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しおりを挟むモーニングキスをした後に、藍はとたんに恥ずかしくなった。
「ごめんなさい! 僕ったら、何か馴れ馴れしいですよね!」
「それくらいで、ちょうどいいよ」
笑いながら雅貴は、もう一度キスをくれた。
ベッドから降りカーテンを開けると、そこには明るい日差しが。
藍は、雅貴がくれた言葉を思い出していた。
「雅貴さんの言ったとおりですね」
「ぅん?」
「雨はいつか必ず上がる、って」
そうだな、と雅貴は藍を見た。
今まで見てきた中で、一番いい笑顔。
彼の心に振っていた雨は、今上がったのだ。
「だが、またいつ雨が降るか解らない。前に進むということは、そういうものだ」
「はい」
「その時は、私が君の傘になるよ」
もう二度と、藍をずぶ濡れにさせたりしない。
雅貴は、強く心に誓っていた。
「雅貴さん……ありがとうございます」
「さあ、起きよう。新しい今日の始まりだ」
「はい!」
晴れ渡った光の中に、二人は一歩を踏み出した。
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