃら

三旨加泉
BL
軽い気持ちで普段仲の良い大地と関係を持ってしまった海斗。自分はβだと思っていたが、Ωだと発覚して…? 夫夫としてはゼロからのスタートとなった二人。すれ違いまくる中、二人が出した決断はー。 ビター色の強いオメガバースラブロマンス。

純粋な初恋(シリーズあり)

橋本衣
BL
主人公である中学3年生・橋本朔はΩである。 11月のある日、両親代わりだった2番目の兄と姉の2人が長期出張をすると伝えられた。それと同時に、お見合いをする事になった。 お見合い相手は日本でも有名な小説家兼モデルの村瀬冬人29歳のαだった。だが、朔にとっての問題は冬人は2番目の兄の事が好きな+朔は俳優兼アイドルをしていた。 最初はお互いに嫌々だったが、勉強を教えられたり、弱い所を知ったりし、いつの間にか朔は冬人に心を開いていた。 が、、、、その関係が大幅に変化、と言うか180°に変わってしまった出来事がある、、、、冬人が朔を好きになり、溺愛しその後までのお話。 「」は普通の会話 『』は過去や電話など 〈〉は小声で話している ・・・は時間経過 ***は話し手交代 ○○○は過去振り返

肩甲骨に薔薇の種(アルファポリス版・完結済)

おにぎり1000米
BL
エンジニアの三波朋晴はモデルに間違われることもある美形のオメガだが、学生の頃から誰とも固定した関係を持つことができないでいる。しかしとあるきっかけで年上のベータ、佐枝峡と出会い、好意をもつが… *オメガバース(独自設定あり)ベータ×オメガ 年齢差カプ *『まばゆいほどに深い闇』の脇キャラによるスピンオフなので、キャラクターがかぶります。本編+後日談。他サイト掲載作品の改稿修正版につきアルファポリス版としましたが、内容はあまり変わりません。

月兎

宮成 亜枇
BL
代々医者というアルファの家系に生まれ、成績優秀な入江朔夜は、自らをアルファだと信じて疑わなかった。 そうして、十五歳の誕生日を迎え行われた、もう一つの性を判定する検査。 その結果は──『オメガ』。 突きつけられた結果に呆然とする彼に、両親は朔夜に別の場所で生活する事を提案する。 アルファである両親はもちろん、兄弟にも影響が及ぶ前に。 納得のいかない彼ではあったが、従うしかなかった。 ”オメガバース” 男女とは違うもう一つの性。 本来の性別よりも、厄介なもの。 オメガという判定を受けた朔夜と、小さい頃からの幼馴染みである、鷲尾一真、そして、水無瀬秀。 彼らはもう一つの性に翻弄されながらも、成長していく。 ・ こちらは、『女王蜂』の一真と朔夜の中学生〜高校生にかけての物語です。 ストーリー重視のため、過激な描写はあまり(ほとんど?)ありませんが、中学生×中学生のシーンがありますのでご了承ください。 また、こちらの更新は不定期になりますので、もし興味を持って頂けましたらお気に入り登録をしてくださると嬉しいです。 よろしくお願い致します。 ※表紙は『かんたん表紙メーカー』にて作成しています。

孤独なライオンは運命を見つける

朝顔
BL
9/1番外編追加しました。 自分はアルファであると信じて生きてきたのに、発情したことがキッカケで、オメガだったと発覚してしまった。 アルファだと思っていた時も、孤独で苦しかったのに、オメガになったことで俺の人生はより厳しいものになった。 そんな時、俺は運命と呼べる相手と出会うことになる。 ※※※※※ 高校生×高校生で、オメガバースの設定をお借りしています。 設定はよくあるものだと思いますが、おかしなところがあったら、すみません。 オメガバースについて詳しい説明などは省略しています。 シリアスあり、ラブコメもあり、淡くて青い恋愛がメインのお話です。 ※重複投稿 全十話完結済み

起きたらオメガバースの世界になっていました

さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。 しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。

今からレンタルアルファシステムを利用します

夜鳥すぱり
BL
大学2年の鳴水《なるみ》は、ずっと自分がオメガであることを隠して生きてきた。でも、年々つらくなる発情期にもう一人は耐えられない。恋愛対象は男性だし、男のアルファに会ってみたい。誰でも良いから、定期的に安全に話し相手をしてくれる人が欲しい。でもそんな都合のいい人いなくて、考えあぐねた結果たどり着いた、アプリ、レンタルアルファシステム。安全……だと思う、評価も星5で良いし。うん、じゃ、お問い合わせをしてみるか。なるみは、恐る恐るボタンを押すが───。 ◆完結済みです。ありがとうございました。 ◆表紙絵を花々緒さんが描いてくださりました。カッコいい雪夜君と、おどおど鳴水くんです。可愛すぎますね!

Ωの愛なんて幻だ

相音仔
BL
男性オメガの地位が最底辺の世界から、Ωが大事に愛しまれている世界へと迷い込んでしまった青年。 愛されているのは分かるのに、育った世界の常識のせいで、なかなか素直になれない日々。 このひとの愛はホンモノなのだろうか?自分はいったいどうすればいいのだろう。 「Ωの愛なんて幻だ」そう思っていた青年が答えを見つけるまでの物語。 ※この小説はムーンライトノベルズでも投稿しています。向こうでは完結済み。 投稿は基本毎日22時。(休日のみ12時30と22時の2回) ・固定CP α(貴族・穏やか・敬語・年上)×Ω(幸薄・無気力・流されやすい・年下) ・ちょっと不思議な設定がある程度でファンタジー(魔法)割合は低め。 ・オメガバースで本番ありなので、18歳未満の方はNG。そこそこの描写がある回はタイトルまえに※入れてあります。

処理中です...